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夢の中でやたらと突っかかってくる。前編

 と、いうわけで今日も元気に登校した訳なんだけども最近は変な夢のせいでのんびり屋に定評のある僕が学校の始業10分前には教室にいるだなんて奇跡みたいな事象が当たり前になりつつある訳なんだけども。


「おっす羊一!お前ホント遅刻しなくなったよなー!」


 字面だけだと「ひつじー」ってなんかバカにされてる気分。いじめ、ダメ、絶対。


「ムフフ、学校に来る楽しみが出来ちゃったんじゃないの?唯のおかげで。」


「おはよう、健一、馬渕さん、なんか最近変な夢ばっか見ちゃってさ、全然寝坊出来なくて困るよ。

 ちなみに学校に楽しみを見出せる程青春男じゃないよ僕は。」


「いやまぁ、遅刻しちゃダメなんだけどな。」


 このよくお見かけする漢字の健一君は僕の小学校からの友達、【日比谷 健一】危うくオットコマエロン毛とモロ被りしそうになっちゃってる名前の彼は勉強は出来なくて(ホントはそこそこ出来る)スポーツはそこそこ器用にこなしちゃうもんだから体育や球技大会なんかでは結構頼りになる、そして一部の女の子から黄色い声援を投げかけられる…まぁ、なんていうかちょっとムカつく。


「…いや、だいぶかな?」


「え?なにが?」


 おっといけない、声出てた。


「えー、青春男になれよー!見出せよ楽しみ!素直になっちゃえよ!バカ!」


 この何故かふくれっ面の女の子は【馬渕 唯】某吉岡さんが赤面…ていいかこんな古い少女漫画ネタなんて言ったって今時少年少女は振り向いてすらくれないよ、作者さん少女漫画好きなの?


 まぁ、いいや、この子は僕の初恋だった…って少女漫画みたいな事は言わないよ、どんだけ好きなんだよ!

 改めまして馬渕さんは今年から同じクラスになった隣の席の女の子、いや女のコ…どう違うかはわからないけど、取り敢えず授業中でも休み時間でもやたらと突っかかってくる。


「僕の事好きなのか?」


「は?ちょっ!な、なに言ってる訳?ゆ、唯イミワカンナインダゲソ」


 うわやばっ!また声に出しちゃったよ、ってかなにその反応?え?まじ?まじなのか?いやでもちょっと待て!語尾がなんか変だったぞ!…っは!違う、そうかこいつは馬渕さんの偽物だ、偽馬渕さんだ!くっそー、本物の馬渕さんをどこへやった!馬渕さんを返せイカ星人!


 なんて危うい妄想をしながら真っ赤になっていろんな事への言い訳をする馬渕さんに対して上昇しそうになったなんらかの気持ちを封印することに成功した。


 ………危なかった。


 まぁ、そんなこんなで朝のHRホームルームいや、補足しなくてもわかるわ!が始まりけんちゃんとゆいちゃ…馬渕さんが自分の席に着く。


 馬渕さんは未だになにか言い訳がましく言っているが取り敢えず無視して前だけ向いとこうっと。


 ふむふむ、ほうほう。なるほどな!


 どうやら先生の話の中には特別これといった重要で大切なお知らせはないようだった。


 という訳で授業中も特に何も起きないからとばしちゃって…あ!4時限は体育で健一が女の子からまた応援されてたよ、ホントやんなっちゃう。

 給食の時間はどうしようかな、健一と馬渕さんとは席が隣と前後だから話はするけど、んー、でもやっぱり特に面白い話もなかったし、三人で帰りに寄り道して帰るってだけ話した事にしてとばしちゃおう!


 そして、問題の5時限目なんだけど、まぁ眠いよね、いやホントきっついわ、何がきついって連日の早起き、体育で汗かいた後の給食でお腹いっぱいの窓際で陽だまりでそよ風がふわわ〜…


(戦ってみた感想は?)

 はい、無理でしたね…


(一気にたたみかけられてましたね。)

 いや、必死に抵抗はしたんですよ、でも、とてもじゃないけど勝てませんでした。


(抵抗虚しく?)

 はい、物凄い力で。


(最後は自ら負けを?)

 えぇ……………寝てしまいましたね。


 そう、寝てしまいましたね、しかも授業始まって教科書開いてすぐ。


 終業のチャイムで起きました、正直者でしょ?普通見栄はって「いや、途中起きたりしてましたよ?」とか言うけど僕はそんなせこい嘘言いません。


 はい、授業の記憶ありせん。


 ぁ、でも教科書は開いてたよ、国語の教科書!そう、これ!なんでか濡れてるけどこれ!


 あ、そうそうそんな事よりね、見ちゃったんですよ…また!夢!


 うん、んで、今回の夢はいつもとちょっと違ってたんですよ!どう違うか?まぁまぁ落ち着いて!これから説明するから、ほら、座ってコーヒーでも飲んで落ち着きなよ!


 …いい?落ち着いた?じゃ話すね。


 ー

 ーーーーー

 ーーーーーーーーー

 ーーーーーーーーーーーーー

 ↑あ、これ夢の話に入る時、なんとなくアニメとかのホワンホワンホワンってアレのイメージね!


 僕は暗闇の中にいた、いや、漂っていた…かな?


 身体の感覚はあるけど、地面を踏んでる感覚がない、おかしいなぁ、現国の教科書にこんな物語あったかな?


