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番の瞳  作者: 言葉
第一章:出逢い
37/641

37.王妃の話①

時は少し遡る。


庭園で息子の番を紹介した後、

オリビアは王妃に自室に招かれていた。


「今お茶の用意をさせるわね。お話は・・・室内の方がいい?」


王宮とはいえ、何処に目や耳があるか分からない。

おそらく込み入った話だと察したのだろう。


「ええ、室内でお願い。・・・お天気がいいのに勿体ないけれど」


王妃はオリビアに頷くと、控えていた侍女に声をかけた。

オリビアもよく知る侍女のウィラだ。


「ウィラ」


「すぐにお茶の準備を致します」


マーガレットに促され、向き合ってソファーに座ると

すぐにウィラがティーセットとお菓子を持ってきて、

テーブルに並べると、またすぐに部屋の壁際へ待機した。

おそらく既に準備していたのだろう。

相変わらず優秀だ、と 久々に会ったウィラに感心した。


「リビア、ウィラも下げた方がいいかしら?」


「いいえ、ウィラなら大丈夫よ」


リビアとはオリビアの愛称で、

昔から二人の時マーガレットはこう呼ぶ。

ちなみにオリビアはマーガレットをリタと呼んでいる。


「わかったわ。ねぇリビア、シェリー嬢って・・・」


自室に着くまでずっと気になっていたのだろう。

紅茶も飲まずに聞いてくる。


「ええ、リタの予想している通りだと思うわ」


「驚いたわ・・・そっくりなのだもの・・・レイア様に」


「私は1度しか会ったことがなかったのだけど、ジェフが気づいたのよ。リタ、知っている事を教えて欲しいの」


「ええ・・・レイア様と皇女の事よね」


オリビアはこくりと頷いた。


「レイア様はおそらく、まだ生きてらっしゃるわ」


予想はしていたが、やはり驚いた。

亡くなったとされてからもう10年も経っているのだから。


「おそらくという事は、どこにいらっしゃるかは分からないということ?」


「ええ、今は分からないわ。実は一度、ゲーテ領に匿った事があるの」


「匿った・・・って、レイア様を?」


「ええ。あれは確か、8年前だったかしら・・・」


マーガレットの話では

シャウゼンの式典で初めてレイア様に会った後に、

友人として何度か手紙のやり取りをしていたらしい。

その後、レイア様の妊娠などで文通は途切れ、

そのままレイア様が亡くなった。


しかし8年前に突然、

レイア様からマーガレット宛の手紙が飛んできたという。

手紙には、

「数日以内にリンデンバウムに行くから、少しの間、匿って欲しい」

それだけ書かれていた。


マーガレットは慌てて父であるゲーテ侯爵に連絡し、

領地の屋敷に準備を頼んだ。

王宮に匿えれば一番いいが、レイア様の目立つ容姿は

王宮に着くまでに見つかる可能性が高かったからだ。


レイア様に

「ゲーテ領の屋敷に準備をするので、国境まで迎えを送る」

と手紙を飛ばしたのだが、

「迎えは必要ないので大丈夫」と返ってきた。

マーガレットはすぐには王宮から動けなかった為、

兄であるフィネスに領地で待機して貰うことにした。


その翌日、レイア様は国境ではなくゲーテ領の隣の

クラウド領の方から来たそうだ。

ゲーテ領とクラウド領は隣同士で、

その為マーガレットとオリビアは幼なじみで親友なのだが、

その二つの領地は、どちらも隣国に接して並んでいる。

なので、クラウド領に一度入ってからゲーテ領地に来るのは遠回りだった。


その時も勿論、なぜわざわざクラウド領から?と疑問に思って聞いたところ、

「魔法で転移してきたら、間違えて隣の領地に来てしまった」と、苦笑いで言ったそうだ。

現代に転移の魔法を使える人がいる事に驚いたが、

レイア様が素晴らしい魔法の才能の持ち主である事は知っていた為、その時は納得した。


「その時に一緒に連れてきたの。シェリル皇女・・・シェリー嬢を」


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