99.賢い兄妹
ハーレイと別れたレイアとノアは、レイアの部屋に戻った。
「ノア、ハーレイに何を上げるの?」
「んー?盗聴されない念話をする為の道具ってとこかな」
「あら、それは便利ね!ここからでも出来る道具なのかしら」
「出来るように作る」
「さすがノア様ね」
ノアがふふん、と機嫌良さげにレイアの周りをくるっと飛んだ。
「さて、そろそろ下に戻るぞ」
そう言うと、ノアは颯爽と階下へと飛んで行った。
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「お母様に何を見せてたの?」
階下に飛んで戻ったノアに、シェリルが尋ねた。
そんな言い訳をして二階に行った事をたった今思い出したノアは、飛ぶのをやめてソファにポテっと着地した。
「えーと・・・本にゃ!シェリルの勉強に使えそうな本があったんだにゃ!」
言いながらレイアをチラチラ見て、話を合わせろよオーラを送った。
「そうなの。私が昔使った教本みたいなものかしら。懐かしくてつい読んでしまったわ。でも古語が多かったから、まだシェリルには早いわね」
レイアはノアに合わせて話を繋げると、シェリルがキョトンとレイアを見た。
「古語?古語ならシェリル読めるよ!」
「「「え?」」」
シェリルの発言に、キッチンで夕食の支度に取り掛かっていたイヴまで、驚きの声を揃えた。
「えーと、シェリル?古語なんていつ覚えたの?私は教えていないわよね?」
「お兄様に教えてもらったの!それでね、お勉強の為にお兄様といつも古語でお手紙のやり取りをしてたの!」
「ハーレイ・・・すごい子にゃ・・・それを覚えたシェリルもすごい子にゃ・・・二人ともほんとにレイアの子?」
「ちょっとノア、失礼ね!」
「そういえば確かに殿下は文庫室から古語の本を借りてらっしゃいました・・・これから覚えるのだとばかり・・・」
イヴが包丁片手に放心していて、少し怖い。
「まぁ、それならシェリルに教えれそうな魔法書を見繕っておくにゃ」
この家にはノアの魔法書が沢山ある。
そして、実際ほぼ古語で書かれているのだ。
「うん!」
喜ぶシェリルを見て、レイアがそうだわ、と提案した。
「シェリル、ハーレイにお手紙を書いてあげて。私が届けるわ」
「お母様、ほんとう!?」
「ええ。ハーレイが喜ぶわ」
「ありがとう、お母様!」
シェリルがぴょんぴょんとレイアの前で跳ねた。
「姫様、夕食を終えたらレターセットをお持ちしますね。きっと殿下が大喜びされます」
イヴがそう言いながらシェリルに微笑んだ。
包丁片手に。




