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番の瞳  作者: 言葉
第一章:出逢い
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41.知らされた真名②


「・・・その通りよ。公には10年前に亡くなったとされているけれど、わたくしは8年前に一度レイア様とシェリル皇女・・・シェリーさん、あなたにお会いしているの。その後はわからないのよ・・・手紙を飛ばしてみたけれど届かなくて」


「そう・・・なのですね。だからセシル様は私のお母様ではなく、お父様に会いに行こうと仰ったのですね」


「あぁ・・・その通りだ」


「そうか、シェリー嬢は今17歳のはずだ。シェリー嬢のタイムリミット・・・を考えるとレイア様を探すより、確実に居場所がわかる皇帝陛下の方が良いわけか」


レオに頷きで返すと、レイが小さく唸った。


「レイ、どうした?」


「いえ・・・あのー、皇帝陛下に会うのは危険な気がしまして」


「危険?」


「はい。でもまだ憶測でしかないので・・・セシル君とシェリル皇女殿下の今の状態を調べてからじゃないとはっきりは言えないのですが、気になる事が」


「レイ様、今まで通りシェリーとお呼びください」


「あっ、はい、それではそのように」


そんなやり取りをしていると、王妃様がゆっくり立ち上がった。


「ではイースレイの話は二人を調べてからに。その結果次第でどうするか決めるとして、今日はもう遅いから休みましょう。侍女に客間へ案内させるわ。セシルとシェリーさんはとくに疲れているだろうからゆっくり休まないとよ」


王妃様が、シェリーの体というより心を気遣ってくれたのが分かったので、私達は有難く休ませて貰う事にした。

礼をして部屋を出ようとした所で

ある事に気付いて振り返った私はレオに近付いて耳打ちした。


「レオ、ちょっと廊下で話がある」


「話?分かった」


揃って部屋を出て母上達が居なくなるのを待った。

レオの目の前に行き、出来るだけ小声で伝える。


「シェリーが毎晩悪夢にうなされるから、寝る時と朝方は側に居たいんだ。というか、私が居ないと多分叫ぶ・・・だからその・・・」


同じ部屋にしてくれなどと言える訳もなく、

どう伝えたものかと逡巡していると、レオがくつくつと笑いだした。


「それなら続き部屋を用意させるから安心しろ」


続き部屋とは、夫婦の部屋のようにドアで繋がっている部屋だ。

レオの言葉で、私が何を話したのか気付いたシェリーが真っ赤な顔で俯いている。

レイは長い前髪で表情はほぼ分からないが、ポカンとしているようだった。

夫婦ではないのに続き部屋と言われれば、驚いでも仕方がない。


「ありがとう、レオ」


「だが、同じ寝台で寝るのはダメだぞ。まぁ私は別に構わんのだが、見つかると煩いからな」


「っ・・・そんな事するわけないだろ」


「さて、部屋の準備をさせるから少し待て」


「悪い、頼む」


そこでポカンとしていたレイの意識が戻ってきた。


「あ、では僕はこれで失礼しますね」


「ああ、明日の時間は後で遣いを寄越す。今日は助かった。ゆっくり休め」


「かしこまりました。それでは」


レイはそう言うと自室へ戻って行った。


その後、続き部屋の用意が出来たと言われ、

レオと別れて部屋に向かった。

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