第一話「小幡勝博」
うす。
この物語の重要人物である、小幡勝博君は私の知り合いがモデルになっている。彼は、一言で言えば変人なのだ。変人で奇人なのだ。ある時には、道に落ちていた、いつのかもわからない納豆をむしゃむしゃ食べていたり、変な自作動画を送りつけたりしていた。
しかし、そんな彼でも「小説のモデルとなった」と聞くと少し赤面になっていた。だいぶ可笑しかった。
「どんなキャラなんだ」彼が聞いてきた。
少し言いづらかったが、言ってやった。
「ざけんな」
だいぶキレられた今日このごろだ。
◆◆◆小幡勝博
俺の周りには変人が多い。もちろん俺も非常に変人で奇人なのだが。しかし、彼はこう言ったのだ。
「お前、アメリカ人なのか」
俺は「アメリカに住んだことがあるんだ」と言っただけで、アメリカ人とは一言もいない。しかし、彼は止まらなかった。
「帰国子女ってやつか」
俺は女ではない。バリバリの男だ。18だ。俺が黙って睨みつけていると、彼はケラケラと笑い飛ばしながら、「じゃあ、帰国子男だ」と言ってきた。何が帰国子男だ。
あれからちょうど2年ぐらいたっているので、彼が今どこにいるのか、何をしているのか、全くわからない。ただわかるのは、俺は狂ってしまったことぐらいだ。
車のアクセルを踏み、皇居通りに入る。最近この通りに、ファストフード店が立て続けに建てられたせいか、やけにうるさいことはガラス越しでもわかるぐらいだった。
右折して、さらに大きい通りに入る。太陽の光が、ガラスに反射して俺の目に入る。あまりにも眩しいので、サングラスを取り出し、掛ける。
ふと、後ろを見る。それには黒い袋に隠してある。
「ど、、どこに行くんですか、、、」後ろに座っている一人が声を上げる。そんなに気になるか。お前たちの行く場所が。はっきり言うと地獄という場所だが、ここでは明確な場所を示してあげないとまた声を上げて面倒臭いことになるだろう、と思い声を出す。
「国会さ」
「国会!?」
だいぶ驚いた様子だったので、しめしめと笑う。ブレーキを掛けて、国会の前で止まる。
「降りろ」
手際よく乗っていた人質を降ろして、国会の中に入る。
「な、、何をするんですか」
「またお前か」
「だって気になるじゃないですか」
「じゃあ教えてやる。俺は世界を変える」
そうさ、俺は世界を変える。俺はビンラーディンでもバグダディでもない。
ただのテロリストだ。
うっす。




