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番の瞳  作者: 言葉
第二章:レイアの過去
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71.突然の出立①


それからのレイアは、娘を残して先に死ぬ訳にはいかないからと、様々な魔法を調べた。

そして2年が過ぎた頃、レイアはようやく一つの方法を見つけた。

フェルディナの、『時を止める』というのがヒントになった。

夢を司る魔法と空間魔法を得意としていたレイアは、少し体調の悪い日に、自分で作り出した空間に入り、その中の時間を1日戻してみた。

すると、体調の良かった昨日の状態に戻ったのだ。

夢で未来を見る魔法は他者にしか使えず、自分があとどれだけ生きれるか不明なのもあり、レイアは定期的に時間を戻し、命を伸ばし続けた。


レイアがこの方法を探しているうちに、アリシアは皇女アリアを産んだ。

産まれる前にフェルディナが魔術を施したらしく、出産後のアリシアは魔力が半分になり、代わりにアリアは、シェリル程とはいかないが、かなり多くの魔力を持って産まれた。

セオドアはアリアが産まれた際に一度会っただけで、その後はアリシアとアリアの元には訪れなかった。

その反動か、アリシアはアリアを溺愛した。

そして相変わらず、レイアとアリシアが顔を合わせることは無かった。

セオドアが会わせなかったのだ。


-----------------------------


そして4年後、シェリルが6歳になる前日、レイアはシェリルの魂にプロテクトをかけた。

決してフェルディナに見つからないよう巧妙に。

レイアにとっては有難いことに、魔力の多かったシェリルは6歳を過ぎてもまだ魔力が安定せず、魔法の勉強はさせずに皇女としての知識のみを学ばせた。


やがて少しづつ魔力が安定してきた頃、基本的な自衛の魔術や魔法を学ばせ、徐々に自衛の高等魔法をレイア自ら教えた。


そしてシェリルが7歳になる少し前のある夜、ジェーンに何かあったらすぐ知らせられるように付けていた精霊から、シェリルの魔力が完全に安定したと知らせを受けた。


「イヴ、ジェーンを呼んで。支度が済み次第、城を出るわ」


「かしこまりました、レイア様」


ちょうどよく、セオドアはフェルディナを連れ、魔の森に増殖してしまった魔物の討伐に出ていた。

おそらく、遅くても明日の昼には戻って来るだろう。

焦っては駄目だと分かってはいても、気が急ってしまう。

やがてシェリルを抱いたジェーンが部屋に来る。


「侍女にはなんて?」


「姫様の寝つきが悪いので皇妃様の所に連れていくと言ってきました」


そう言ったジェーンは覚悟を決めた目をしていた。


ジェーンがシャウゼンに残るとセオドアに捕まってしまう為、前もってジェーンの夫と話を付けていた。

ジェーンの夫は領地なしの子爵家で、事情を話した所爵位には未練はなく、リンデンバウムに行きたいとの事だったので、友人であるリンデンバウムの王太子妃であるマーガレットを頼った。

既にそちらに新しい身分と家の用意も出来ており、送り届ければ完了の状態になっている。


「ありがとう。約束通り、貴方と貴方の家族はリンデンバウムのゲーテ領に送るわ。本当に今までありがとう」


「とんでもありません・・・私の方こそもっとお力になれれば良かったのですが」


「充分助けて貰ったわ。それとジェーン、シェリルは将来、リンデンバウムで番に出会うのよ。またシェリルと会えるかもしれないわ」


そう言って笑顔を向けると、潤ませていた目を開き、楽しみにしております、と泣き笑いのような顔でシェリルをレイアに預けた。



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