表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
番の瞳  作者: 言葉
第二章:レイアの過去
67/641

67.調査①


レイアがセオドアに不安を抱きながら眠った翌日。

レイアは一番信頼している侍女のイヴを部屋に呼び、その他は誰も入らないようにと厳命した。

レイアは皇妃になるまで魔の森の中の邸に住んでいた。

(実際はその邸は幻影で、妖精界と人間界を行き来していたのだが)

イヴはレイアが妃として城に来る前に、準備の為にセオドアからその邸に送られた侍女だった。

その時偶然レイアの背中に現れた羽を見てしまい、その美しさと神々しさに敬服し、今はセオドアではなくレイアを主として仕えてくれている。


レイアは無詠唱でいとも簡単に防音結界を張ると、椅子に座ったままイヴを見上げ、問いかけた。


「イヴ、陛下の今日のスケジュールを教えて」


聞かれたイヴはきょとんとレイアを見つめた。

その顔は、わざわざ防音結界を張り、さらに他の侍女を下がらせてまで聞いたのが陛下のスケジュールな事が理解できない、という顔をしている。


「イヴ」


再度呼びかけると我に返ったのか、慌ててポケットから小さな手帳を取り出した。


「あ、失礼致しました、陛下の今日のスケジュールは午前中にフェルディナ様と謁見、執務を挟んでその後、先日の豪雨で橋が流れたレント川の視察となっております」


「そう・・・橋が流れたのは王都を出て一時間程の所だったかしら?」


「はい、あそこの橋が壊れるのは二度目なので、新たに違う場所に橋を掛けるか、同じ場所にするかの視察だそうですので、お帰りは遅いかと思われます」


「ならちょうどいいわね」


レイアの独り言に近い呟きに、イヴは首を傾げた。


「レイア様、ちょうどいい、とは?」


「陛下を探るのよ」


レイアはそう言うと両掌を上向きに胸の前に出し、何も無いその掌を見つめた。

するとズズズッと黒い粒子が生まれ、やがてそれが二体の精霊の形を成した。

レイアが呼んだのは闇の中位精霊達で、どちらも黒いローブを着た小人に藍色の蝶の羽が生えている。

二体はさほど違いもなく、双子のように見えた。

闇精霊は闇と言うだけあって、隠れるのが上手く、見つからないように探るには適している。


レイアは膝に座る二体の精霊に隠蔽を掛けると、探る相手を端的に告げた。


「あなたは陛下、あなたはフェルディナよ。さぁ、お願いね」


その瞬間、かろうじて感覚共有で感じていた気配が消えた。


「イヴ、フェルディナはもう来てるの?」


「いいえ、あと一時間後の予定です。・・・あの、レイア様」


「陛下とフェルディナの何を探るのかって?」


「はい」


「陛下が私のために何か良くない事をしている予感がするのよ」


「レイア様の為・・・『荊の祈り』に関する事でございますか?」


「そうよ。そして陛下がそれを相談するならフェルディナでしょう?」


イヴは少し険しい顔で頷いた。


「私が見逃したり聴き逃したりしないように、貴方も一緒に見ていて欲しいの」


「かしこまりました」


レイアは目を閉じると、自身とイヴと、二体の精霊の感覚を共有させた。

途端に視覚が4つに割れる。

右目にはフェルディナの視覚、左目には陛下の視覚、

右耳にはフェルディナの声、左耳には陛下の声が聞こえるようになった。

基本的に感覚共有は一体と行うもので、それ以上は慣れていないと酔いそうになる。

イヴは感覚共有をするのはこれで三度目だが、やはり気持ち悪いのか顔が歪んでいた。


「イヴ、二人が同じ部屋になれば片目、片耳を塞げばマシになるわ。それまで貴方は陛下の方だけ見ていて。私は邸にいるフェルディナに集中するから」


「はい、お任せを」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