一次元ヒロインのターン(告白)
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ましろ「はい?」
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ましろ「え、なに? 今なんか見えた」
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そのとき、みかみかが金切り声をあげる。
みかみか「いやあああ!! 一次元ですわーーー!!!」
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ひるね「え、一次元!?」
???「そう! うちは一次元から来た、いちか。いちかちゃんって呼んでね!」
カモメ「わたしには……点……にしか見えません……」
いちか「ああ、まあ一次元ってそういうことじゃけえ……。うちはね、点なんよ」
みかみか「一次元……! なんと穢らわしい下等な生き物でしょう……」
いちか「穢らわしいって、失礼じゃねぇ。自分と違う属性って理由だけで、相手を見下すのは視野が狭すぎると思うよ」
ひるね「なんだか良くわかんないけど、次元が低いと穢らわしい……みたいな価値観は不愉快だなあ」
みかみか「さあ、ましろ様。そんなつまらない点は放っておいて、はやく三人の中から一人を選んで下さいませ」
しかし……
ましろ「え、四人だろ」
みかみか「……へ?」
ましろ「いちかちゃんも入れて、四人だろ」
みかみか「え……えええーーー!!」
ましろ「なんだよ。いちかちゃん、かわいいじゃん。胸が高鳴った」
いちか「うれしいわ、ダーリン! ウチもおんなじ気持ちよ!」
ましろ「それに、いちかちゃんとはどこかで会ったことがある気がする」
いちか「うふふふふふふふ」
みかみか「こ……このわたくしが、一次元なんかを相手に戦うことになるなんて……」
がく然とするみかみかを見て、ひるねちゃんがケラケラと笑う。
ひるね「あっははは! ましろクンのこと、分かってないなあ。ましろクンは、次元を超えて人を愛せる人なんだよ」
カモメ「属性だけで、人を判断するような方でもありません!」
いちか「次元を超えて会いに来てよかった!」
ひるね「じゃあ、ましろクン。誰を選ぶか、決めて」
いちか「小さくて可愛い一次元の女の子か」
ひるね「経年劣化しない二次元の女の子か」
カモメ「やわらかくてあたたかい、三次元の女の子か」
みかみか「す、すべてを兼ね備える四次元の女の子か」
ましろ「うーん……悩ましい……」
俺は悩んだ。四人とも選びたい。
四人とも違った良さがあり、四人とも好きだ。
四人とも自宅に連れて帰って、頭の上に一次元、右に二次元、左に三次元、天井から四次元みたいな陣形で寝転がりたい。そしてこの陣形を「鶴翼の陣 Ⅲ」と名づけたい。
しかしこの「四人とも」とは言いずらい状況だ。
しかたない、俺は、ひとりを選ばねばなるまい……
俺は………
ましろ「決めた!! 俺が選ぶのは……!!」
しかし、そのとき……。