表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
珠理奈の両天秤  作者: 舞夢
1/10

珠理奈は新宿支店に異動となった

都銀本店の課内一番のイケメン社員の圭に片思いをしていた珠理奈に思いがけない話が舞い込んだ。

何でも、今回の人事異動で銀座本店から新宿支店への移動という話である。

人事部からは、

「新宿支店の支店長が珠理奈さんをお気に入りでね」

「どうしても欲しいって、役員に迫ったらしい」

「業績が高い支店でもあるし、新宿支店の支店長も将来有望な筆頭株」

「珠理奈さんには、損は無い話だと思う」

そんな話である。


珠理奈としては

「人事異動で、拒否できる話ではない」

「新宿も嫌いな街ではない、アパートにも近いし」

「あの支店長は、パワフルで精悍でかっこいい」

「でも、何で私を気に入ったのかな」

「支店長会議で資料とお茶を配っただけなのに」

と不思議に思うけれど、なかなか、それ以上に人事部には聞き出せない。


人事部との話を終えて、課内に戻ると人事異動については、他の社員にも発表されているので、様々に盛り上がっている。


そんな中で、珠理奈に声をかけてくる同僚行員OLが

「ふーん・・・新宿支店ねえ・・・いいなあ」

「あそこの支店長は確かにやり手だね」

「そこの支店長に望まれたの?」

「ふーん・・・何だろうねえ」

同僚OLも、珠理奈が「望まれた理由」については、わからないようだ。


そんな少し浮ついて、首をかしげている珠理奈は、圭の姿を探している。

でも、課内にはいないようだ。

となると、圭も人事部に呼ばれたということになる。


その話を係長がそっと教えてくれた。

「ああ、圭君は内部検査部らしい」

「厳しいかなあ、彼は几帳面だから」


ただ珠理奈としては、圭の異動先には関心がなかった。

「まあ、絶対に逢えないというわけではないか」

「年に一度くらいは顔を見れるのかな」

「指摘されないようにしないと」

感じたのは、そんな程度。


ただ、それは、今の時点という意味であった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