お部屋
(さっきのなんなんだろ…兄妹みたいだったけど…)
「大変申し訳ございませんでした」
アイノが謝った。
「っあっと!いえいえ。こちらこそ…というか、えぇっと…あの方って…?」
「あぁ、あれはアワヤ・コロトロスです。
私の兄です」
(あ、あれって…物扱いされてる…ん?コロトロス?)
「ええぇぇ?!あ、兄ぃ?!」
「?はい」
わぁお…衝撃の事実…
「まぁまぁ…部屋へ案内します」
(…部屋…どれだけ狭いのかな…)
カノはもう、期待などそんな淡い気持ちは捨てた。そうでないとあの家で生きていけないからだ。
しばらく歩くと…
「こちらです」
「……」
緊張して戸の向こう側を見ると…
「……………」
驚いた。開いた口がふさげなかった。
(グールガ家半分じゃん!!これ部屋?!)
むちゃくちゃ、むちゃくちゃ広かった。
「どうですか」
「こ、こんな広いお部屋…使っていいんですか…?」
「はい」
「えっと…一応聞きますけど…ここって、アイノさんと二人で住むんですよね?」
「なにを言っているんですか。カノ様専用ですけれど…もう少し広いほうがよかったですか?」
「え…?一…人?え?」
(え?怖い怖い怖い怖い怖い…)
きっとなにか聞き間違いだ。うん。
「じ、冗談ですよね…?」
「冗談ではありませんけど…」
(っっっっ?!!?!)
凄すぎてよくわからない…。
「えっと…部屋…見ていいですか?」
「どうぞ、ご自由に」
「はぃ…」
まず目に入ったのは、豪華なカーテンだ。
右の方に行くと、凄く大きい、カノが4、5人入りそうなベッドがあった。
「…………」
それからも部屋を散策した。
ほんのり桜の模様が描かれている机と椅子や、カノに与えられていた部屋の2倍ほどの広さのクローゼットやら。
一通り散策したら、戸の近くに戻った。
「……………………」
「どうでしたか?」
(……どうだったかって言われてもどういう反応したらいいですか!!)
「えっと…す、凄かったです」
「そうですか。よかったです。
隣は私の部屋なので、なにかありましたらお呼びください」
「あ、ありがとうございます」
「それでは、ごゆっくり…」
「あっ!ちょっと…待ってください!」
「?なんでしょうか」
(あぁっ私としたことが!)
「暇つぶし…、ですか?」
(なんでわかったのぉ!?)
そう、カノはずっと家事ばかりしていたから好きな事などあるはずもなく、なにをしたら良いのか分からなかったのだ。
「それでは…好きな事を探してみては?
私も協力します」
「あっ、ありがとう、ございます!」
ただ今総アクセス数436です!あともうちょっとですね。新作のジャンルは…ホラー系にする予定です。