表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
番の瞳  作者: 言葉
第二章:レイアの過去
76/641

76.妖精界②


白いレンガ造りの家に入ると、中の壁も天井も白く、床は暖かみのある木の床で、そこに白い絨毯。

家具類も白と薄茶色と、差し色で青が使われていた。

広い皇城しか知らないシェリルは、物語に出てきそうなその家をキョロキョロ見て目を輝かせている。


「レイア様、お茶の支度をしますね」


空間収納から取り出した荷物を二階に置いてきたイヴが、備え付けのキッチンへと向かいながら、ふと足を止めて振り向いた。


「ノア様は紅茶は飲まれますか?ミルクの方がよろしいです?」


相変わらずシェリルの頭に乗っかっているノアは、耳だけイヴの方にピコピコ向けると、


「紅茶のストレートがいいにゃ。ボクは見た目は猫だけど、猫じゃにゃいからミルクはどちらかと言うと苦手にゃ」


しっぽをぱふんと揺らすのを見ながら、イヴはかしこまりました、と再びキッチンへと向かった。


家に入ってすぐ左にテーブルとソファがあり、レイアとシェリルは座ってやっと息を吐いた。


「シェリル、疲れてない?大丈夫?」


「はい、お母様。でもまだよくわからなくて」


「そうよね、イヴが来たら話しましょう」


そんなやり取りを眺めていたノアが、シェリルの頭からレイアの膝に移動し、レイアの顔を見上げた。


「ねぇレイア、なんで妖精じゃなくなってるの?」


さっきまでの様な語尾に〜にゃあ を付けるのも忘れて、素のノアが機嫌悪そうにレイアに尋ねた。


「・・・それについても、一緒に話すわ」


イヴが4人分の紅茶と、城から持ってきていたクッキーをトレイに乗せて戻ってきた。


イヴが給仕を終えてコの字型に並べられたソファの端、暖炉側に座った。


するとノアが器用にカップを両手で持ち、紅茶を飲み始める。

それをシェリルとイヴが物珍しげに眺めていた。

二人の視線の先に気付いたレイアが、紅茶のカップをソーサーに置いてノアに話しかけた。


「ノア、人型になればいいのに。持ちにくいでしょ?」


するとノアはふるふると首をふり、


「嫌にゃ。魔力つかうしめんどくさいにゃ。それよりレイア、早く話すにゃ」


ノアに催促されたレイアを見て、シェリルが居住いを正した。


「シェリル、これから話す事はあなたにも関わる事なのだけれど・・・今まで話せなくてごめんなさい。あと、ノア、貴方にも謝るわ。ごめんなさい」


レイアはふたりに頭を下げ、自分の事、セオドアの事、そしてシェリルの事を話し始めた。



-----------------------------


その頃、皇城に残っていたハーレイは、何かに髪を引っ張られて目を覚ました。

目をこすって起き上がると、目の前に精霊が飛んでいる。

そしてその精霊からレイアから託された手紙を受け取った。

急いで手紙を確認すると、目を閉じて母とシェリルの魔力を辿ってみた。


(母上とシェリルの魔力が辿れない。上手く逃げれたんだな)


ハーレイはほっと一息つくと、精霊にお礼を告げ、ベッドにパタンと倒れた。


「父上が戻ったら大変だなぁ」


苦笑いで呟いてから起き上がると、異空間を開いて手紙を閉まった。

明日から大変そうだと確信したハーレイは、今はひとまず眠ろう、と、再びベッドに潜り込んだ。


(もし父上が母上を探しに行くなんて言い出したら、執務が僕に回ってくる・・・少しでも寝ておかなければ)


この頃、ハーレイはまだ10歳だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