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番の瞳  作者: 言葉
第一章:出逢い
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47.レイと王妃の推理

少しの間考えていたシェリーが顔を上げた。


「お兄様の事も覚えてはいないのですが・・・私から、連絡をしてみてもいいでしょうか」


「勿論。その時に私の事も書いておいて貰えるかな?もしシャウゼンからリンデンバウムに来ることになった時、手伝えるから」


「分かりました。王太子様、ありがとうございます」


「シャウゼンからリンデンバウム・・・」


突然、王妃様がそう呟いた。


「母上?」


「ねぇオリビア、昨日、シャウゼンに精霊の湖があるか、わたくしに聞いたわよね」


王妃様が少し神妙な顔で母上に聞いた。


「え、ええ。あってもおかしくないって言ってたわね」


「・・・シェリーさんは、クラウド領の精霊の湖の側に倒れていたのよね?」


今度は母上ではなく私に向かって聞いてきた。


「はい。湖の横に倒れていました。服が濡れていたので湖で溺れたのかとも思いましたが」


「そう・・・。シェリーさんがリンデンバウムに来た方法が分かったわ」


「え?リタ、本当?」


「精霊の湖を通ると、別の精霊の湖に繋がるのよ。きっとシェリーさんはシャウゼンの精霊の湖から、クラウド領の精霊の湖に来たのだわ。8年前のレイア様も、転移で間違えたのではなく、精霊の湖を通ってきたのよ。だからクラウド領からだったんだわ」


「だからシェリーちゃんの服が濡れていた・・・?」


「ええ。自分で通ろうと思ったら、結界や水魔法で体を覆って濡れないようにするけれど、シェリーさんは意図せず湖に入ったのかもしれないわね。記憶を無くしてたわけだし。オリビア、シェリーさんが国境を超えた記録はないのではなくて?」


「ええ、その通りよ・・・なるほど、そういう事だったのね」


「王妃様、凄いのですね・・・」


シェリーが今度は王妃様に尊敬の目を向けている。

私も王妃様の精霊に関する知識は昔から尊敬しているし、さすがに王妃様には嫉妬はしない。


「お兄様にも、そのルートで来てもらうのがいいということでしょうか」


「うーん、そうねぇ。何かリンデンバウムに来るのに都合のいい理由があれば普通に来て貰えるのだけど・・・」


「それなら、セシル様」


「うん?」


「来月、王太子様のお誕生日のお祝いがあると仰ってませんでしたか?」


「「「「あ」」」」


「それよ!シェリーさん、よくやったわ!」


王族の誕生日などの式典は、同年代で仲のいい他国の王子や皇子は当たり前に招待されるため、

ハーレイ殿下が来ても、なにも違和感がない。


「母上、今の今まで忘れてましたよね・・・。そういう私も忘れてましたが。招待状はハリーにも送付してあるはずです。ハリーの都合にもよりますが、早めに来て貰うことはできるかもしれないですね」


「では私は、その内容でお兄様に連絡をすれば良いのですね」


「うん。それにレイア様からハーレイ殿下に、シェリーから連絡が行く事は聞かされているんじゃないかな」


「よし、これでとりあえずの指針が定まったね」


レオがそう言うと、シェリーが椅子から立ち上がった。


「皆様、本当にありがとうございます」


そう言って深々と礼をした。


「シェリーちゃん、頭をあげて。未来の娘のためだもの」


「えっ」


「シェリーちゃんはセシルの番でしょ?という事は未来の息子のお嫁さんじゃない」


「お、およめ・・・さん」


シェリーが頬を両手で覆ってわたわたしだした。


「母上、まだ私からプロポーズしてないんですから先に言わないで貰えますか」


「あら、まだだったの?それはごめんなさいね。でも楽しみなんだもの、シェリーちゃんのウェディングドレス」


「だから母上!ちょっとそれに関しては黙っててください」


「はいはい、わかりましたよ」


まったく、母上は。

そんなやり取りを見ていたシェリーは

「私のウェディングドレス・・・」と真っ赤にした顔で呟いている。

そんな彼女の頭を撫でていると、王妃様が侍従に呼ばれて1度部屋を出ていった。


「すみません殿下、僕も今日魔法省に行かなければならなくて・・・殿下の誕生祭の準備が」


「ああ、そうだな。レイに聞くべきことは済んだし大丈夫だろう。何かあったらその時また頼む」


「勿論です!では、クラウド夫人、セシル君、シェリー嬢も失礼致します」


「ええ、ありがとうイースレイ」


「レイさん本当にありがとうございました」


「レイ、ありがとう。また魔法省に顔をだすよ」


母上は王妃様を待つと言ったので、そこで別れ、

私達はレオの執務室に移動した。

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