32.ノイラートの魔術
「あ!これは失礼。シェリー嬢の魔力量の多さと質の高さに感動してしまいまして。驚かせて申し訳ない」
「やっぱり?シェリーの魔力量も質も相当だよね?」
「ええ、ええ、これは素晴らしいなんてものではないですよ!感じる波長も初めての魔力です!感動です!」
イースレイ様は、目をキラキラさせていている。
多分、魔法がとても好きな方なのだろう。
とりあえずこの様子なら、会話は出来そうで安心した。
「レイ、今日はシェリーについて頼みたい事があって、レオに呼んでもらったんだ」
「僕をご指名という事は魔法に関することですね?なんでしょう?」
「うん、まず・・・シェリーは記憶喪失なんだ。でもその記憶喪失が普通の記憶喪失と違うから、私は魔法で記憶を消されたのでは無いかと思っている」
そう言うと、セシル様は私の記憶喪失がどのようなものかイースレイ様に説明してくれた。
「なるほどなるほど。記憶を全て綺麗さっぱり消す魔法は禁術ではありますが、存在します。しかし部分的ということですとかなり高度な魔法ですね。魔法というよりは魔術に近いと思われます」
「あるのか?解除できるか?」
王太子様が聞くと、イースレイ様はうう〜んと唸りながら考え込んでしまった。
「何かの本で見た気がするんですがねぇー・・・」
「ちなみに、シェリー嬢はシャウゼンで生まれたと思われる」
こちらを伺う王太子様にセシル様と私がこくりと頷く。
「シャウゼン・・・シャウゼン・・・シャウゼン!?」
「あ、ああ、シャウゼンだ。何か思い出したか?」
イースレイ様の目が零れそうな程開いたので、王太子様がちょっと引いている。
「ええ、確かシャウゼンに魔術を得意とする家があったはずです。代々優秀な魔術師を出す家なのですよ・・・確か・・・ノイラート家だったような?」
「ああ、ノイラートか。名前だけは聞いたことがある。セシルは知ってるか?」
「ああ、私も面識はないけど少しだけ。貴族でない為表には一切出ず、家の当主が皇家にのみ仕えている有能な魔術師の家系と聞いている」
「なるほど。レイ、そのノイラート家の魔術師なら、シェリー嬢にかけられたと思われる魔術をかけれそうか?」
「おそらくできるかと思います。しかし、もしかの家の魔術となると解除は難しいですね、リンデンバウムは魔術より魔法寄りですし、ノイラート家の魔術は門外不出なので・・・。是非学びたいんですけどね」
「そうか・・・魔法と魔術は根本がちがうしな・・・」
セシル様の声に落胆が滲む。
私も思っていたより期待していたのか、心が少し重くなった。
それに気付いたセシル様が、そっと肩を抱いてくれた。
「シェリー、大丈夫?」
「はい、大丈夫です」
「セシル、イチャつきながらでもいいが、次の話だ」
王太子様の言葉で一気に恥ずかしくなってしまった私が慌てて離れようとするも、
セシル様は離れようとしない。
このまま話すのだろうか・・・?
顔が熱いのだけど・・・




