二次元ヒロインのターン(告白)
???「ちょっとまったー!!」
……どこからともなく、別の女の子の声がする。
カモメ「え、なになになに!?」
その声は……スマホの画面から聞こえてきた!
画面をのぞきこむと……なんと、画面の中から、さっきのエロゲーの女の子がでてこようとしている……!!
???「そこの女の子! ボクのすきぴに、勝手に手を出さないでくれる? ましろクン、ちょっとまっててね。いまそっちに行くから」
カモメ「え、なに、どういうこと!?」
???「いっせーのーで、どーん!!」
画面の中の女の子が、画面の中から飛び出してくる。
ひるね「えへへ。来ちゃった!」
ましろ「ええええ! きみはさっきのエロゲーの……」
ひるね「うん。小鳥遊ひるねだよ! どうしても、ましろクンに会いたくて、三次元に来ちゃった」
ましろ「来ちゃったって……」
ひるね「ましろクン。キミはボクにあんなことやこんなことをしておいて、まさか他の女に手を出すだなんて……信じられないよ」
カモメ「あ、あんなことって……」
ひるね「ふふふ、冗談だよ。ああ……ボクのましろクン、ああ、やっぱりかわいいなあ!」
カモメ「ちょっと。聞き捨てなりません。ましろさんはあなたのものではありません」
ひるね「ほーん。じゃあ聞くけどさ。きみはましろクンと、どこまで進んだの? ぼくはもう、あんなことや、こんなことまで経験済みだよー! えへへ!」
カモメ「あなたがましろさんとどのような経験をされていても、今日からはわたしが彼女です。あなたはもう、用済みです」
ひるね「……ありゃ、意外と気が強い」
カモメ「いままで三次元の代用品、ご苦労さまでした。今日からスマホの中で、静かに余生を送ってくださいね」
ひるね「……はあ。ひっど。ましろクンさあ。こんな性格悪い女でいいの? ボクはこの女が、ましろクンにふさわしいと思わないなあ」
カモメ「大きなお世話です。それなら二次元なんて、やわらかくも、あたたかくもありません。二次元なんて、三次元のましろさんに寄り添うのに、ふさわしくないと思います」
ひるね「はあ? 三次元なんて、年くって醜くなるじゃん。経年劣化する不完全な生命体の分際で、なんでそんな偉そうなの?」
カモメ「いいえ。愛する人と一緒に年を重ねることは、とてもとても素晴らしいことです」
ひるね「そんなの三次元の言い訳だね。現実に合うように、理想の方を書きかえているだけ。そういう惨めな考え方やめたほうがいーよ? 誰だって、ほんとうは若いままのほうがいいにきまってる」
カモメ「あなたには、三次元のことは分からないでしょうね。とにかく……」
ひるね「とにかく、ましろクンは、ボクのもの」
ひるねちゃんは、キッパリと力強く言いはなつ。
カモメちゃんは目を細め、ふう、とため息をつく。
カモメ「……分かりました。あなたも真剣にましろさんがすきなのですね」
ひるね「そうだよ。ごめんね。ボクだって引けない。キミと同じように」
カモメ「……では、正々堂々、勝負いたしましょう」
ひるね「いいよ。じゃあ、ましろさんに選んでもらおうじゃないの」
カモメ「ましろクン、どっちがいいの? どっちを選ぶの?」
ひるね「経年劣化しない、二次元を選ぶの?」
カモメ「やわらかくてあたたかい、三次元を選ぶの?」
俺は座り込み、腕を組んだ。
ましろ「うーん……悩ましい……」
俺は悩んだ。正直、どちらも選びたい。
どちらにも違った良さがあり、どちらも好きだ。
どちらも自宅に連れて帰って、右に二次元、左に三次元、みたいな陣形で寝転がりたい。そしてこの陣形を「鶴翼の陣」と名づけたい。
しかし「どちらも」とは言いずらい状況。
しかたない、俺は、どちらかを選ばねばなるまい……
俺は………
ましろ「決めた!! 俺が選ぶのは……!!」
しかし、そのとき……。




