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番の瞳  作者: 言葉
第二章:レイアの過去
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80.師匠と弟子②


「精霊に?でも私、精霊魔法は使えるけれど精霊界への立ち入り許可は今はもうないわ」


「そこは心配しなくて大丈夫だ」


そこにティーポットと花の砂糖菓子を持ってイヴが戻ってきた。


「お待たせしてすみません、なんだかこちらに来てから魔術が上手く使えなくて・・・先程は問題なく火を出せたのですが、時間がかかってしまいました」


眉を下げて不安げな顔をしたイヴが紅茶を注ぎながら謝罪を口にする。


「ああ、そうかー。イヴは普段魔術なんだにゃ?妖精界(ここ)は人間界みたいに魔素が充満してないからだにゃ。だから人間には体内の魔力を使う魔法の方が簡単なんだにゃ」


「なるほど!・・・あら?でも魔素が少ないということは使った魔力はなかなか戻らないのですか?」


「ほう、イヴはなかなか賢い娘だにゃ」


ノアは大好物の花の砂糖菓子を食べながらうんうん、と頷く。

先程から砂糖がボロボロ落ちてるし、髭についている。


「妖精は妖精特有の魔力をもってて、妖精界の空気そのものを魔力に変換できるんだにゃ。人間界にも

ここと同じような場所もあるにゃ。人の手が入ってない森とかかにゃ〜。でも少ないのにはかわらにゃいからレイアは魔素を代用してたはずにゃ。で、人間は魔素しか取り込めにゃいから妖精界で魔力を回復するには妖精から魔力を分けてもらうしかないにゃ」


「なるほど!とても勉強になりました、ノア様!」


ノアを見るイヴの目がキラキラと輝いている。

そしてそんな目で見られているノアは得意気だ。

人間嫌いのノアはイヴに関しては嫌悪感は無いようで、心配していたレイアは心底安心した。

イヴは人間が纏う邪気の様なものが皆無な珍しい人間である。本人は知らないが。


「イヴ、後で魔力の補填と簡単な生活魔法を教えるわね」


「ありがとうございます、レイア様、頑張ります!」


「イヴ、レイアの師匠であるボクに聞いてもいいからにゃ〜」


「えっっっ!?ノア様はレイア様のお師匠様なのですか!?可愛いのに凄い・・・」


イヴは妖精界に来てから『可愛いのに凄い』が口癖になってる気がする・・・確かに猫型の師匠は可愛いけれども。


「ノア、先程の続きを聞いてもいい?」


髭についた砂糖を必死に洗い落としているノアに話を戻すように促した。


「あ、そうそう。実は半年くらい前に魔の森に精霊の湖が出現したにゃ。そこにいる妖精に交渉すればいいにゃ」


「そうなの?精霊の湖が新しく出来るなんて・・・何百年ぶり・・・?そこは帝国からは遠い?」


「ボクも精霊の友人に聞いてびっくりして直接見に行ったにゃ。帝国の皇都からは遠いにゃ。魔の森のずーーーっと北、ほぼ森の端っこにゃ。大きさはリンデンバウムにある湖の半分くらいだけど、完全に固定されてたにゃ。一応人間が確かめに来るか監視頼んでるけど、連絡ないし、気づいてないと思うにゃ。帝国は精霊魔法に明るくないしにゃー」


それならなんとかして見つからずに通えそうだ。


「あの、ノア様、レイア様、質問いいでしょうか?」


イヴが恐る恐るといった感じで小さく手を上げた。


うちの猫に羽が生えて喋り出さないかな、とか妄想した果てに産まれたノアさんの出番はしばらく続きます。可愛いのに凄いは神。

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