81.イヴの疑問
「どうしたにゃ?」
「どうしたの?」
「あの、精霊魔法で呼び出した精霊に頼むことは出来ないのですか?」
イヴの質問に、ノアが答えたそうにしているのが分かったので、ノアに説明を頼んだ。
「精霊魔法で呼び出した状態の精霊は、呼び出す時に空中に存在する精霊の魔力を一度体内に吸い取って魔力に変換したものと、自分の魔力を混ぜた魔力を消費して来てもらうのはわかるかにゃ?その後呼び出した精霊に何かをしてもらう時に消費するのは、呼び出した本人の魔力なんだにゃ。あまり知られてないけどにゃ」
「そうなのですか!?てっきり精霊の魔力かと思っておりました」
「精霊が人間の世界に顕現するのにはかなり魔力を使うんだにゃ。わざわざ自分の魔力使って顕現してくれる事は、精霊の愛し子とか相手じゃないと無いと思うにゃ。つまり、呼び出した精霊に魔力を交換してもらうと、呼び出した側がマイナスになるにゃ。割に合わないにゃ」
「なる、ほど?」
「それに、1度で多くの魔力を交換してもらおうとしたら、上級精霊でも呼ばないとダメだから。上級精霊を呼ぶのはかなり魔力を使うのよ」
「難しいんですね」
「うむ、難しいんだにゃ。それにここは妖精界だからにゃ。精霊の魔力も無いし、簡単にはこれにゃいにゃ。だから精霊の湖に行って、直接交渉した方がいいにゃ。イヴもやるんだぞ」
「頑張ります!」
「今日はゆっくり休んで、明日から動きましょう」
「あ、レイア様、食事はどうしましょう?空間収納に入れてきた素材などはありますが、ノア様は普通の食事でいいのでしょうか?」
「あぁ・・・どうします?ノア」
「む。ボクの分はいらないにゃ」
ノアが少し残念そうに答えた。
「いらないのですか?」
「本来、妖精は食事を必要としないのよ。ノアは趣向として食べてるだけ」
レイアが苦笑いでイヴに教えると、気まずそうにノアがソファに丸まった。
「どれくらいここにいれるかわからにゃいし、食材は無駄にしない方がいいにゃ」
「そうなのですか・・・では、砂糖等の調味料は沢山ありますので、外に咲いてる花で花の砂糖菓子を作りますね!」
イヴの言葉にノアがガバッと身を起こした。
「イヴは良い子だにゃ!」
出来る侍女イヴは、先程のノアの様子で花の砂糖菓子が好物なのが分かったようだ。
「ノア様、他に何かお好きなお菓子などあれば教えて下さい」
「ほんとにゃ!?」
「イヴはお菓子作りが趣味なのよ。ノアが材料を用意したら何でも作ってくれるわよ」
「分かったにゃ!」
そう言うと、ノアは猛スピードで外へかけていってしまった。
イヴが驚いてノアの出ていったドアを眺めて呟いた。
「可愛いのに早い・・・」
「可愛いのは関係なくない?」
部屋に残された二人は目を合わせて笑いだした。
「そうだわ、イヴはこの家の庭以外外出しないでね。他の妖精に見つかると厄介だから」
「かしこまりました、姫様もですよね?」
「そうね、シェリルにも起きたら伝えておくわ。イヴ、妖精界は時間が分かりにくいからアレだけど、本来今はまだ夜中だから少し休んだ方がいいわ。私も休むから」
「はい、明日から何かと動きますものね、しっかり休ませていただきます」
その後、ノアが戻って来たのは夜が明けて大分たってからだった。
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