44.消えた悪夢
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「シェリー?どうした?何があった?」
私が目を覚まして突然泣き出したのを見て
セシル様が慌てて椅子から立ち上がった。
「今・・・お母様に会いました」
「そうか、レイア様に・・・記憶を見たの?」
セシル様はベッドに腰掛けて、私の肩を抱いた。
私はふるふると頭を振る。
「お母様の作り出した空間に、私の意識を呼んでくれたんです」
「意識を・・・すごいな・・・それで、レイア様は何の話を?」
「えっと、色々話したんですけど・・・とりあえずお父様・・・皇帝のセオドアに会ってはダメだと。そして、ハーレイお兄様に会うように言われました」
「レイも言っていたね・・・。詳しくは朝聞くから、もう一度眠るといい。まだ夜中だからね。・・・シェリー、その手の中にあるのは?」
言われて手のひらを見てみると、匂い玉を握っていた。
「お母様が、これを身につけて眠れば悪夢を見ないからって」
「そうか。いい物を貰ったね」
「セシル様、あの・・・眠るまで居てくれますか?」
「うん?そのつもりだよ?どうして?」
「これがあれば、もう悪夢は見ないから・・・」
私は匂い玉を示した。
「あ・・・たしかにそうか。でもシェリーが眠るまで居るよ」
「ごめんなさい、セシル様寝不足なのに我儘言って」
「側に居たいのは私の方だから。もう必要ないって言われなくて良かったよ」
くすくすと小さく笑う。
「そんな事言うわけないです!でも、私が眠ったら、すぐに部屋に戻って寝て下さいね?」
「うん。シェリーが悪夢を見ないなら私も安心して眠れる。レイア様に感謝だな。さぁ、眠って」
セシル様の瞳が優しさを帯びて輝いている。
「はい。おやすみなさい、セシル様」
目を閉じると額に暖かいものが触れた。
キスされたと気づいたけど、私はもう微睡んでいた。
すぐに眠りに落ちるのはセシル様の瞳の力なのかな。
そんな事を考えながら、眠りに落ちた。
「おやすみ」
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翌朝、シェリーは爽やかに目覚めた。
夜中改めて眠った後は、記憶を見ることも無く
セシルに保護されてから初めて深い眠りにつけた。
ベッドから起き上がって窓を開けていると、クロエが来た。
「あれ?お嬢様、おはようございます!」
「おはようクロエ」
「お嬢様、セシル様は?」
「多分隣のお部屋で休まれていると思うわ」
「クロエが来た時にセシル様がいないの、初めてですね?」
「あ、そうね、実は昨日、夢でお母様に会ったの」
「え?お嬢様のお母様ですか!?」
「そうなの。その時に悪夢を見なくなる匂い玉を貰ったの」
シェリーは寝衣のポケットから匂い玉を取り出して、クロエにみせた。
「え?夢で貰ったのに?え?」
「あ、夢だけど夢じゃなくて・・・お母様が作り出した空間に、私が呼ばれたみたい」
「・・・クロエにはよくわかりませんが、お嬢様のお母様はすごい方という事ですね!」
「そう、なのかしら?言われてみればそうね・・・普通、空間とか作れないわよね・・・意識だけ呼ぶとか・・・」
クロエがコクコクと頷く。
「お嬢様、お支度お手伝い致します!」
「あ、そうね、お願いします」
「実は昨日、お嬢様達がお出かけされた後に奥様がオーダーメイドで頼んでいたドレスが届きました!なのでその中からワンピースをお持ちしました!」
そう言って、クロエが隣室からトルソーに着せたワンピースを3着、シェリーにみせた。
「今日はどれがいいでしょうか?」
シェリーはその中から白のワンピースを選んだ。
裾から上に向かって小さな花がたくさん咲き誇るような刺繍が刺されていて、
背中はコルセットのように腰から深緑のリボンで編み上げるようになっていた。
「お嬢様、素敵です!今日は髪型も変えてみます?」
「ありがとう。髪型はクロエに任せるわ」
「はい!」
クロエは驚くべき速さでシェリーの髪を整えていく。
横の髪を2束取ると緩い三つ編みにして、2本ともヘアバンドのように回し、余った毛先を花のような形にして、小さな花が散りばめられている白銀のヘアピンで止めた。
長い髪は二つに分けて緩く四つ編みにし手前に垂らした。
「どうでしょう?」
「クロエって器用なのね?凄く素敵」
「ふふふ、セシル様の喜ぶ顔が目に浮かびます〜」
「喜んでくれるかしら・・・」
「あれ?・・・これはようやくセシル様の想いが届いたのかしら」
クロエが呟いた。
「え?何か言った?」
「いえなにも!」
その時続き部屋のドアがノックされた。




