34.シェリーの種族
「・・・とりあえず、今の所このくらいかな」
私がそう締め括ると、レイがなるほどと頷いた。
「それではまず、シェリー嬢が何の亜人か調べましょう。種族によって対処が変わる事も多いですから」
「調べられるのですか?」
「ふふふ、調べられるのですよ!古書で見つけたある方法を僕がやっとのことで再現したんです!」
ほぅ、と感心した顔でレオが聞く。
「どうやって調べるのだ?」
「血液を使って調べるのです。少量の血液に、専用の試薬を加えると、亜人の種族によって色が変わるのですよ!それでハーフははっきりわかります。それ以外・・・例えば魔人( 人族と魔族 )とエルフ( 人族と精霊 )だと、生まれた時にどちらかの姿になるわけですが、その場合はなんと!血液が2色でマーブルのように変色するんです。凄いでしょ?」
シュヴァルツバルト大陸で言う亜人とは、
『人ではない種族に人の血が入り、成人して人型になれた者、もしくは変身で人型になれる者』の総称である。
その大雑把な括りの中に、人間寄りか魔族寄りか、などでまた別の総称があり、細かく分かれている。
それは凄い。
・・・そういえば半年くらい前に
レイに研究で使いたいからと、私の血をくれと言われたが、
これのテストに使ったのか。
「そんな便利な試薬があるのか。すぐ調べられるか?」
「はい、数回分くらいなら残ってたはずです!やっと試験が終わったばかりで、陛下にしか報告してないので試薬の事は内緒にして下さいね?ではちょっと自室から試薬を持ってきますので、お待ち下さい」
そう言うとレイは応接室を出て、筆頭魔法士としてあてがわれている城内の自室に向かっていった。
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紅茶とコーヒーを入れ直してもらっていると、
試薬らしき小瓶と、実験器具を持ったレイが戻ってきた。
「ではシェリー嬢、ここに少し血液を頂きたいのですが宜しいですか?」
レイがそう言って少し太めの針をシェリーに渡し、小皿を指さした。
シェリーは はい、と頷くと、人差し指の腹に針を刺し、
小皿に鮮やかな血を何滴か滴らせた。
「これで足りますか?」
「大丈夫です!ありがとうございます。では試薬をかけますね」
レイはスポイトを使い、シェリーの血液に無色の液を数滴垂らした後、何か書いてある紙を取り出してテーブルに置いた。
「この一覧が色と種族の組み合わせです。数分で変わりますので」
小皿を見ていると、混ぜてもいないのに
シェリーの血液と試薬が渦を巻き始める。
やがて渦がとまり、血液は漆黒になった。
漆黒か、と思った瞬間、血液は透明になった。
「レイ、これは漆黒か透明どちらだ?」
たしかに。
隣いるシェリーの顔も戸惑っているのがわかる。
とりあえず透明の種族を見てみようととテーブルの紙に視線を落とした私に、
レイが呟いた。
「セシル君、この色は・・・その紙には載っていません」
「それは・・・わからないということか?」
「いえ、元にした書物には載っていたのですが・・・僕がその種族の血液の入手が出来なくて、テスト出来なかったので載せなかったんです」
「・・・その種族は?」
レイが私を見たあと、シェリーに向けて言った。
「妖精です」
書き進めてると、前書いた内容を変更したい点がでてくるのが辛いです・・・。
毎日更新出来るように書き溜めてはいるのですがー
当初よりだいぶ長くなりそうです




