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番の瞳  作者: 言葉
第二章:レイアの過去
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70.垣間見た娘の未来


ひとまず泣き止んだジェーンをソファに座らせたレイアは、腕の中で眠りについたシェリルをベッドに寝かせた。

そしてすやすやと眠るシェリルに、そっと左手を翳す。

それを見ていたイヴとジェーンを振り返ったレイアは、


「二人とも、今から少しの間、何も言わずに見ていて」


というと、またシェリルに視線を戻して小声で呪文を唱えた。

すると、ベッドの横で膝を着いていたレイアがベッドにうつ伏せで倒れた。


ジェーンが慌てて立ち上がろうとしたが、それをイヴが遮ると小声で「大丈夫です」と伝えた。



-----------------------------



その時レイアは魔法を使い、夢の中でシェリルの未来を見ていた。


そこには湖があり、その横に若草色の髪をした少女が倒れている。


(シェリルだわ)


そしてすぐに馬の蹄の音がいくつも聞こえてきた。

戦闘用の鎧を身につけた集団が見える。

その集団の先頭の馬に乗っていた黒髪の青年が、慌ててシェリルに駆け寄って跪いた。


その時、一瞬目を覚ましたシェリルが、深緑の瞳で青年を見つめている。

そして微笑みかけたかと思うと、また気を失ってしまった。


(今のは・・・?シェリルは空色の瞳なのに・・・)


そこから場面は切り替わり、少し時がたった時間に進む。


シェリルはベッドに横になり、その隣に黒髪の青年が寄り添っていた。

シェリルの瞳は空色。

しかし、二人が手を触れると黒髪の青年の瞳が深緑に染まっていき、シェリルの瞳もほぼ深緑へと変わる。


(これは・・・リンデンバウムの血族の!そういう事なのね)


そこでレイアは目を覚ました。

うつ伏せの体を起こしたレイアに、イヴが徐に声をかける。


「レイア様、何かわかりましたか?」


「ええ。シェリルの未来を見てきたわ。この子は将来番に出会う。そうなったら陛下とフェルディナには手が出せなくなる。ああ・・・それでフェルディナがあの本を読んでいたのね」


レイアの独り言に近い言葉を聞いていたイヴは、察したような表情でシェリルを見た。

しかし経緯がわからないジェーンはイヴとレイアを交互に見ながら困惑している。


「ジェーン、これから話す事は他の誰にも話しては駄目よ」


レイアの真剣な顔を見つめたジェーンは、まだ困惑しながらもわかりました、と姿勢を正した。


レイアはジェーンの向かいのソファに腰を降ろすと、イヴが入れ直した紅茶を一口飲み、自分が妖精であった事は隠し、ただ寿命が短いとだけ伝えると、陛下とフェルディナの企みを話して聞かせた。


「陛下は、シェリルの魂を使って私の命を伸ばすつもりなの。でも、わかると思うけれど、私はそんな事は望まない。だからシェリルがもう少し大きくなったら魂にプロテクトをかけるわ。今かけたらフェルディナが気付くかもしれない。貴方たち二人にはそれまで娘を守って欲しいの」


レイアの話に静かに耳を傾けていたイヴとジェーンは、お互いに顔を見合わせてからレイアに向き直ると、力強く頷いた。


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