おまけのおまけ
おまけのおまけ
その朝、スーパーの金券ショップの店主は、ウキウキしながら金庫を開いた。昨日手に入れた室町後期の銀判を見るためだ。よくぞあんな状態の良いものが残っていたものだ。そう考えると、店主の顔がまた緩む。
だが、金庫を開けた途端、その店主の顔は緩んだまま固まった。
「な、ないっ!!」
昨日確かに金庫にしまったはずの銀判が、影も形もなくなってしまっているのだ。金庫は確かにしまっていたし、銀判を包んであった布は、包まれたそのままの形で残されていて……
おまけに念のために確認した金庫金は、その銀判を買った8万円分増えていたのだ。
「夢……だったのか?」
夢だったとしたら、この布はどう説明するのだ。店主は『狸に化かされた』としか言えないこの状況に、わなわなと震えながら、
「お、俺の銀判を返せーっ!!」
と最大音量で叫んだのだった。
‐お後が宜しいようで…‐
今回、一番かわいそうなのはだぁれってことで、ダントツにワリ食ったのはこの人でしょうという訳で、「金券ショップ店主」登場と相成りました。
一之助の存在が消えるとともに、プリクラの写真から一之助の姿も消えるという設定でいけば、あの室町銀判が金券ショップの金庫に残っている訳はないでしょう?
ちなみに、圭治にお金を払わせたのは、一之助が払ってしまうとプリクラ自体がなくなってしまうからなんです。
以上、お楽しみいただけたでしょうか。
感想、頂ければ幸いです。