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オカルト麻雀対戦記、列伝。~鈴木大介プロ対局編~

作者: 櫛引 祐二



2023年、10月1日、

五反田、麻雀next

(Mリーグルール、45分時間打ち切り)



今日のスペシャルゲストは、日本プロ麻雀連盟、

Mリーグ BEAST Japanext所属、鈴木大介プロ。

皆さんご存知だとは思いますが、プロ棋士9段でもおられます。






将棋界や、アイドル界での、エキスパートの方々・・・






大介先生とは、チームメイトの猿川真寿プロが経営している、赤羽の競技フリー雀荘monoにて、実は1度、対戦済み。


東風戦ではあったが、俺は何もさせてもらえず、見事にトップを取られた大介先生。本当に、何もさせてもらえなかった。


抗おうとしたけど、完封されてしまった櫛引祐二。ラス。







あぁ、今日も同卓できると良いなあ。。


初回から、フリー8卓開催。



クジ抽選のトランプを引いて指定の卓に着いていたら、3人は揃ったけど、最後の1人がいつまでも来ない。ポツンとひとつ、空いたままの席。


お客同士3人で、

「最初っから引き当てちゃいましたかね~」と盛り上がる。


ほどなくして、開始挨拶を終えた大介先生が、そのままこちらの空席に着席。



いきなり、大介先生との再びの勝負を得られた櫛引祐二。







そろそろ、そろそろ、、Mリーガーだなんだ、特別な存在にも勝ちきって行かなきゃな。


“みなさん、、憧れるのをやめましょう” ───────








「よろしくお願いします!!!!」









1半荘目



東家 体感中級者 Z


南家 櫛引 祐二(麻雀プロが1番打ちたくないアマ雀士)


西家 鈴木 大介プロ(野獣。2019最強位)


北家 体感上級者 A









東1局  南家 ドラ二萬




はじま、始まったぁ、、


櫛引祐二、配牌、




  四六七九萬④⑤ピン39s南北北白發



⑤ピンは赤牌。




うん、感じ取ったのは258(リャンウーパー)。マンズかピンズの258でのあがりになる。たぶん。笑 アヤ筋だったら良いなあ。369も147も、なんかあまり、良い感じにはくみ取れない、現状。それが正直、第1感。


つーかこの手牌、先手取れないだろ。笑

後手後手の後手? 笑






ところが局の中盤はじめ、

先制リーチに辿り着いたのはその櫛引祐二だった。



「リーチ!」 (即リーの、、GOでぇす!)





   四六七八九345⑤⑥⑦北北



⑤は赤牌。




かなり効率良く有効牌を引いた結果、当初感じていたカンチャン五萬(258の)待ちでの即リーチ。途中、八萬を秒速でツモ切っています。現状、リーチ、赤1の手。


リーチから2巡後、あがり逃しとなる七萬を引いてくる櫛引祐二。うん、、、ペンカンチャン待ちになるとはいえ、かなり七萬は良さそうだった。九萬八萬、と、親と大介先生からパラパラ切られている。しかし八萬を残して、は、、、


デジタルとオカルトの融合ぅ? 笑




ドラの二萬も持って来て、リーチ後の河に並び、一応、待ち牌の五萬はナカスジにはなったが・・・・・





親から、満を持したような追いかけリーチが入る。





うん、、経験則上、、この感じ、、感じる。

五萬はごっそりみんなに組み込まれているな。。。

ま、マズいよね。




互いにツモ切りが続く。なかなか決着がつかない。



終盤、

流局まさにベスト、流局まさに神展開、と心に宿した直後、櫛引祐二から放たれた⑧ピンに、思わぬところから声が上がった。







「ロン、」







  二三四②②②④④⑤⑥⑦⑧⑧







大介先生の、安心感のある力強い声。

大介先生の、あがりだった。


タンヤオ、ドラ1。

2600点と2本のリーチ棒付き。



⑤ピンは、リーチ者2人に通っていた。

その筋の、⑧ピン待ち・・・・・・・






「はいっ。」


大介先生に点棒を払う櫛引祐二。





















う~~~ん・・・・・・・・やむなし!


