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番の瞳  作者: 言葉
第二章:レイアの過去
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89.閑話:可愛いくて尊いのに凄いノア様

閑話イヴ視点です。


私はイヴと言います。

シャウゼン帝国の皇妃レイア様の侍女を務めております。

訳あって今はお城から、レイア様のお生まれになった妖精界に来ております。


住まいはレイア様がご結婚前に住まれていた、絵本に出てくるような真っ白なお家です。

そこに、レイア様の魔法のお師匠様である、ノア様がおります。

ノア様は見た目は艶々の黒猫様で、瞳は黄金、背中に透き通る羽があります。

とても神々しい猫様です。

と言っても、猫の姿は仮の姿で、元は人型らしいです。

おそらく人型でも美丈夫に違いありません。


昨日からレイア様に魔法を習い始めたのですが、今日レイア様はシェリル様にお勉強を教えるという事で、私はノア様から魔法を教わる事になりました。

レイア様のお師匠様に教えて頂けるとは畏れ多いです。


「イヴ、昨日は体内で術式を作るイメージの練習をしたんだにゃ?」


ノア様は普段、レイア様曰く『猫語』で話されます。

とても可愛いです。


「はい、魔術と違って目に見えないので少し手間取りましたが何とか!」


「うんうん。でも魔法はイメージが大事にゃ。魔術よりもイメージを優先させる分、自由度が高いんだにゃ」


後ろ足で立たれて、腕を組んで、うんうんと頷くノア様、可愛いすぎです。


「今日はそれを具現化するにゃ。まずは人差し指を立てて、その先に炎を出すにゃ。こんなふうに」


ノア様がおそらく人差し指を立て、ポッと炎を出しました。ロウソクの炎のような感じです。


「イメージは、指先にロウソクの火を灯す感じかにゃ」


ロウソクのイメージは合っていたようです!


「やってみます!」


私は体内というより、右手の中に術式をイメージし、炎を出すイメージを練りました。


ポゥ・・・


「・・・小さいにゃ・・・しかもなんか白いにゃ。光の魔力が邪魔してるにゃ。うーん・・・」


ノア様は私の炎を見て考え込んでしまいました。

そんな姿も可愛いすぎです。

あ、悩ませてしまって申し訳ないと思わなければいけないところなのに、私ってば。


「イヴ、単に炎を出すんじゃなくて、マッチに火を付けるイメージでやってみるにゃ」


なるほど、無から炎よりはイメージしやすいかもしれません。さすがです!


「はい!やってみます!」


ポッ


「出来ました!ノア様!出来ました!」


ポポポッ


「イヴ!抑えるにゃ、なんか火の玉が大量生産されてるにゃ!」


「あっ!えっと、え、消えませんー!!!」


「術式のイメージを消すにゃ!」


「はい〜!えっとえっと」


「イヴ!お菓子が食べたいにゃ!」


「あ、かしこまりました!」


フッ


私の周りに出た炎が霧散して消えました。


「ふぅ、消えたにゃ・・・森を燃やさなくて良かったにゃ・・・」


どうやら、私の気を魔法から逸らす為にお菓子の話をされたようです。


「ノア様、申し訳ありません〜!!」


「最初はこんなもんにゃ。でも光の魔力が邪魔せずに炎を出せたから、水とか風も同じように出来るはずにゃ。た・だ・し!集中するのと、術式の解除はきっちりやるにゃ」


ノア様が右手を腰に当てて、びしっと私に左手を向けました・・・可愛い・・・。


「イヴ、聞いてるかにゃ?」


「はっ、はい!すみません!ノア様が可愛い過ぎて見とれてしまいました!」


「イヴはそんなに猫が好きなのか・・・」


「はい!ハーレイ殿下の猫様もよく触らせて頂いておりました!猫様は素晴らしいです」


「ハーレイっていうと・・・レイアの息子にゃ?」


「そうです。猫様がお好きな方なのです!」


「むーん、猫以外に変身して教えた方がいいのかにゃぁ・・・」


ノア様が勿体無い事を言い出して私は愕然としてしまいました。


「いえ!それは駄目です!世界の損失でございます!見とれないようにしますので、どうかそのままで!」


「世界の損失」


「はい、世界の損失でございます」


「ボクの猫の姿が?」


「そうでございます!」


なんだかノア様の目が死んだようになってますが、気の所為ですね。


「・・・まぁ、イヴが集中するならこのままやるけどにゃ。ボクも長い事この姿で慣れてるし・・・」


「集中致します!なのでその尊いままでいて下さいませ!」


「う、うん・・・なんかよくわかんにゃいけど・・・じゃあ次は水にゃ」


「はい!」


何とか猫様の姿で居てもらえるようで安心しました。

ノア様はこのまま、可愛いく尊いままでいて下さいませ。


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