④②
お父さんが小屋から出て行ってしばらくして、僕は内側から小屋の戸の鍵をかけた。
そして身につけていた雨合羽や長靴を脱いで裸になった。そしてそのまま久家綾乃の死体の側へ近寄った。
指先で久家綾乃の乳首に触れ、そして摘んだ。
小ぶりの乳房を揉みながら乳首を舐める。股間は熱を帯び反りたっていた。
想像してたより、濃い陰毛をまさぐる。
引っ張っると何故か笑ってしまった。
そのまま陰部の形に沿って指を這わせていく。しばらく繰り返していたが、久家綾乃は一向に濡れる事はなかった。
入れていた指を抜きその匂いを嗅ぎ指を舐めた。
軽く握った感じの状態の久家綾乃の手を掴みペニスを握らせる。1本1本、ペニスが握れるように指を折り曲げていった。
僕は久家綾乃の手首を掴みそのまま上下に動かし目を閉じた。
あの日、中学校の屋上で出会った時の事を思い返す。
声は今でもハッキリと覚えていた。だが興奮したのは最初だけで全くイキそうになかった。
仕方なく僕は側に置いてあったノコギリを手に取った。ペニスから久家綾乃の指を外し、床に置く。
マーキングされた箇所にノコギリの刃をあてた。最初はゆっくりと引いて押し返した。次は引く時にだけ力をいれ、押し返し時は力を抜いた。
人の皮膚を切ると、まるで底に残ったバニラシェイクをストローで吸い取るみたいな音がして、何だか笑ってしまった。
血は思ったより飛び散る事はなく、粘着質の強い液体のように、ただ、どろりと垂れ落ちるだけだった。
女の子だからか皮膚と肉は簡単に切れたけど、厄介なのは骨だった。華奢なくせに中々切断出来ない。
骨密度が高いと硬いのかも知れない。額に汗が浮かんで来て垂れ目に入った。が気にしなかった。
片腕を切り落とす前に、息が切れたので一旦、休憩し腕で額の汗を拭った。
片腕だけでこれだけ疲れるのだから、全部解体するには丸一日はかかりそうな気がした。
体力に自信があるとは言わないけど、流石にこれじゃ駄目だ。コツを掴めば多少楽にはなるのかも知れないが、それでも少しは身体を鍛えなければいけないかも知れない。
僕はゆっくりと立ち上がり、水道水で喉を潤した。水槽の中の鰐は置かれてある岩の陰にでも隠れているのか姿は見えなかった。
気持ちを入れ替え仕切り直して再び腕を切り始めた。中々、進まない事にイラッとする。最初とは切れ味が違う感じがしてノコギリを抜いてみた。
刃の部分に久家綾乃の腕の肉片がぎっしりと詰まっていた。これじゃ切れるはずもない。
僕はそのノコギリを一旦、工具が置かれてある机に戻し別の少し小ぶりなノコギリを手に取った。
それを使って何とか久家綾乃の片腕を切り落とすが出来た。僕は初めて解体したのが久家綾乃の片腕だという事に誇りを感じた。
その切断した腕を掲げてみると何だか誇らしかった。
華奢で色白なその腕を眺めながら、僕は中断していた事を再開しようと思った。
切断した久家綾乃の指をペニスにあてる。ペニスを握らせ外れないよう指を折り曲げるのにそこそこ苦労したが、握らせた瞬間にイキそうになった。
久家綾乃の手首を持ちゆっくりと上下に動かして行く。鼻息があらくなり、あっという間に果てた。
こんな気持ちのいいマスターベーションは生まれて初めてだと僕は思った。屋上で久家綾乃に出会った後にしたマスターベーションとは雲泥の差だった。
僕はしばらくの間、ペニスを握らせた手を外す事が出来なかった。余韻というか半永久的にずっとこのままにしておきたかった。
一旦、外すとこの手はただの死体の1部であり、肉片の塊に過ぎなくなる。だから捨てたくはなかった。
が、このままにしておくわけにはいかない。
どの道、この手は腐り果て嫌な異臭を放つようになるだけだから。
僕は後ろ髪を引かれるように1本ずつ指を剥がしていった。切断した腕を供物のように持ち水槽へと近寄った。
そしてこの腕でやり残した事がないか確かめてから水槽の中に放り入れた。
次にもう片方の腕の切断に取り掛かった。やっぱり直ぐノコギリが切れなくなったので、僕はまた新たな工具を選び直さなければならなかった。
電動工具は音がする為、使えない。使用は許されていなかったからだ。
だからそれ以外で良さげな物は……
僕は壁にかけてある手斧を手に取った。
柄を握った瞬間に伝わってくる重量感が斧の強さを物語っているようで、新たな興奮を覚えた。
片手で振り下ろし、両手で振り上げ又、振り下ろしてみる。一撃だ、と思った。
逃げられなければ、一振りで殺害出来る、そう思えた。この斧なら頭蓋骨や骨も簡単に切り落とせるだろうな。
