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番の瞳  作者: 言葉
第二章:レイアの過去
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78.レイアの願い


シェリルはそれからしばらくレイアの腕の中で泣きじゃくり、城からの移動と号泣した疲れからか、レイアに抱かれたまま眠りに落ちた。


イヴがシェリルを抱き上げて奥の部屋に寝かせに行くと、ノアが溜息と共に口を開いた。


「レイアの事だから、なんとかしてシェリルの寿命をのばしたいんだろ?通常なら・・・早くて15歳くらいか」


レイアはノアに体を向けて頷いて答える。


「私はもう生まれなおせなくてもいいの。でもシェリルには普通に人生を全うして欲しいのよ。あの子には、将来出逢う番がいるの」


「ほう・・・ヒトも妖精も番が居ることは少ない筈だが・・・相手が特殊なのか」


妖精は多くの亜人や魔族とは全く別の存在で、通常、番は必要としない。精霊もそうだ。


「聖獣エイデン・リンデンバウムの子孫よ」


「ああ、なるほどな。・・・セシルか」


ノアの何気ない一言に、レイアは目を見開いた。

ノアはかなりの人間嫌いの妖精で、滅多に人間と関わらない。

今まで何度か関わったことはあるらしいが、個人の名前など覚える気もないらしく、『どこの国のどっかの侯爵の2番目の息子』とか、そんなレベルでしか記憶しない。

そんなノアが個人名を出した事にレイアは驚きを隠せなかった。

レイアはシェリルの未来を見た後直ぐに、リンデンバウムの公爵家──王家の血を引くのは公爵家のみ──を全部調べたが、レイアが見た黒髪に白銀の瞳の少年を見つけることが出来なかった。

幼少期のセシルは白髪だった為、レイアが気付かなかったのだ。

リンデンバウムでは黒髪は珍しく、直ぐに見つかると思っていたレイアは、まだ生まれていなくてシェリルより年下なのかもしれない、と考え直し、3年探し続けてようやく黒髪になったセシルを見つけたのだった。


「なぜノアがクラウド家の息子を知ってるの?何か関わり合いがあるの?」


「いや、セシルとは関わってない。たまにあいつの妹の遊び相手をしてたんだよ」


「・・・そうなの。ノアが相手をするなんて、相当気に入っていたのね・・・」


セシルの妹のセレナは、シェリルと同い歳だったが、珍しい病気で去年亡くなっている。


「暇で精霊の所に遊びに行った時、精霊に連れられて公爵家に行った時にセレナに見つかってな。たまに魔力を吸ってやってたんだよ。セレナは俺をただの猫だと思ってたけど」


ノアは極めて素っ気ない素振りで言ったが、視線をカップに落とすその姿は、セレナをかなり気に入っていたのがわかった。

しかも『ボク』から素の『俺』に戻っている。

しばらくお互いに無言になってしまい、暗い空気がリビングを覆っていた。


そこにシェリルを連れて行ったイヴが戻ってきた。


ノアの見た目は、某妖精の尻尾さんに出てくる青い猫さんというよりは、某魔女さんが宅急便をする映画の黒猫さんに、白ではなく透けている天使の羽が生えた感じです。スマートです。色は黒です。

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