#3 英雄と約束
さんこめ~o(* ̄▽ ̄*)ブ
2021 3/29 ¨体は金属に近い物質でできているらしい¨を追加しました。
そいつは、ブラックワームと呼ばれる大木目ダンジョンのボスモンスターだった。体は金属に近い物質でできていて並大抵の攻撃は通らない。
とんでもない速度で飛び交う触手。捕まえられ、潰され、捕食される。さながらそれは蹂躙ショー。
幸いなことにそのモンスターは周りの人たちを食べるのに忙しいようでこちらに気が付いていないようだ。
「たすk
ぐしゃり。
「あっあなt
ぐしゃり。
一人また一人と潰されていく。
「はっ早く逃げるぞ!」
「ハァッ、ハァッ」
そうはいっても呼吸は乱れ、腰も引けて立てない。
言った平雲の足も震えていた。
その間にも刻一刻と死までのタイムミリットは迫っている。
「痛い!?a
ぐしゃり。
「ま、まま~!たすk
ぐしゃり。
「ハァッ、ハァッ、ハァッ、ハァッ」
息が荒くなる。
もう、迷ってる時間はない。
「フッ、ふぅー」
息を整えて。
「平雲。」
「なんだよ?」
「俺があいつを引き付ける。お前はその間に隣町に逃げろ!」
「えっ。は!?はあああああ!?馬鹿かお前!お前職業も持ってないのにあんなのに太刀打ちできるわけないだろ!?」
「でも、このまんまじゃ後ろのモンスターに喰われるか、前のモンスターに喰われるかだろ。」
「でも!お前はもうちょっと自分の命を顧みろよ!昔っから他人のために自己犠牲ばっかして!なんで僕一人のためにそこまでする!?」
「なんでって俺よりもお前のほうが優秀だし、何よりお前なんかよりも俺が死んだほうがいいだろ」
「だっ!だからって!お前はなんで人生諦めてんの!?そんな馬鹿な事やめろよ!」
平雲は何も言わなくなった。
その足はまだ震えていた。
「俺の人生諦めたことばっかりだったんだよ。だから今日だけは、俺はお前の英雄でないといけないんだ。あの時から。お前を見捨てることは出来ない。あと、絶対にお前は助けを呼んでくれるだろ?お前なら俺を見捨てないって信じてるから。」
「…ああ。」
「だったら安心だ。」
「分かった。じゃあ、絶対に生きろよ!死ぬなんて…許さないからな!それが約束だっただろ。」
「絶対だ。約束する。」
「でも、どうやってあんなのを出し抜くんだよ。普通に突っ込んだらただ死ぬだけだぞ。」
「それは、俺に考えがある。多分あいつはーーー
お互いがワケアリなのです。
あと、評価してくれた人ありがとうなのです!