ただ問題がないわけではなかった。それは斧で手足を切断した時、タイルの床にあたり、刃が欠けたり折れたりするのではないかと危惧したのだ。
そうなれば直ぐ斧も使えなくなる。それは嫌だった。
まな板のような物があれば良いのだけど、室内を探してもそれに該当しそうな物は見当たらなかった。
仕方なく僕は先ず手斧で切り口をつくりその後でノコギリを使って切断しようと決めた。
さほど力をいれなくても振り下ろす遠心力で久家綾乃の足はかなり深い部分まで抉り切る事が出来た。
引き抜く時に力を入れなければならなかったのは手斧の刃が骨まで達していたからだ。
そこまで出来れば後はさほど大変ではないと思う。
最初に使用したノコギリを掴み、刃についた肉片を取った。
ある程度、綺麗になったそれで両足を切断した。腕1本と両脚を水槽の中に投げ入れた。
鰐が動くのがわかった。いきなり尾っぽが目の前に現れたと思ったら激しく水飛沫が舞った。久家綾乃の1部を食べたに違いなかった。
次は首だった。僕は水槽に背中を預け、久家綾乃を眺めた。両手足の無くなった久家綾乃はまるでツチノコみたいだった。
ツチノコという生き物が実際に存在していて、一般的に言われているビジュアルが正しいければの話だけど。
血の海の上に寝転がる久家綾乃は今、ヴァージンロードにいるようだ。
僕はその道へと足を進めた。僕が新郎で、綾乃が新婦だった。
足の裏に血がねっとりとつき滑って転びそうになる。
体勢を整えて手斧を掴んだ。
マジックで印がされてある箇所に向け、手斧を振り下ろした。ぐちゃりという音がして、首がパックリと割れた。
ノコギリを使いまだ身体と繋がりを保とうとしている脂肪や肉、骨や細胞を切り落とす。
落とした久家綾乃の両の頬な手を添えキスをした。唇を指でこじ開け歯と歯の裏を舐めた。
舌を引き出し吸った。顎に手を当て更に口を開かせ髪の毛を鷲掴みにした。
そしてとっくの前に反り立ったペニスを、口の中に押し込んだ。両手で頭部を押さえながら久家綾乃の顔を動かすが気持ち良い所か萎んでいくばかりだった。
僕はペニスを引き出し久家綾乃の顔を持ち上げた。半目に見開かれた目を見つめた。
段々と苛立ちが湧き上がってくる。せっかくヴァージンロードを歩き迎えに来たのに、こんな仕打ちをされるとは思わなかった。
こんな新婦はいらない。僕は歯軋りしながら久家綾乃の頭を振り上げ床に叩きつけた。
何度も叩きつけた。そして水槽へ向け投げ捨てた。
胴体だけの久家綾乃に被さり小ぶりな胸にむしゃぶりついた。萎んだペニスが再び反り始める。
陰毛に触れながらペニスを陰部の中へ挿入した。この瞬間、僕は童貞から卒業したのだった。
久家綾乃が処女かどうかはこの際、どうでも良かった。関係なかった。何故なら久家綾乃は僕に酷い仕打ちをしたからだ。
僕は久家綾乃に汚されたのだ。仕返しをしてやらなきゃいけない。そう思い激しく腰を動かすがペニスが痛いだけで全く気持ちよくなかった。
僕は胸を力の限り握り唾を吐きかけた。ペニスを抜いて胴体を殴りつける。ラストシーンまで台無しにするのか!そう怒鳴りつけたかった。
その時、僕の目に机の下の箱が目に入った。這ってそこまで行き鰐の皮を取り出す。それを身につけた。
少し大きいが動けないほどじゃなかった。視界は鰐の口から僅かに見えている。
それを着たまま久家綾乃の胴体の上に再び跨った。切り裂かれてある鰐の腹部からペニスを持ちだし、再び陰部に入れた。
久家綾乃を凌辱してやる。鰐に犯される気分はどうだ?怖いかい?それとも嬉しいかい?僕は気付かないうちに鼻息が荒くなっていた。
ゆっくりと腰を振る。脳の中に鋭利な物が突き刺さったような感覚に襲われた。激しく動かそうとした瞬間、僕は久家綾乃の中で果てた。
だけど腰は動かし続けた。直ぐに2回目で果てた僕はしばらく久家綾乃の胴体を抱きしめていた。どれくらい時間が過ぎたかわからない。
少し眠っていた気もする。萎んだペニスをゆっくりと引き抜く。久家綾乃の胴体を持ち上げ水槽へと近づいた。持ち上げ押し上げ水槽の中に入れた。
水飛沫が舞い上がる。僕は鰐皮を着たまま手斧を引っ掴む。これは僕にとっての宝物だ。付着した血を拭う。
鰐皮の着ぐるみを脱ぎ、皮についた久家綾乃から流れ出た血を拭き取った。それを箱にしまう。床を洗い流した。綺麗になった床を確認してから服を着る。手斧を持って小屋を出る。雨はまだ激しく降り続けていた。




