27.登城
セシルが自室に戻る直前、オリビアがシェリーの部屋にやって来た。
その後ろには箱を大量に抱えた侍女が並んでいる。
「さあシェリーちゃん、支度をしましょう!」
オリビアがそう言うやいなや、侍女が次々と箱を開け、部屋がドレスやらアクセサリーやらで埋まって行った。
「母上、あまりシェリーを困らせないでくださいね」
それから昼前まで、シェリーは10着を超えるドレスを合わせられ、お嬢様が死んだ目になっていた、と後にクロエから聞いた。
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昼食後、母とシェリーと私の3人は
公爵家の馬車に乗り、王宮へ向かっている。
「セシル様、あそこに見えるのが王宮でしょうか?」
先程から、楽しそうに馬車にある小窓から王都を眺めていたシェリーが聞いてきた。
「そうだよ。聖獣の城と呼ばれている」
「始祖様に因んでつけられたのですね。すごく真っ白で綺麗です」
「ふふ、そうでしょう?王宮には守りの結界が張られていて、物理攻撃や魔法攻撃に耐える以外にも、城壁や城には汚れが一切つかないようになっているのよ。だから一年中真っ白なの」
「凄いんですね!お掃除が楽そうです」
「シェリー、中の掃除は多分必要だと思うよ」
「あ、確かに…広くて大変そうです…」
シェリーの表情がコロコロと変わるのが
可愛くて笑ってしまう。
そんな話をしながら公爵家から40分程進むと
ようやく城の門へとたどり着く。
ここは3箇所ある門の内のひとつ。
シェリーは少し緊張しているが、
オリビアは以前よく王妃の元に来ていたし、
セシルも仕事で毎日来ていた為、問題もなく
さらりと通過し、謁見の間がある入口へと向かった。
シェリーは門を超えてもまだ馬車で移動するのかと
広さに感嘆していた。
城に入ると謁見の間ではなく、直接王妃が待つ王宮奥の庭園へと案内された。
庭園にはテーブルが用意され、ティーセットや何種類もの菓子が並べられている。
そこに王妃と王太子と思われる後ろ姿が見えた。
「王妃様、王太子様、ご機嫌うるわしゅうございます」
母が挨拶すると、
「オリビア!」と満面の笑みで王妃が振り返った。
母と王妃様は親友で、今でも仲が良いが
ここしばらくは母が領地で療養していた為、
会うのは久しぶりのはずだ。
そのまま王妃と王太子と礼を交わす。
「よく来てくれたわ!体は大丈夫なの?」
「ええ、主治医にもかなり良くなったと言われたわ。中々これなくてごめんなさいね」
口調もすぐに友人のそれへと変わる。
「いいのよ、貴方が元気でいてくれたら十分よ」
「王妃様、お久しぶりでございます。本日は私の無理を聞いて頂きありがとうございます」
「ふふ、セシル、よく来てくれたわ。無理なんてしていないから気にしなくて良いのですよ。さて、貴方の姫を紹介して頂けるかしら?」
そう言われた私は、私の後ろで固まっているシェリーを促し、紹介する。
「彼女がお話したシェリー嬢です。シェリー」
私の後ろにいたシェリーを、隣に誘う。
「お初にお目にかかります、王妃様。シェリーと申します。本日は貴重なお時間を頂き、感謝に堪えません」
そう言うと、見事なカーテシーをした。
文句の付けようがない礼のはずが
シェリーを見つめたままの王妃は固まってしまった。
続きは夜更新しますー
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