四次元ヒロインのターン(告白)
突如、足元に大きな魔法陣があらわれる。
カモメ「えっ、なんですか、これは!?」
ひるね「魔法陣……!?」
そしてその魔法陣のなかから、女の子がゆっくりとあらわれる。女の子は羽根をはやしていて、呼吸にあわせてそれがゆらゆらと開いたり閉じたりする。
???「ましろ様……。わたくしの声が聞こえますか? ずっとお会いしとうございました。前世より、あなたのことがすきです」
ましろ「えっ、あなたも俺のことが……しかし、あなたはいったい、何者……?」
???「わたくしは、四次元の方から来ました。大天使、みかみかです」
カモメ & ひるね「「はあああ!?」」
ましろ「え、なにその消防署の方から来ました、みたいなの」
みかみか「そんなことより、ましろ様、わたくしの声が聞こえるのですね! なんという喜び…!」
ましろ「え、なんだなんた」
みかみか「ふふふ。先程のおはなし、わたくしも聞いておりました。おかしくてたまりませんでしたわ!」
カモメ「何がおかしいというのですか!?」
みかみか「経年劣化と温かさの、どちらを選ぶか……ああ、なんて愚問なんでしょう! 四次元の生命体であるわたくしであれば、その両方を叶えることが可能ですのに! そう、四次元のわたくしであれば!」
ましろ「な、なんだって……!!」
みかみか「わたくし、永遠の命を与えられておりますし、見た目の年齢だって好きなように変えられます。そしてましろ様。わたくしの手、握っててくださいませ」
ましろ「あたた……かい……」
みかみか「そういうことですわ。そんな低レベルな選択を、ましろ様にさせてしまってはなりません。さあ、ましろ様、わたくしと四次元にまいりましょう!!」
ましろ「四次元……」
ひるね「だめ!! ましろクン!! ボクのいうこと聞いて!! いったらやだ!!」
カモメ「そうです! ましろさん! そんな怪しい女のいうことなんか、聞いたらだめです! この女、絶対にヤバいなんかのあれです!!」
みかみか「るるるー♪ わたくしは怪しくないー♪」
ひるね「こわい! ぼくこの女きらいー!!」
ましろ「……分かったよ、みんな。俺は、みんなの意見を参考にして、自分の心で決断するよ」
俺は座り込み、腕を組んだ。
ましろ「うーん……悩ましい……」
俺は悩んだ。三人とも選びたい。
三人とも違った良さがあり、三人とも好きだ。
三人とも自宅に連れて帰って、右に二次元、左に三次元、天井から四次元みたいな陣形で寝転がりたい。そしてこの陣形を「鶴翼の陣 Ⅱ」と名づけたい。
しかしこの「三人とも」とは言いずらい状況だ。
しかたない、俺は、ひとりを選ばねばなるまい……
俺は………
ましろ「決めた!! 俺が選ぶのは……!!」
しかし、そのとき……。
「ちょっとまったーーー!!」
今度は足元から女の子の声がした。