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番の瞳  作者: 言葉
第二章:レイアの過去
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58.古の魔法


帝国での皇帝とは、戦になれば最前線で戦う存在であった。もちろん一般の魔術士や戦士では倒せない魔物の討伐なども、皇族がそれらを率いて戦う。

その皇帝の伴侶としての資格は魔力量と魔力操作の力量であり、戦える事が第一で、貴族だの平民だのといった身分は関係の無いものだった。


しかしある日突然セオドアが連れてきた、出自不明の見目麗しい少女(この頃のレイアの見た目は18くらいだった)に対し、当時の皇帝と臣下は渋い顔をした。

それをセオドアとレイアは、セオドアを超える魔力量と、精密な魔力操作でねじ伏せた。


二人の結婚から二年後、元々持病を悪化させていた皇帝が崩御し、セオドアは皇位を継いだ。

ちょうどその頃レイアが産んだハーレイは、レイアから引継いだ妖精としての力と、セオドアから引継いだ皇族としての力をバランスよく持って生まれ、この頃には当初反対していた臣下達も二人を皇帝、皇妃として敬っていた。


ハーレイが一歳になる頃、レイアは体に異変を感じ始めていた。

時折足元の感覚が無くなり、その場に倒れ込んでしまったり、

酷い怠さで起き上がれなくなったりと、思うように動けなくなっていた。


皇帝が呼んだ何人かの治療師が診たが、原因は不明。


しかしレイアには分かっていた。

この体の終わりが近いのだと。

そしてレイアは、古の魔法を行使した。

それは一定の魂を糧として、その量の分だけ生き長らえる魔法。


その後直ぐにレイアの容態は回復し、

その一年後、レイアは二人目の子を身篭った。

シェリルである。


シェリルを身篭っている間、レイアの体の異変は行使した魔法でも抑えられない程悪化していた。

眠る時間の増えた皇妃に周囲は、『妊娠のせい』『子供の魔力が高いのだろう』と、あまり心配はしていなかった。

その後シェリルが驚く程の魔力の器を持って生まれ、やはりそうだった、という事で周りは納得した。


しかしシェリルを産んだ後のレイアは、なかなか回復しなかった。

そしてレイアはまた、己の魂を削り魔法を行使する事にした。



侍女達を下がらせたレイアは、己の胸の当たりに左手を当て、呪文を唱え始めた。

呪文を唱え終えたレイアは、体から左手を離した。

その手には光の塊が浮いていた。

その塊がレイアの右手から現れた茨に絡め取られていく。

そしてレイアはその塊を、一口に飲み込んだ。

棘が口に、喉に突き刺さり、痛みに顔が歪む。

次第に痛みが治まってくると同時に、体の怠さが嘘のように無くなっていった。


「これでまたしばらく、あの人と子供達の側に入れる・・・」


そう呟いたレイアが、気配を察知して振り向いた。

そこに居たのは見舞いに来たセオドアだった。


一番見られたくなかった人に見られてしまった─。




「レイア・・・今何をした?」


「セオ・・・」


近付いてきたセオドアがレイアの顔をのぞきこむ。


「顔の血色が嘘のように良くなっている・・・何の魔法を使った?」


「・・・少し難しい治療魔術よ」


「嘘をつくな。魔法陣は現れなかった。それに魔力が半分以上無くなっているではないか・・・何を隠している?」


「それは・・・」


レイアはポツポツと、隠していた事を話し出した。


説明の回って疲れますね・・・!

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