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番の瞳  作者: 言葉
第二章:レイアの過去
100/641

100.無理難題①

気付けば100話です!予定の3倍位長い!でもまだ終わらないので最終的に何倍になるのやら・・・カタ:( ;´꒳`;):カタ


「陛下!陛下は城でお待ち下さい!」


翌日の昼過ぎ、皇城の広い廊下に宰相の声が響き渡った。


「待ってなどいられるか!」


ドカドカと城の門に向かうセオドアを、ラングストンと護衛達が追いかけながら必死に呼びかけている。


「陛下がおられませんと政務が滞ります!どうか皇妃様と姫様の捜索は他の者に!」


「政務はお前とハーレイに任せると言っているだろ!」


「殿下はまだ立太子されておりません!陛下か皇太子でしか処理出来ないものが溜まっておるのです、どうか!」


ラングストンの言葉にセオドアがようやく足を止め、振り返った。


「なら、すぐにでもハーレイを立太子する」


「え?あ、ええと」


突然のセオドアの宣言に、ラングストンと周りの護衛が固まった。

いずれハーレイが立太子する事は皆も分かっていたが、通例でいくと皇子が立太子するのは12歳以降であった。

帝国の皇帝になる者に求められる能力は非常に高く、幼い内に皇太子を決めてしまうと、後により能力の高い皇子や皇女が出て来た時に争いの種となる。

とは言っても、ハーレイは今10歳で、シェリルは7歳、アリアに至っては今年の誕生日を迎える前なのでまだ4歳。

アリアはお世辞にも賢いとは言えない為、能力で競うとしたらハーレイとシェリルだが、シェリルは行方不明で、結果的に、能力面でも年齢でもハーレイしかいないのが現実でもあった。


ハーレイの能力が非常に高く、それは臣下の誰もが認める所ではある為、立太子する事に反対はしないだろうが、早すぎだ。

それに皇妃レイアが失踪した事は、おそらくほとんどの臣下の知る所とはなっているが、

帝国民の前で行う立太子の儀に、病弱とは言え実母である皇妃のレイアが出席しないのも問題になる。


「ラングストン、今からすぐに立太子の儀の準備にかかれ。明日、立太子の儀を行う」


「明日ですか!?」


「明日だ。終わり次第、私はレイアを探しに行く」


セオドアはそれだけ言い捨てると、外出は諦めたのか皇宮へと向かっていった。

おそらくレイアの部屋に行くのだろう。


護衛は慌ててセオドアを追いかけ、廊下にはラングストンが一人取り残された。



-----------------------------



「殿下」


アデルがハーレイの執務室から退出したタイミングで、天井から声がした。


「フィルか。何かあった?」


「明日、殿下の立太子の儀が執り行われるようです」


フィルの思いもよらぬ報告に、ハーレイは思わず天井を見上げた。


「僕の立太子の儀が・・・?」


「はい、陛下が自らレイア様を探しに行く為のようです」


フィルの短い説明で、ハーレイは意味を察した。


「そうか・・・母上も父上もいなければ、政務の全ては皇太子が代わりを務めねばならない・・・なるほど」


「・・・」


フィルはハーレイに、この様な形で皇太子になる事を祝っていいのか分からないのだろう、無言になった。


「教えてくれてありがとう。それは今聞いたばかりか?」


「はい、たった今、陛下が宰相にした話です」


「分かった。すぐにラングストンが来るだろう。父上はまた母上の部屋に?」


「はい」


「・・・何かあればまた知らせて」


「はっ」


ハーレイはしばらく、フィルの気配の消えた天井を見つめ、今の話を考えていた。


「まぁ、考えてみたら、それしかないもんなぁ・・・」


そこに、外から声が掛かる。


「殿下、ラングストン宰相がお会いしたいそうです」


「通して」


ガチャリと開いた執務室の扉の先には、青白い顔のラングストンが立ち竦んでいた。


「宰相、顔色が悪い様だけど大丈夫ですか?とりあえず中へ」


ハーレイに促され、ラングストンはとぼとぼとソファに腰をおろした。


ブクマが増えてて嬉しいです!

ありがとうございます!

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