魔術概論講義ノート
No.1
講義:魔術概論
担当講師:ルディ・ド・ドゥヴォス
魔術についての講義
・魔術とは術式によって導かれた答えをマナを用いてこの世界に発生させる技のこ
とである。
・マナについては現在でも不明な点が多いが、この世界に存在するエネルギーの一
つである。
場所によりマナが多い場所、少ない場所が存在する。また生物や植物もマナを
保有している
・魔術は術式が正しく、術者が発動式を理解し、マナが流れれば必ず発動する。
・発動する魔術の「本来の」威力や精度は書かれた術式に依存するが、術者の理解
度およびマナのコントロールにも左右される。
・3点(記述・理解・制御)のバランスによって魔術師の優劣が分かれる。
・理解できない術式の魔術はマナを流すことができないため発動できない
・自身のマナで発動するもの、自身のマナを切っ掛けに周囲のマナを取り込んで発
動するもの、これは術式次第である。
主に軍事利用されるような大規模な魔術は発動に必要なマナが多くなるため周
囲のマナを使用するものが多く、一般的なウル(点火)やニウ(発水)は自身
のマナのみを使用する。
・魔術師であれば魔術発動時にマナを媒介に顕現する術式を視ることができ、そこ
からある程度の魔術の種類を推測することができる。
魔術師
・魔術学院、もしくはそれに相応な機関から魔術の知識を修めたと認定された者
・多くの人は生活魔術が使えるが魔術師とは呼ばれない
・冒険者などは生活魔術以上の魔術を使える者も多いが、認定が無い場合には魔
術師ではない
術式
・魔術文字と呼ばれる文字の組み合わせで成立する
・魔術文字は発音を持たず、音や声を用いた魔術は使用できない
(とされているが魔獣の一部には明らかに発声によって魔術を使用していないと
説明不可能な部分が多い)
・魔術文字は円環になるように記述されることが多い。起こしたい結果が複雑に
なれば必要な魔術文字も増えるため術式も長く、複雑になる。
(火と水は円環にする方が効率が良くなる、地は四角が良い。ただし、火や水を
四角の術式で記載することも可能であるし術式によってはそちらのほうが良い
場合もある)
基礎術式
・自然界に存在する精霊をモチーフに、火、水、風、地を再現・発生させる術式
・マナをそのまま力として自身に還元する術式
特異術式
・東の国々では木火土金水を思想とした術式を使用している(これは思想が違う
だけで結果はこちらの魔術と変わらない)
・基本術式以外の自然現象、または自然現象を超越した魔術のこと
・時間、空間に作用する術式
・人体の重度の損傷を回復する術式(死亡を含む)
・他人の精神に作用する術式
・雷を発生させる術式
(東の国々では多くはないが古くから使用されており、我が国でも術式のみな
らすでに完成しているため特異術式から外れる可能性は高い)
攻撃魔術と防御魔術の歴史
・攻撃魔術、防御魔術、それ以外を生活魔術と分けている。
生活魔術のウルでも別に攻撃に使おうと思えば使えるがこの分類は術式が攻撃(
防御)を目的として開発されたかどうかで分類している。
攻撃魔術、防御魔術でも生活魔術のように使われているものもあり、またその逆
もある。あくまで学術的な分類とする。
・魔術学院が魔術を秘匿していた時代は攻撃魔術は不可避の攻撃であり、魔術師の
強さは圧倒的であった。
そのため学院の影響力は計り知れないものとなっていた。
・各国も魔術師を抱えていたが学院出とその他の差は大きく実質権力を握られてい
た。
・魔術革命後、魔術の原理が公開されてからは学院外からも徐々に優秀な魔術師が
現れ、防御魔術が生まれ攻撃魔術は防ぐことが可能となった。
攻撃魔術
・その名のとおり他者、もしくは何かを攻撃することを目的に作られた魔術
・代表的なものには火のウル・ガ、地のミグ・ガがある
・対人、対隊、対壁など用途に応じて範囲や種類など複数開発されている
・水と風は攻撃魔術にあまり向いておらず、これらを攻撃魔術まで昇華できるのは
高位魔術師だけである
・防御魔術が発明されてからは単一ではなく混合精霊の魔術が使用されるようになった
防御魔術
・攻撃魔術を防ぐことを目的に作られた魔術で攻撃魔術と違い基本的にはほぼ1式
しか存在しない
・防御魔術は発動する精霊の種類は違っても基本的には自らの身体を覆う膜のよう
な魔術が一般的になる
(多人数や範囲の場合はこれが球形だったり正方形だったりする)
・防御魔術はマナ自身を壁のように発生させるため攻撃魔術に比べてマナの使用効
率が悪い
・いずれかの精霊の防御魔術で攻撃魔術を防御することができる。
火←→水、地←→風 左の相反精霊のほうが防ぐのに必要なマナの量が少ない
がとりあえずどの精霊の防御魔術でもマナを増やせば防御は可能
媒体
・おもに術式が記載されたもの
・魔術書と呼ばれる本の形式をとったものが始まりとされる
その後、刻印技術の発達などから杖や剣の形が生まれた
・多数術式を刻印した宝玉を付けた杖型
主に大規模魔術に使用されこの杖を持つ者を一般的に魔術師と呼ぶ
・即時発動の術式が刻印された剣型
主に前衛や対魔術師での接近戦に用いられこの剣を持つものを一般的に騎士と
呼ぶ
こちらは普通の剣と区別するため魔剣と呼ばれる(魔剣士などとも呼ばれる)
・剣と杖どちらかしか持たないわけではない
魔術師でも護身用の短剣型魔剣を持ち、騎士も遠距離戦が可能な術式が2,3刻印
された短杖を持つことがほとんどである。