第三話「秋山②」
◆◆◆秋山和寿
夢を見ていた。昔の昔の、懐かしい夢だった。季節は、多分夏かな。
「な、なんだよ。やめろよ」
「うるせーなー、早くやっちまおうぜ」
「来るな!」
「やんのかオラ!」
この夢は、この夢は、この夢は、コノユメハ、
だめだ。
◇
「起きろよ、やばいことになっているぜ」
そう言われて、秋山は目を覚ました。寝ていたのだ。もう外は真っ暗で、ちらっと、時計に目をやるともう午後の11時を回っていた。隣には山田がいる。当然と言えば当然だが、なにか昔の夢でも見ていたせいか、新鮮に感じた
「何だよやばいことって」
「いいからテレビを見ろよ」
テレビ、と言われてもこの警察署にはテレビがないし、アンテナも張っていないはずだ。
「ちげーよ、パソコンを見ろって言ってんだ」田中は秋山が思っていることを察したのか、パソコンい指を指した。秋山は言われるがままにパソコンを見た。そこには、見たことのある顔とそして、あまり見たことのない、国会が写っていた。別に国会ぐらいなら何回も見たことがある。現実でも見たこともある。けどこの国会は違った。国会の右上というべきだろうか、そこが爆発して、煙が燃えていた。なんだよこれ。総秋山は思った。
「何だよこれ」気づけば言葉を発しているようだった。
「今どきすげーよな。テレビがなくても、テレビが見えるんだぜ」
「違う。そうじゃない。この国会は何なんだよ」
「テロらしいぜ。世の中物騒だよな」コイツはなぜ、こんな冷静で居られるのか。
「て、テロか」冷静で居られれると、こちらも冷静になった気がする。
「テロなのか?」
「だからそう言ってんだろ」
テロ、そういう言葉が秋山の脳裏から離れなかった。そして、先程写っていた、犯人という文字と、あの顔も一緒に頭から離れてくれるはずもないのだ。
「さっきのは誰だよ」田中は聞いてきた。先程の会話からして、秋山が犯人など知るはずもないのにもかかわらず、田中は聞いてきた。
「知らねーよ」
「だろうな」しかし、秋山は知っていた。彼を、知っていた。
彼の名前は、小幡勝博。中学の同級生だ。