(何を言うとんねん。笑)








東2局  東家 ドラ3ソウ



局の中盤はじめ、櫛引祐二、手牌、、




  ①①①五六九九九34789 4




受け入れ広めの、完全イーシャンテン。ドラ3ソウが出ていってしまうテンパイ、4ソウを持って来る。音速のスピードでツモ切り、テンパイ取らず。今日のハイライトになるかもしれない。



なかなか、思うようなテンパイ牌を持って来ない。

四、五、六、七萬、2、3、5ソウ!! 笑


じれったい。その内に、、、




  ①①①五六九九九34789 7





7ソウを持って来て、これまた音速のスピードで雀頭を固定し、8ソウに手をかけ切っていく。


カラダがそう動いたから。手牌にいい加減、変化をつけたかったから(笑)。今日のハイライトになるかもしれない。受け入れは、ドラは必ず使い切る2、5ソウ、マンズは先ほどあがれなかった、五のひとつ頭を下げた、四、七の受け入れに固定。

かなりかなり、効率は悪くしたが、、、(オカルト、、)




上家の北家から、先制リーチが入る。




ほうらぁ~、おいでなすったぁ。。





次巡、


櫛引祐二が追いつく。



「リーチぃ!」





  ───── ①①①五六九九九34577 ─────






5ソウ引きテンパイ。最初のテンパイ外しから、かなりかなり、巡目はかかってしまったが。

先ほどあがれなかった、五(258)のひとつ頭を下げた、あがり損ねもした、四、“七萬”待ち(147)・・・・・・・







この半荘だけは、、正規の、、、

純度100%の、雀鬼流で打とう。

それが俺なりの敬意だし、また、、、そう闘いたい。


勝手に、心の中で、大介先生は兄弟子! 





周りがどうだからとか、

相手がどうだからとかではなく、、。


俺にとって、麻雀とは“道”なのだ。



支えてくれる、みんなのために(親父、兄貴)。


出会ってくれた、すべての人たちのために。。。。。






櫛引祐二の追いかけリーチ一発目、先制リーチの上家から放たれたのは、七萬。





「ロン。」






リーチ、一発、ドラ、

裏ドラ六萬が1枚乗って、親の満貫。

12000とリーチ棒の収入。






うん。。良い感触だ、きっと、、、




次局、1本場は、対面から大介先生へのかわし手の横移動。大介先生の加点。


どうやら、大介先生と櫛引祐二のデッドヒートになりそうな局展開。



“望むところです!”









東3局  北家 ドラ九萬




5巡目先制リーチをかける櫛引祐二。入り目は1枚切れだった發。自分の手牌の中からなら、この字牌だと狙いを定めていた。


一萬二萬がパラパラ切られている、

今好調のマンズ待ちなら・・・・・・・・・




     南南南發發一一二二三456




ペンチャン三萬待ち、リーチ、イーペーコーの手。




数巡後、、



「ツモ、」



櫛引祐二、僥倖のあがり。


リーチ、ツモ、イーペーコー、裏ドラは、なんと、南!!!

裏3! ハネマンのあがり!



僅差の2着目だった大介先生に、親っかぶりをさせることが出来た!







東4局  西家 ドラ西




大介先生から、風牌の北の1鳴きが入る。


だが、6巡目、

またしても先制リーチに辿り着く櫛引祐二。




   23456777二三四⑦⑧




⑥⑨ピン待ち。⑦ピンを切ってのリーチ。⑨ピンは2枚切れ。入り目は四萬。先ほどの三萬のあがりから、間違いなく今局は369がアヤで、絶妙に、みんな使えなさそうな⑥⑨ピン待ちどり、、



ではあったの、だが!






リーチ一発目に、4ソウをツモ切って押してくる大介先生。

ん、、ひょっとして、大介先生まで、もうテンパイ??

まさか。



待ち方によっては、1、4、7ソウ⑦ピン待ちの変則多面張待ちで、一発で大介先生から打ち取ることも出来ていた。

この、大介先生の、4ソウ押しのプッシュ・・!



(ようやく大介先生の気合いも乗ってきた気がする、、)


(キレを増した所作で、分かる、、、)











いつまでも、いつまでもあがれない櫛引祐二。



現状、⑤⑧ピンと⑥⑨ピン以外の全ての通っていない危なっかしい筋を、猛プッシュして攻めてきている大介先生。



まさに、卓上の鬼!! 鬼神!










