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夏生詩集2

沈めたこと

作者: 夏生

何かするより

何もしないことの方が

難しい


こころは滴り落ちていく

だけで

もどかしく


何かしようとした

何か言おうとした

激を幾重にも

くるんでまきつけて

私の底に沈めた


水族館で見た

水底にひっそりと

ヒレを揺らせ

見ることをやめた

魚の目


今までおぼえていたのは

このためか


小さな泡ひとつ

たてなくなって

私の底で

黙っている


これでよかったのか

これが正しいことなのか


遠い日に繰り返された

叫びの意味が

バカにしていた

情熱の発端が


大きな泡ひとつたてながら

私に問いつづける


答えを見出だすには

待たなければならない


静かに

待たなければならない



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