85.湖に行く準備②
昨日アップ出来なかったので今日2話上げました!すみません
「ノア、どういうこと?」
レイアがシェリルの肩に手を置いて、宥めながら尋ねた。
「シェリルの体内に誰かの魔術を感じた。多分ノイラートだ。シェリル、ちょっとしらべてもいいか?」
真剣な口調になったノアに、シェリルがこくんと頷き、改めて手を出した。
「手じゃなくて、おでこに触ってもいいか?」
「あ、うん、いいよ」
シェリルがノアに届く距離まで身を屈める。
ノアの猫の手がシェリルの額にぺちっと触れた。
しばらく目を閉じてシェリルの中の魔力を探っていたノアが、ゆっくりと目を開けると、なんとなく険しい顔になっていた。
「ノア、どう?何かわかった?」
「レイアが掛けたプロテクトの他に、もう一つ魔術がかけられている。おそらく居場所を知らせる類のものだ。掛けられたのは多分、プロテクトを掛けるよりも前だな。魂自体に掛けられてなかったのは幸いだな」
レイアがひゅっと息を飲んだ。
「それは・・・なんとかなるの?」
「かなり強くかけられてる。外すにはシェリルに何かダメージがあるかもしれない。ひとまずはこの魔術自体を僕の結界で覆う。それでしばらくは探知出来ないだろう」
シェリルは理解出来ているのか、瞳が不安で揺れている。
ノアはそんなシェリルの額をペンペンと撫でるように叩くと、口角を上げた。
「シェリル、大丈夫だ。僕は凄い妖精だから」
シェリルはノアを抱き上げると、小さな猫の額にキスをして、
「うん、信じる」
そう言うとにっこりと笑った。
試しにレイアが今までのシェリルの魔力を探ってみたが、上手くノアの魔力と混ざったようで辿れなかった。
シェリルに魔術を組み込んだであろうフェルディナの魔力も、シェリルからは探れない。
成功したようだ。
その後、レイアとイヴも同じようにノアの魔力を混ぜてもらい、ようやく湖に行く支度が整った。
「距離的にはどのくらいでしょうか?食事を持っていった方がいいですか?」
イヴがノアに問いかけると、ノアはふるふると頭を振る。
「転移でいくから何も持たなくていいにゃ」
「あ、そうですね、レイア様のお師匠様ですものね!」
ノアはふふん、とドヤ顔を見せると、ソファの後ろに三人を立たせた。
「じゃ、湖のすぐ横に出るから、間違っても動くにゃよ。溺れても僕は助けないからにゃ」
「ふふ、ノアは人型の時も泳げなかったものね」
レイアが笑いながら言うと、ノアが不貞腐れながら魔法を唱えた。




