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平凡少女
私が大声をあげているうちにいつの間にか
私と同じ、新入生が続々と集まっていて、
そのなかに奈乃も含まれていた。
「奈乃!ごめん…私早く行き過ぎちゃった…。」
「ううん。大丈夫!こちらこそ、もう少し早く行っておけばよかったね。」
…優しすぎる。
奈乃はいつも私の失敗を
こうも簡単に許してくれる。
私が誘っておきながら自分で破ってしまった。
にも関わらず、奈乃は怒らないのだ。
私はいつも奈乃に劣っていた。
奈乃は成績優秀、容姿端麗、おまけに運動だってできる。
それに比べて私はどうだろうか。
成績平凡、容姿平凡、おまけに運動なんて
大の苦手だ。
いわゆるどこにでもいる平凡少女なわけで…。
「あっ、あの子見ない顔だ〜!麗亜、どうする?声かける?」
「…あっ、うん!行ってくるね!」
私は心の底の本音を隠しながら
その子のほうへ向かった。