#4 vsブラックワーム
今、俺の目の前には黒くて図体がでかくて気持ち悪くてそれでいて…
恐ろしいブラックワームがいた。
「POOPOPOPOOOPOOPOOPOOO」
そいつは奇怪な音を立てながら人をゴミくずのように潰していく。
「ハァッ、ハァッ」
めっちゃ怖い。
足が震える。
逃げ出したい。
でも、それはあいつも同じだろ!
何怖気づいてんだ雨宮陽!
むしろ、あいつのほうが辛いはず。
あの人と約束したじゃないか。
ここでやらないと。
「平雲!準備はいいか!」
「ああ!いつでも!」
「おい!ブラックワーム聞いてんのか!」
触手の当たらないビルの陰からから大声で叫ぶ。
反応はない。
次にそこら辺に落ちてた懐中電灯で奴を照らす。
誰かが避難の時に持っていこうとしたのだろうか?
こちらも特に反応はない。
最後に少し大きめの瓦礫を触手に向かって投げつける。
「!」
「避けろ!」
予想通りこちらに触手が飛んできた。
ビルの残骸を使って何とかやり過ごす。
やっぱりな。
こいつは索敵能力のほぼ全てを触覚に委ねてやがんだ。
「それが分かりゃこっちのもんだ!」
俺は大量の瓦礫を投げ込む。
「POPOOOPOPOOOOPPPO!」
ブラックワームは奇怪な音を立て瓦礫を潰していく。
「今だ!そっちを行け!」
「ああ!絶対に助けを呼んでくるから!」
瓦礫を投げ込んだらブラックワームはそれを潰す。
そうすると瓦礫は飛び散りブラックワームに触れる。
ブラックワームはまた潰す。
これを繰り返すことでブラックワームの気を一時的にこちらに逸らすことができた。
こんなことしかできないが、平雲が逃げる分には十分だ。
「うっし。成功だ!後は頑張って避ければッ!?」
その時瓦礫を潰していたブラックワームの触手の先が当たった。
俺は視界が眩んで、数メートル先のガードレールまで飛ばされる。
「うっ、ぐぅ」
全身の骨は折れ、口から血が出て、意識が朦朧とする。
完全にブラックワームに気が付かれた。
「POOOOOPPPOOOOPOPOOPO!」
ブラックワームが眼前に迫る。
「ああ。すいませんお兄さん。あの約束守れそうにないです。」
俺は守らなければいけないのに。
ああ。懐かしいなぁ。あれって夏休みくらいの時だっけ。
特殊能力無しの戦いって書くの難しいですね。