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 ⑨

どう違うんだい?と問いたくなったが、またセクハラだーと張り手をブチかまされかねない。

そう思った泡沢は言葉を飲み込んだ。

黙っていると古玉珠世は1人話し出した。


「私の場合、異常なくらい痒くなるんです。痛痒いっていうのかなー。勿論、ブラが肌に合わなかったのかな?って考えた事もありましたけど、でも、そうなるのって必ず取り締まりに出ている時だったんですよね。休暇や署内にいる時には絶対に痛痒くならない。なら下着のせいじゃないと思ってそれは排除しましたね。アレルギーの線も考えはしましたが、取り締まる場所は決まっているし、その付近には木々も少ないので、アレルギー性はないなと判断しました。となれば何だろう?と巡回してたら、いきなり乳首が痛痒くなった時があって、その時は、引ったくり犯だったのですが、乳首が痛痒くなってから数分で、叫び声が聞こえましたから、慌てて声のした方へ駆けつけていると偶然に犯人と出会して逮捕したのですが、ひょっとして乳首が痛痒くなった時はその近くで犯罪が起きるのではないのか?と考えるようになりましたね。勿論、他人が聞いたら頭イカれたと思われがちなので、黙っていましたけど、余りにも私が事件に遭遇するわ、犯人逮捕するわで、最初は私が企てた犯行じゃないかって、変な噂も流されたので、渋々、交通課の部長に話をして、理解を頂きました。ま、本音を言えば誰も理解してくれてはないと思っていますけどね」


「気持ちはよくわかるよ」


「でも、私は痛痒いだけで、特別、見た目で気づかれる事はありませんけど、泡沢先輩の場合は、ほら、アレがあーなる訳だから、ね?」と言いながら古玉は僕の股間に視線を向けた。


「変な意味とかエロい意味じゃないですけど、どんな風にその、事件解決に、先輩の股間にあるモノが、一役買うのかみてみたいですね」


「事件が起きたら見れると思うよ」


「なら事件起きないかなぁ」と古玉は不謹慎極まりない言葉を吐いた。


「縁起でもない事は言わないでくれよ」


泡沢はいい片手をズボンのポケットに突っ込んだ。泡沢のズボンのポケットには穴を開けてある。いつ何時事件が起きても良いように、直ぐ様シコれるような状態にしているのだ。


「先輩、それ…何してんですかっ!」


「何してるって、それはさ、」


「セクハラチャーンスっ!じゃないですから!」


途端に古玉からの張り手が泡沢の左頬に向かって振り抜かれた。何もちんこを出した訳でも触ってみ?と言ったわけでもない。それなのに、コイツは… とんでもない奴が来てしまったとちんこから手を放しながら思った。


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