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番の瞳  作者: 言葉
第二章:レイアの過去
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63.先読みの水晶①


翌日フェルディナは、皇女の魔力測定と先読みをする為に皇女の部屋へと向かっていた。

いつもは助手を連れているが、今日は内容が内容の為連れて来ておらず、自身で鞄を持っている。


「フェルディナ」


ふいに後ろから名前を呼ばれて振り向くと、そこには険しい顔の皇帝陛下がいた。


「陛下、おはようございます」


「ああ。今日は私も同席する。皇女はすでに塔に連れて行かせた」


陛下はそう言うと、そのままフェルディナの少し前を進んでいく。

姫様の部屋ではなく直接塔に行くということだが、塔への門はこのまま進めば辿り着く。

フェルディナは「かしこまりました」と答えると、皇帝の後ろに付き従った。


城を出てしばらく歩くと、敷地内の外れに建つ、ひょろ長い白と黒の二つの塔が見えてきた。

並んで建つその塔は一階部分と中間部分を橋で繋げられている。

測定をする部屋があるのは白の塔の最上階。

二つの塔はいつ見ても周りの景色から浮いていた。

フェルディナは前回来たのはハーレイ皇子の先読みの時か、と塔を見上げる。



陛下の後ろに付いて魔法陣に乗り、転移で最上階へと向かい、ようやく着いたその部屋に入ると、乳母に抱かれた皇女が目をぱちくりさせて辺りを見回していた。

まだ生まれて数日だというのに、皇女の顔はすでに整っており、皇妃にそっくりな大変見目麗しい赤子だった。

陛下はこんなにも皇妃様に似た姫様を犠牲にするのか・・・。

そんな苦々しい思いが頭に浮かぶが、フェルディナにはどうすることも出来ない。


侍女が部屋の真ん中にある台の上に、揺籃に入れられた姫様を置いて壁際へと下がった。

それを見てフェルディナは、抱えていた荷物から水晶を取り出す。


「はじめてくれ」


陛下の言葉に頷くと、左手に持つ水晶を姫様の上に翳し、右手で皇女の額から目の部分を覆った。


「では、はじめますぞ」


フェルディナは長ったらしい呪文をつっかえることも無くスラスラと唱えはじめた。


唱え終わって少しすると、先読みの水晶が光りだし、水晶の中に文字が浮かび上がる。

フェルディナの少し後ろにいた皇帝が、隣に来てその文字を見つめた。


『シェリル・フォン・シャウゼン

魔力量:測定不可

属性:火、水、風、土、光、闇、虹

先読み:扉を潜れば番に出逢う 扉を潜らねば赤に染まる』


まさか魔力量が測定不可とは。

測定不可は魔力が無いのではなく、測れる量を超えているという事を指す。


「彼女の力は引き継げているな。しかし、これはどういう意味だ?・・・番?」


皇妃様は『虹』という属性を持っている。

虹属性は光属性の上位版とも言える属性で、

他の属性と混ぜる事により、魔法や魔術の威力を底上げする事が出来る特殊な属性である。

昔は稀に持っている種族がいたらしいが、今では滅多にいない。

少なくともフェルディナは皇妃様とその御子であるハーレイ殿下以外で会ったことは無かった。

おそらく過去に持っていた者たちは妖精の血を引いていたのだろう。

そして『荊の祈り』は治癒魔法に近い為、虹属性持ちだと尚良い。

フェルディナも引き継げているかを心配していたが、陛下も同じく危惧していたらしかった。


そしてフェルディナが見る限り、皇女殿下は殿下同様この世の全ての属性を持って生まれたようだ。

将来が楽しみだ、と一瞬考えたが、皇女殿下が大人になる事は無いのだ、と、今浮かんだ考えを改めた。


そして先読みの水晶でのみ見れる『先読み』の項目に、フェルディナも少し首を傾げた。


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