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番の瞳  作者: 言葉
第二章:レイアの過去
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90.出来る息子①


「アデル、そろそろ父上達が帰路に着く頃かな?」


ハーレイが書類を見ながら後ろのアデルに問いかけた。


「そうですね、予定では遅くとも昼には城につくとの事でしたから・・・そろそろ陛下にお知らせ致しますか?」


カリカリとサインを書き終えた書類を『済み』の箱に入れたハーレイが、徐に立ち上がった。


「念の為、戦闘中だと悪いから見てみよう」


ハーレイに与えられた執務室は、本来ハーレイがもう少し大きくなってから与えるつもりであった為、家具などもまだ揃っておらず閑散としていた。


先日部屋に入れられたばかりの、小ぶりながらも彫刻の細かいテーブルに、それに合うように作られたソファが並んでいる。

ハーレイはアデルをそのソファに座らせると、棚から鏡と水晶を取り出してアデルの向いに腰掛けた。


その鏡は、皇帝の代理で執務を行うようになってから与えられた物で、皇帝に呼び掛けると話せる物。

水晶は一方的に見たい場所を見れる物。


ハーレイは先に水晶に帝国を映し出した。


「予定通りなら、そろそろ森を出てる頃だよね」


言いながら、いつも皇帝が森に入る際使う入口を映した。

そこから360度回転させ、兵士がいるか探したが見当たらない。


「おりませんね・・・かなり前に出られたのでしょうか」


「そうかもしれない」


森の入口から城へ向かうように水晶に映る景色を移動させる。

しかし結局見つからなかった。


「どうやらまだ森にいるようだ・・・予定より魔物が多かったのかな」


「陛下の事ですから心配は無いと思いますが・・・」


ハーレイは父の魔力を辿ってみる。

セオドアは魔力を探られると感知してしまう為、ハーレイは普段あまりやらないのだが、今回は心配していたとでも言い訳が出来るから問題ないだろう。

魔の森の方にセオドアの魔力を感じる。


「確かに森の方に父上の魔力は感じる。けど、魔の森の中だと魔素が濃いから位置が分からないなぁ。魔の森だと鏡でも上手く話せないし・・・」


「でも、陛下はご無事という事ですね。殿下の言う通り、先走って皇妃様の事を伝えなくて良かったですね」


「うん、討伐に集中出来なくなると困るからね。アデル、宰相にも長引いているようだと伝えておいて。僕は少し部屋で休むよ」


「かしこまりました」


ハーレイはアデルが『済み』の書類を持って執務室を出るのと同時に、ハーレイも執務室を後にした。


部屋に向かいながら後ろに付き従う侍女に目でこちらに来るようにと合図する。


「はい、殿下」


小声で声が届く距離に来た侍女が、蚊の鳴くような声で問いかけた。


「父上の帰りが予定より遅くなりそうだ。僕は部屋に戻ったら昼食を取って少し休む。フィルはその間父上の動向を監視して。くれぐれもバレないように」


「かしこまりました」


フィルと呼ばれた侍女は、また本来の距離を保って後ろについた。


この侍女のお仕着せを着たフィルは、実は男である。

母が今回の逃走を計画した際に、幾人かの密偵を雇った。

殆どが元孤児で、シャウゼン以外の出身者もいる。

フィルは優秀な密偵で、2年前に母からハーレイ付きになった。

他の母の為に動いていた密偵も、母が城を出る際に全員城に残り、今はハーレイの手足となっている。

元からその様に契約していたらしい。


最初フィルを見た時は、認識阻害を掛けていたらしく特に何も思わなかったが、魔法を解いて貰って顔をキチンと見てみたら、かなりの美丈夫だった。

『フィル、貴方の女装は美人過ぎて密偵の仕事に差し支えるわ』と母に言われたらしく、普段は認識阻害をかけているらしい。

母のフィルに対する指摘に、だいぶ納得したハーレイだった。


気付いたら密偵というキャラが出てた。

ハーレイは純粋に良い奴設定だったはずが・・・アレ?


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