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 ⑥⑤

100均ショップでキーチェーンを購入し、家に戻ろうと自転車を走らせていた。


信号待ちの時、LINEの通知が来てスマホを見ると赤津からだった。


「本読んだ?」


僕は歩行者の信号機とスマホ画面を交互に見ながら赤津に返信した。


「まだ読んでない」


「えー。せっかく私が選んであげたのにまだ読んでないの?信じらんない」


信号が青に変わり、僕は自転車に乗って横断歩道を向こう側へ渡り、歩道の隅に止めた。


「そんな暇がなかった、というのは冗談で、何となくまだ読む気になれなかっただけ。赤津が選んだから読めないとか読まないってわけじゃないから」


「なら良いけどさぁ」


「あ、そうだ。赤津さぁ。明日暇?」


「暇だけど。どうして?」


「映画観に行かない?」


「映画?良いけど、どんなやつ?」


僕は茂木がミニシアターに入った日に、観に行き途中退席したリバイバルのスペイン映画の事を赤津に話した。



「スペイン映画?それ面白いの?」


「わかんない。観た事ないから」


「私、邦画とハリウッド映画しか観たことないからなぁ」


「僕もだよ」


「なら行ってみるのもありかも」


未経験な体験をするという意味では僕等は同じ立場だった。


「なら決まりだね」


「ま、良いかぁ。寂しがり屋の仲野部に付き合ってあげるわよ」


「時間は調べて後でLINEするからさ」


「わかった。ってか仲野部今、何してんの?」


「今?100均ショップに行った帰り」


「あ、外なんだ?ごめんね」


「良いよ」


「ならまた後でLINEしてね」


僕はわかったと返信し、スマホをポケットに押し込んだ。


夕食後、映画の時間を調べて赤津にLINEした。


明日の朝から行くのは面倒くさいよーという赤津の意見を尊重し、午後1時からの上映を観ることに決めた。


その前に会ってお昼を食べるか、映画観ながら食べるかはその時に決めようという事で話は決まり、じゃあまた明日ねーという赤津のLINEを最後に会話は終わった。


僕は裸になりルーティン化している筋トレを始めた。

それが終わるとシャワーを浴びて1時間程、スマホのゲームをして遊んだ。


イヤホンをつけ部屋の明かりを消した。音楽を聴きながら赤津の事を思い返す。


不死身階段で見た赤津の色白のお腹。汗をかいていた赤津のお腹。映画鑑賞では赤津の腹部を見ることは出来ない。それが少しばかり悲しかった。


赤津のお腹に耳を当て身体の中で蠢く内臓の音を聞きたかった。脈動する赤津の性器の中でゆっくりとペニスを動かしてみたい。生きている赤津と僕の手によって切断され、胴体だけになった赤津の身体のどちらが気持ちいいか試してみたい。こう思うのは僕が赤津の事を好きだからだろうか。きっとそうなのだろう。


僕は中学の時に出会った久家綾乃以来、恋に落ちたようだった。


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