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番の瞳  作者: 言葉
第二章:レイアの過去
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87.精霊の湖②


「あの、お母様、今更不思議に思った事があるのですけど」


「ん?どうしたの、シェリル」


「ノアに魔力を分けてもらうのではだめなの?あと、何度もやるのは何故?」


「ああ、それはね、私とシェリルは元々妖精の魔力が混ざっているから、追加で混ぜ合わせるなら別の種族がいいのよ。同じ系統の魔力だと、そのうち自分の魔力と同化して元に戻りやすいの。イヴの場合は精霊の先祖がいるみたいだから、出来れば魔族とかの方が混ざりにくいとは思うけれど、光の魔力が強いから闇に近い魔族の魔力は害になると思うわ。ノアも闇の魔力を多く持ってるから、多く取り込まない方がいいのよ。後は、妖精の魔力より精霊の魔力の方が人間の体には負担が少ないの。精霊は昔から人と多く関わってきたからかしらね・・・妖精も精霊と同じく、隣人とは言われてきたけれど、妖精は人と関わることをタブーとして来たから。私とシェリルの寿命にも、妖精の魔力を精霊の魔力にした方が良いはずよ。それもあってノアが精霊がいいと提案してくれたのだと思うわ」


言いながらノアを見ると、照れ隠しの様に顔を洗って聞こえないフリをしている。


「属性とか種族って、難しいのですね」


「そうね、種族は特にたくさんあるから難しいわね。属性に関してはシェリルは全属性あるからあまり気にしなくて大丈夫だけれど、妖精界にいる間また勉強しましょうね」


「はい!」


「よし、帰るにゃ」


ノアは三人を集めるとまた魔法で転移した。




「あの、ノア様」


イヴが花の砂糖菓子をテーブルに置いて声をかけた。


「どうしたにゃ?」


イヴが、さっそく砂糖菓子を頬張るリスのような猫の横に座る。


「ノア様の転移だと、ここと人間界の行き来が出来るのですか?」


「あら、イヴ、気づいたのね」


斜め向かいのソファでお昼寝をしてるシェリルの頭を撫でていたレイアが反応した。


「ノアの転移は私の転移とは別物なのよ」


砂糖菓子に塗れた髭をヒクヒクさせながら、ノアがふふん、とニヤけた。


「ボクの転移は大昔の魔法だからにゃ。自分が行ったこと無いとこでも、連れてく相手の記憶から読み取って転移できるし、結界も気にせずいけるにゃ」


「ひぇ〜、ノア様凄すぎませんか?あれ、でもそれなら・・・隣国の妖精の湖の方が安全ではないですか?」


「リンデンバウムの湖はにゃ〜、代々湖とその周りの森を守ってる貴族の領内にあるんだにゃ。あそこの領の貴族は良い人間だから、もし見つかって迷惑かけたくなかったにゃ・・・ボクだけなら猫だから大丈夫だけど、レイアとシェリルの見た目は目立つにゃ」


「ああ、確かにレイア様の髪色は有名ですものね・・・言われてみればその通りですね」


「まだ、会う時じゃないしな」


ノアが砂糖を舐めながら小声で呟く。


「え?」


「なんでもにゃいにゃ。イヴ、お茶が飲みたいにゃ!」


空になったカップを見せながら、ノアが強請る。


「あ、失礼しました!お持ちしますね」


ノアの呟きを聞き取っていたレイアが、シェリルを優しく撫でていた。


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