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番の瞳  作者: 言葉
第二章:レイアの過去
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91.出来る息子②


部屋に戻って少し仮眠を取ったハーレイが目を覚ましたのは、一時間程たった頃だった。

まだフィルは来ていない。


「誰かいる?」


ハーレイが声をかけると、ベッドの横にフィルとは違う密偵のヒルダが現れた。

ヒルダはちゃんと女性だ。


「お目覚めですか」


「うん、どう?」


「フィルが魔法で監視しておりますが、陛下は間もなく森を出る様です」


「そうか。だいぶ長引いたんだな・・・アリシアの方は?」


「忙しなくレイア様の宮の様子を探っておられますが、入り込めず怒り狂っておられます」


「くっくっ、わかりやすいなぁ。さて、そろそろ宰相に知らせるかな」


ハーレイがベルを鳴らすと同時にヒルダが消え、直後にアデルが入室した。


「殿下、休めましたか?」


ハーレイの顔色を伺うアデルの両手には、水晶と鏡が握られている。


「うん、お陰様で。それ、持ってきてくれたんだね。ちょうど一度父上の様子を見てみようと思ったんだ。さすがにそろそろ帰路だと思うんだけど」


「はい、そう言われると思いまして」


幼いながら執務をこなすハーレイを、アデルはいつも心配しており、常に眉毛が八の字になっている。

ハーレイが起き上がり、ソファに座ると目の前に水晶と鏡が置かれた。


(先程ヒルダがそろそろ森を出ると言っていたから、森の入口を映せばすぐ見つかるだろうけど・・・少しでも時間を稼ぐか)


ハーレイは城の門を映し出し、そこから森へ向かって視点を動かして行くことにした。


「まだ帝都には入ってないみたいだ」


「その様ですね・・・そんなに魔物が多かったのでしょうか?お怪我など無ければいいのですが」


アデルと話しながらようやく森の入口付近へと視点を変えた時、ちょうど父上と兵たちが森から出てきた所だった。


「あ、今やっと出てきたみたいだ。アデル、森から少し進めば話せるから、宰相に連絡して。僕からだと・・・やっぱりちょっと言い難いし・・・」


「それはもちろんです。すぐに宰相の元へ行ってまいります」


アデルを見送ったハーレイは小さく溜息をつくと、姿の見えないフィルに話しかけた。


「戦闘の様子は見た?」


「はい、どうやらかなり大きなビーモスの巣があったようで、手間取ったみたいですね」


天井裏から聞こえた声にハーレイは、ほぅ、と合図ちを打った。

ビーモスとは蜂の体に蛾の羽が生えたような魔物で、大きさは子猫くらい。

単体だと差程強くないが、巣があると中に大量にいる為、討伐するのが厄介な魔物だ。

勿論蜂と同じで針を持ち、刺されると毒に侵されるし、羽から出る鱗粉も毒が含まれる。

解毒剤も魔術による解毒も有効だが、刺されるとかなり辛い。

先程見た父上の様子だと問題無さそうだったが、何人も刺されただろう。

予定としては今日の夜に、兵を労う夜会が開かれる予定だったが、時間も押してるしどうなることやら。

しばらく思案していたハーレイの頭の上から、さらに声が聞こえた。


「殿下、宰相が陛下に伝えました。今物凄いスピードで城へ向かっております」


「そうか・・・。フィルは今日からしばらく陛下の監視を続けて。何をするかわからないからね」


「かしこまりました」


(ヒルダには常にアリシアとアリアの監視を頼んでいるけど・・・アリシアが離宮に入り込めた所で、特に問題は無いはずだし、とりあえずは父上が戻ってからだな)


「シアンはフェルディナの監視を。フィルのサポートに一人付いて、他の子は現状維持」


「「「「かしこまりました」」」」


天井裏から何人もの声がした。

今日はいつもより多いな、とハーレイは苦笑いをこぼした。


賢い皇太子だから密偵くらい使うよね!ってことで自分の中で納得しました。

育てたのはレイアだけどw

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