PART3 反キリスト
「スエモト。ちょっと聞くが、貴様の理想の女性とは、どんな感じが、好きなんだ。聞かせてほしいんだが。僕は、だれがすきなたいぷの女優は、誰だとゆうと、そうだな。名取裕子が好きだ。そうか。そうか。スエモトは、そんな女が好きか。聞かなくても分かった。よし、それでは、十字架につけろ。奴の両手、両足に、杭を打ち据えろ。スエモト。僕の勝利のようだ。ははははは。」スエモトは、バラの冠むりをかぶさられて、十字架のある、丘に連れ去られて、まず片手に、杭を打ち据えられた。「痛い。」そして両足と、「こういう形で、ちょっと、人生論の、論争でもしてみようか。君は、確かに、ぼくといっしょで、人生の魅力の感じ方が、全然、違うということだが、君の趣味は、何だったかな。そうか。そうか。テニスが趣味だったか。君は両親が、共稼ぎだったのかね。そうか。そうか。共稼ぎか。お父さんの、仕事は、写植の仕事だったね。お母さんは、イージーオーダー。弟さんは、ホテルマン、なるほど。」「わかった。君の勝利だよ。スエモト君。彼を、十字架から、杭を取り去って、医者に診てもらうように、持って行ってくれないかね。その代わり牢獄に入ってもらうよ。君の信仰心の勝利でいい。さすがだ。」