山城真白のターン(告白)
『風』に押されるように、カモメちゃんに向かってかけよると、彼女はびっくりして振りかえる。
ましろ「カモメちゃん、君のことが好きだ」
カモメ「え……」
ましろ「いや、君を好きになった。カモメちゃんが俺のことを好きになってくれたから、好きになったのだと思う。こういうのって、本当はものすごく不誠実なのだと思う」
カモメ「……」
ましろ「でも、どうしても、この気持ちを無かったことにはできなかった。ものすごく自分勝手だと思うけど、俺、カモメちゃんのことが好きです」
カモメ「私も……私も、ましろさんのこと好きになりました。Dスポの影響で一度好きになったから、好きになったのだと思います。でもこんなのって間違っている気がして……」
カモメ「こんな理由で好かれたら、ましろさんも迷惑かと思っていて……それで……」
カモメ「でも、好きにいいも悪いも、ないですよね」
カモメ「ましろさん、私もあなたが好きです!」
ましろ「え、ほんと!? うおおおお!!!」
カモメ「ふふふ、それじゃあ、れっつら三次元! ましろさん、一緒に家まで帰りましょう!」
ましろ「うん、ありがとう……」
カモメ「ちょっとだけ、元気ないですよね……………大丈夫。みんなとも、また、必ず会えますよ」
こうして幸運にも、ましろは鴎沢カモメと結ばれることになった。
しかし彼の幸運は、まだまだ続くことになる。
10年後の同じ日に二人は結婚式をあげる。
そして…………
彼は、天文学的と言われた確率に打ち勝ち、人生二度目のDスポを引き当てることになる。
めでたし、めでたし。