#1 プロローグ
今日2本目です。
予定では俺こと雨宮陽は地元の中学に進学して普通の生活をしているはずだったんだ。
「新入生はこちらの門からどうぞー」
なのにどうしてこの危険な昇華者となって
「お、陽くん久しぶりー」
「あっ。その節はどうも」
世界でも最高峰の昇華者教育施設『国立昇華学校』にいるんだ?
「陽く~んそんなかしこまらなくてもいいのに~」
「じゃあね陽くん新入生は体育館いってね~----
それは遡ること数か月-----
「次、雨宮陽」
うわ、乾の奴また100点とかとってるし…
うわ、平雲もじゃん。
「おーい、雨宮ー」
クラスの人気者はいいよなぁ。
それに比べ俺は平凡だからなぁ。
乾は顔もいいし、成績優秀、スポーツ万能。
それは平雲もか。
「おいーー
俺は顔はさしてイケメンでもなくブスでもない。成績は人並み。運動もそこそこ。
「おいーー
まあ、いいんだよ。俺のモットーは「平凡で自由に生きる」だからな。
もう人気になるのは諦めた。
ベツニヒガンデルワケジャナイシ
え?片言だって?そ、そんなことあるわけーー
そのとき、頭に強い衝撃が走った。
「いっっった!」
「おいってば!陽お前呼ばれてる!」
痛みの正体は幼馴染でおとなしそうな親友の平雲のチョップだった。
「へ?」
「へ?じゃないぞ雨宮何回呼んだと思ってるんだ?早くテスト取りに来ないと全員に公開するぞ」
「「「わっはははは!」」」
教室中に笑いが起きる。
「ちょ!まってくださいよ!」
俺は急いでテストを取りに行った。
「おい陽、なにぼーっとしてたのw好きな子でも出来た?w」
席に戻ると平雲がそんなことを言ってきた。
今日も通常運転のようだ。
「フザケンナ。俺みたいなのにそんな青春イベントあるわけないだろ」
「ま、そうだね。まあそれはどうでもいいけどさ」
「おい」
自分から言っといてなんだそれ。
「テスト、合計500点中何点だった?」
「お前が言い出しっぺなんだから、お前から言えよ」
「あ~490点。まあまあだよ」
イラッ。
そうなんだよ。こいつこんな感じなのに頭いいんだよ。
なんでだよ。
「俺382なんだが?490でまあまあ?取り敢えず一発殴っていい?」
「抑えろ抑えろ。物騒だって。あと、早く帰る準備しろ。一緒に帰ろう」
「はぁ。わかったよ。」
放課後。
「そういえば陽、お前どこに進学するの?」
「ん。うちの中学の隣の大木目高校」
「お前本当良くも悪くも向上心ないよね。昇華者になりたいとか思わないの?」
「言語道断。いつも死ぬ危険と一緒とかやだよ。俺にそんなん出来る訳ないだろ。んで、そういうお前は?」
「R高」
ばりばり名門校じゃないですかやだー。
本当になんで平雲は俺と一緒にいるんだ?
「マジかよ。え、もしや余裕?」
「はぁ?そんなわけ<大木目ダンジョンで崩壊が起こりました。近くの方は直ちに避難してください>
そんな放送が響いた。
もうちょっとで陽が目覚めます