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番の瞳  作者: 言葉
第二章:レイアの過去
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82.息子とのひととき


レイアが昔使っていた自室に戻ると、ちょうどハーレイの呼び掛けが聞こえた。


「母上!」


空間の中でハーレイがレイアに抱きついた。


「ハーレイ、遅くまで待ってくれたのね、ありがとう」


「いえ、精霊から手紙を受け取った後、眠ったので大丈夫です。母上達が移動中だとご迷惑になるかと思いましたし」


ハーレイの頭を撫でてから、レイアは空間に椅子を作り出した。


「・・・城はどう?」


「まだ気付かれていないようです。明日の朝、侍女が母上達の不在に気付いて、父上達に連絡が行ってからでしょうね・・・母上達は遠くまで行けましたか?」


「今私たちは妖精界にいるから見つかる事はないわ」


「良かった!魔力が辿れなかったので、そうかなと思っておりました。妖精界の入り口は勝手には開かないのですよね?」


「ええ、基本的に妖精が人間に干渉するのはご法度だから滅多に無いわ。魔力を辿れないように、明日から私とシェリルとイヴの魔力の質を変える為に精霊に助力を頼むことにしたの」


「精霊というと・・・隣国の湖までいかれるのですか?危険では?」


「それがね、魔の森に精霊の湖が出現したそうなのよ。森の最北らしいわ」


「そうなのですか!?・・・もしその話が城で出たらお知らせしますね」


「ありがとう、ハーレイ・・・本当に」


「母上とシェリルの為です。男は家族を守るものだと、小さい頃剣を教えてくれた先生が仰ってました」


レイアは微笑みを深くしてハーレイの手を強く握った。


「あなたは自慢の息子よ。シェリルにとっても自慢の兄よ」


「シェリルは大丈夫でしたか?」


ハーレイは照れているのを誤魔化すように母に尋ねる。


「真っ先に貴方の心配をしていたわ。お兄様は大丈夫なのか、と」


レイアの言葉にハーレイは可愛い妹を思い浮かべた。


「僕にとってもシェリルは自慢の、大切な妹です」


「ふふ。あ、そうだわ。もし何か緊急で連絡を取りたいことがあったら、何度かペンダントで呼び掛けてちょうだい。妖精界と人間界で連絡できる手段があればいいのだけど・・・ノアなら何か知ってるかしら」


「ノア?」


「ああ、こちらにいる私の友人よ。元は私の魔法の師匠なの」


「母上の師匠とは凄い方なのですね」


「ええ。見た目は黒猫だけれど」


ハーレイの目がキラキラと輝き出した。


「ねこ!いつかお会いしたいです!」


ハーレイは無類の猫好きなのだ。

城のハーレイの部屋にも猫が3匹いる。


「ふふ、そうね。いつか会わせたいわ。さぁ、ハーレイ、まだ夜中だからもう少し眠りなさい、明日から大変だと思うから・・・」


「分かりました。明日、父上達が戻られるはずなので夜また話せますか?」


「ええ、もちろんよ。待ってるわ」


「ではおやすみなさい、母上」


「おやすみ、ハーレイ」


レイアがハーレイの額におやすみのキスを落とすと、二人は空間から現実に戻った。


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