一次元ヒロインのターン(消滅)
???「残念ながら、そこまでです。みなさん、もとの場所に、お帰りいただく時間であります」
ましろ「……へ?」
???「本官は、次元警察の、やまねこ、であります」
ましろ「やまねこさん」
やまねこ「みなさんが、次元を超えて、お話できていた。これは、みんな、電磁波の、影響、であります」
ましろ「え、どういうこと!?」
やまねこ「上空130kmの地点に、突発的に電磁層ができることがあります。特殊な電磁層。これ、スポラディックDim層と呼びます」
みかみか「ありゃあ……やっぱり、Dスポが起こっていたのでしたかぁ……。わたくしも生まれてはじめて遭遇しましたわ」
やまねこ「そう。Dスポの濃度が高い場所では、次元性物質が反射するです。すると次元を超えて意思疎通、できるようになる、であります」
ひるね「じゃあ、僕がましろくんとお話してるしできているのも、そのDスポってやつの影響なのね……」
やまねこ「そう、であります。ましろさんが、スマホでエロゲーをしていたこの場所が、ちょうどDスポの次元性物質を反射するスポットだった、ということであります」
いちか「はー。そのおかげで、うちもでてこれたってわけね……」
やまねこ「はい。しかしDスポはあくまでも一時的な現象、であります。電磁層はすぐに、崩れてしまう、であります」
ひるね「え!? そうなると、どうなるの!?」
みかみか「……………………………」
いちか「……ずっとこっちの世界におれるようになる?」
やまねこ「……もとの次元に、帰る、であります」
いちか「………」
やまねこ「まもなくその時、であります」
ひるね「……ぼく、もうましろくんとお話できなくなるの?」
やまねこ「……はい」
ひるね「……んー、でもまた、Dスポが起これば、お話できるんだよね?」
やまねこ「たしかに、理論的にはそうなる、であります。しかしそもそも、それは、天文学的な確率だった、であります」
ひるね「……」
ましろ「そんな……それじゃあ、またお話できる日は……」
そのとき、カモメちゃんが悲鳴をあげる。
カモメ「きゃあああ!! いちかちゃん、身体が消えかかっている!!!」
ましろ「ええええ!? ほ、本当だ!!」
いちか「ありゃ。うちはもうそろそろ行かないといけんのか。うーん、もっとお話したかったなあ」
ましろ「いちかちゃん……」
いちか「そんな顔せんのよ。うちはね、いつだって、近くにおるけえ。でも、お話ができるって素敵なことじゃね。うち点じゃけ、知らんかった」
ましろ「……そういえば、いちかちゃん、どこかで会ったことがある気がする」
いちか「ふふふふ。うちはね、うちの正体はね……」
ましろ「いちかちゃん、もう姿が見えない!!!」
いちか「さっき、カモメちゃんが告白した瞬間に、うちは、ちゃーんとおったんよ。探してみてね」
ましろ「え……どういう?」
いちか「答えは教えんよ。少しはうちのこと、考えんさい。これは恋愛なんじゃけえ。負けても爪あと残していくのがうちの主義。じゃあね、ばいばい!」
ましろ「さようなら、いちかちゃん……」
いちか「……ああ、やだ! うち、ほんとはまだ帰りたくな