う~~ん、これは、、そうか、俺にとって、ピンズは死んでいる、死に色だ。それに、、、マンズだけが、やっぱり特別だったんだな、、、。と、なると、この局は、きっと。。。







最後までツモれず、櫛引祐二。

そして、そのすぐ次のツモ、ハイテイは、、










「、ツモぉ!」









  ─── ②③③④④⑤⑦⑧⑨西 北北北ポン ───






ドラ西での、大介先生のツモあがり。

鬼の豪腕、一撃!!


北、ホンイツ、ハイテイ、ドラドラ。

ハネマン!



まだまだ逃がしてもらえない櫛引祐二。

猛追してくる大介先生。






これが、、ずっと勝負の世界で生き抜いてきた男。


最強位、鈴木大介・・・











南場は、これまであがれていなかった脇2人が、ちょくちょくあがっていく展開に。参加率高めな、展開に。

トップ目の櫛引祐二としては、

かなり、かなりありがたい展開。



親番も無事に通過し、逆に、大介先生は、親番で満貫ツモられの親っかぶりをしてしまう。





運を、味方に付けているか?


余計にトップを取りたいと意識し出してしまう、

櫛引祐二。






そして、遂にオーラス、









南4局  西家  ドラ南




持ち点は、櫛引祐二が41600点、大介先生が、31600点。ちょうど1万点差。大介先生は、リーチ棒が出ての満貫ツモあがりで単独トップ。ハネマンなら、出あがりトップ。櫛引祐二は、局が無事に終われば、何でも良し、トップ。




櫛引祐二、配牌、、



  一五五七七②③⑥⑧⑧35發



五の1枚は赤牌。5は赤牌。




ほんの数巡経って、大介先生が、ほぼ続け様に、


「ポン! ポン!」




大介先生、手格好、、、




  ???????    南南南ポン 北北北ポン







おいおいおいおい、上家Zさんよ、勘弁してくれよ。オーラスこの状況で、風牌とはいえ、北を1鳴きしてきた大介先生に、ドラの南までもう献上しちゃうのかよ。頼むよ。笑 幸い俺が、赤牌2枚持っているけど、もうすぐ、ハネマンまで見え見えじゃん。まだ序盤も序盤で。せめて最終形、テンパイリーチと同時くらいにしてくれよ。そうか、3着4着も2000点差くらいで競っているんだもんな、まあ、まあ、仕方ないかぁ・・・。



だが逆に、半分あきらめ、開き直り、これで櫛引祐二も前に進むしかなくなった。配牌をもらった第1感も、これは、自ら躱しに行こう、だったし。大介先生の攻め模様は、どうやらピンズのホンイツか、チャンタ系があるかないかといったところ。やはり大介先生は、攻めの時の河の作りが、めちゃくちゃ上手い。先ほどの西単騎ハネマンも、ホンイツだとは思わなかったし。超一流。




そう簡単には行かないか、、ダメで、もともと、、、




⑧ピンのポン発進から、何とかしようと、懸命に、懸命に前に進む櫛引祐二。そして、ここまで、、、。




   三五五七七②③④345  ⑧⑧⑧ポン



五の1枚は赤牌。

5は赤牌。


よく④ピンやら4ソウやら、埋まったなあ。笑笑


テンパっています。1枚切らなければならない。



配牌をもらった時の第1感は、これ、マンズ、五萬と七萬、このまま、シャンポン待ちに受けよう、だった。あがり易いアヤも、きっと今は、258か369・・・。だが、あの、大介先生への役牌二つ鳴かせを、どう判断するか。




        ーーーーーーーーー




櫛引祐二のオカルトロジックでは、鳴きが三つ入ると場のアヤは変化し、鳴きの合計が六つになるか、4人全員が鳴くと、元のアヤに戻る。そして、一人で二つ以上の役牌を鳴いた方がいる場合も、アヤは、ほぼ確実に変化する。

序盤にキー牌や、ドラなどの鳴きが入った場合も、ほぼ確実に、アヤの変化を意識していかなければならない。


(アンカンや、加カンなども、一つの鳴きとして換算する)




        ーーーーーーーーー




これらを全部踏まえて、当て嵌めても、、なんか、、、


それでも、それでも、

ちょっともう、感覚として、分からない。








櫛引祐二、実際の卓上では、1秒で黒五萬を切り、当初感じていたのとは別の選択、最もその後の受け入れ変化が難しい、ある意味固定の、カンチャン四萬待ちを選択!!!





上家が6索チーの、678の鳴きを入れ、前に出てくる。

タンヤオの、躱し手模様。






その後、、



櫛引祐二、五萬であがりを逃す、七萬であがりを逃す、三萬雀頭変化での、カンチャン六萬での、あがりを逃す。


元々テンパイ気配の大介先生から、手出し③ピン切りが入る。(本当に毎度毎度、テンパイも早すぎますって。泣)












なんなんだよ、もう、この、オーラスの煮詰まりの、オシッコが出そうだけど、出せないようなそんな感覚。笑







もう、かなり厳しいと感じていた終盤のはじめ、満を持して対面親から、リーチ宣言牌として、放たれたの、が、、
























            四萬


















「ロン」












タンヤオ、赤、赤。3900点の収入。




櫛引祐二、不格好ながら、あがってトップを守りきる。

この半荘の、マンズの良さを、なんとか信じ切って結び付けたような、ある意味、ギリギリの(笑)、勝利。



まあ、勝負なんていつだってそんなものかもしれない。

特に、麻雀は。









「いやあ、これは完全に私の負けです」

名残惜しそうに、終局した後のご自身の手牌を、開けて見ている大介先生。

「見てもいいですか? とても気になっていたんです」


そっと、手牌を開ける大介先生。





  七八九①111  南南南ポン 北北北ポン




①ピン単騎待ち。

南、北、チャンタ、ドラ3。ハネマン。


きっと最終入り目は、イーソー。




「そうなっていたんですね」

「いや、ずっとずっとカン②ピンで待っていたんだけど、ここまで顔を見せないと、ね。トップ目きっとタンヤオでしょうし、①ピン単騎なら紛れも起きやすいかなと。まあ、そう簡単に出てくるかどうかは分かりませんが」





普段の大介先生なら、東1局のあの⑧ピンのあがり、リーチに踏み切っていたかもしれない。

するとまた、展開は、違っていた、かも。


大介先生のことは、今後も、出来る限り、明確に明確に追って行こう。胸を、借り続けよう。いつか、しっかりと櫛引祐二を認知して、意識してもらえるように。


同じ流派を汲んでいる者として、やはり、やはり、純粋に楽しい。大介先生の攻撃麻雀が、とてもとても、好きだ。






「Mリーグ、始まりましたね、」

と、櫛引祐二。

「始まりましたね。」

と、大介先生。


「どうですか、あの、対局会場、環境。。なんか、見ている僕らからしたら、実況やら解説やら音響とかで、割と賑やかですけど、なんか、実際はとても静かだって、、」

「静かですね。静かですし、本当に、卓上以外のまわりが、真っ暗なんですよ。だからなんかいつもより、目の前、自身の手牌に入り込んじゃって。普段なら、もうちょっと姿勢も引いて、相手の呼吸や間合いなんかも、しっかり意識しながら打てるんですけど、でも、もう大丈夫です。分かったんで。修正できるんで、次からは・・」












しっかり、次の日の登板で、Mリーグ初トップを獲得された大介先生。


あの、2回目の親倍満ツモの、

チートイイツの①ピン単騎!

思い入れの、①ピン単騎! 笑






打ち終わったあと、最後に、僕に、

「今日は明日に向けて、良い調整が出来ました、、この後も出来そうです。どうも、ありがとうございました。」


と、おっしゃってくれた大介先生。


こちらこそ、ありがとうございました!!

Mリーグ頑張ってください。ずっと、応援し続けます。

また、必ず会いに来ます。












2半荘目は、卓も変わって、17500点の3着終了でした。


オーラス、大きく2着目をまくられましたが、この半荘、とても勉強になりました。新たに、分かったことがありました。


なので敢えてここに記載せず、門外不出の半荘とします。

あしからず。




今回の成績です。



1着 +65.5ポイント


3着 -22.5ポイント



合計 = +43.0ポイント、となりました。













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