 とそこまで考えてようやく気付く。


「あれ?なんで夢なのに自分で思考してるんだ?身体も動かせるし……どうなってんの?」


 今までの夢は物語の主人公になりかわり、漫画や小説の物語に沿って進行していく、その中に僕自身の思考を介入させたり、勝手に体を動かしたりなんて出来なかった。


「という事は、これって俺オリジナルの夢か、ハハッ!久しぶりに見るな、普通の夢、あれでもなんで真っ暗闇な訳?」


 そうやって不思議に悩んでいたら何処からともなく声が聞こえてきた。


 《……ざ…よ。………めざ…よ。目覚めよ。》


 取り敢えずホラーっぽいから無視して起きる事に集中するか。


 《おい!聞こえてんだろクソ日本人!目覚めろって言ってんだろコラ!》


「うわぁぁぁあーーっ‼︎‼︎‼︎ごめんなさい許してください食べないで!食べるなら健一をどうぞ、中途半端に女にモテていけすかねぇんです!」


 怖すぎた、めっちゃでかい声で目の前で怒鳴られた感じ、しかも目見えてないから余計にビックゥ!ってなった、マジなんなんこの声の主ぃ、弱い者いじめとかマジであり得ないぞ?おい声の主ぃ。


「お前、俺の事そんな風に思ってたの?」


「ってかビビり過ぎ、マジうけんだけど!」


 あれ?なんか聞いた事ある声がする。


 ってかこの声って間違いないよね、


「健一?馬渕さん?あれ?なんで俺の夢の中にいるの?」


「なんでかはわからないけど俺は今友達関係見直し中だから話しかけないで。」


「ん?ってかこれ唯の夢だし、洋一怖い事言わないでよ。」


「ちょっ!けんちゃんごめんて、許して、給食のデザート1週間献上し続けるから。」


「仕方ないな、その真摯な態度に免じて手打ちにいたそう。」


「は?なにそれ、ずる!洋一!唯も怒ってるよ!唯にもデザート献上して!」


「いや、先に健一と約束しちゃったし、ゆ…馬渕さんに怒られるような事何もしてないし?」


「したよ!唯の夢に勝手に出てきた!」


「は?なにそれ、そんなの馬渕さんが見たくて見てる夢じゃん?ってかこれ俺の夢だし。」


「はぁ?別に洋一の夢なんて見たくて見てる訳じゃないし、ってかこの夢だけの話じゃな…ってなんでもない!死ね!消えろ!没個性!モブ顔!」


「え、言い過ぎじゃね?」


「ってかさっきから聞いてて疑問なんだけどさ?この夢って俺の夢じゃないの?」


 …


 ……


 ………


「「「…………え!?」」」


 ………その時初めて僕らは一つになった。


 なんて感動的でも官能的でもないこの状況!いったいなんなんだこれ?みんなの夢にみんなが出てきて…ってえ?


 どういう事?


 《そろそろ、よいかのう?お主ら喧嘩は良くないぞ》


 あ、さっきの怖い声。


 《まぁ、なにはともあれ全員目を覚ましてくれ。》


「いや、さっきからやってるんですけど、全然目開かない…。」


「あれ?みんなも何も見えてなかったんだ?唯だけじゃなかったんだね!」


「そうだね、さっきから俺もいろいろ試して見てるけどやっぱり目開かないよ。」


 《まぁ待てお主ら、瞼を開けるのではない、心の目を開くのだ。》


 は?なに言ってんの?現役中2に厨二勝負とかこいつマジ大草原不可避。


 《今お前失礼な事思ったろ?》


「思ってません!僕は潔白です!マイマスター!」


 《まぁよい、じゃあちょっとコツを、今回は三人知り合いじゃからできるちょっとした裏技を教えよう、よいか?お互いの姿を想像してみよ。》


「え?そんな事?」


「なんだ簡単じゃん!」


「おぉ…見えるってのわぁっ!」


「え?ってキャァァア!なんで?なんで?」


「ご、ごめん!俺見てないから、大丈夫。」


「僕も、見てない、見てないよ馬渕さん。」


「いや洋一てめぇ、がっつり見てんじゃねぇかこの変態サイコパス野郎!」


 いやサイコパスではない!


 三人同時に声の主曰く〈覚醒?〉をしたんだがあろう事か全員一糸纏ってなかったのだ、まったく、僕はまだ14歳だぞ?今後の成長にいろいろ関わっちゃったらどうしてくれるんだ、まったくけしからん!破廉恥だ!不健全ですぅっ!


 まぁ今回は僕の日々の修行により煩悩は攻めてこなかったけども、決していやらしい気持ちになんてなってないしぃ?その証拠に馬渕さんの裸ガン見しても何も沸きおこらなかったしぃ?あ、見てない見てない!あっぶね、何言わすんだ!ったく……まぁいずれにしても天の声(仮)さんが服を出せるって言うから残念だけど…いや、なんでもないけど、服を出してもらいました。


 見事に腫れ上がった左の頬をさすさすしながら取り敢えず三人と一人が円になって座って会議を始める。


「んでおじさん誰?外人さんみたいだけど…」


 我ながら積極的だなぁ、物語の主人公みたいだ!え?俺が主人公だって?まっさかぁ…こんな没個性、モブ顔、変態サイコパス野郎が?


 え?いやいや全然気にしてねぇし…。


 《外人って……まぁいい、私の名前はヒュプノス!神様である》


「このサイコ野郎!!!」


 おっとしまった意味わからなすぎてついキレてしまった、キレやすい若者になってしまった。


 《お前さっきからマジ不敬!》


「えっと、神様?やたら軽いな。」


 ハハッって健一が爽やかになりきれないぎこちない笑顔でヒュプノスとか言う外人さんを見て…ない?目を逸らしてる!


 そしてなんか文字数がちょっと多くなって来たから一旦ここで区切るかな。


 え?ページを区切る権利は作者じゃなくて僕にあるんだよ、だってほら、これ僕の夢の話だし。



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