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 ①⓪

古玉珠世のあだ名はチッチとされた。


これは警部が思いつき、チッチで決まりだなとの一言で、古玉珠世のニックネームはチッチと名付けられた。


あくまで推測だけれど、古玉のあだ名のチッチとは恐らく乳首のちと乳のちをとったのだろう。泡沢はそう踏んでいた。


チチにしたら乳になってしまうので、間にツを入れたに違いない。


警部の親父ギャグ的要素は120%を超えるものだからほぼ間違いはないだろう。


古玉はそのあだ名をいたく気に入ったようだった。可愛い少動物のような響きで良き感じなどと言ったりもしていた。警部の真意もわからないままに。


時に人は自分に向けられた真意などは知らない、気づかない方が幸せなのだ。


それを一々、深読みなどをしていたら精神上良くない。そういったタイプ、性格の持ち主は自分でも気付かない内に、いつしか誰の言葉に対してもそのような思考に陥りゆっくりと精神が蝕まれていき、やがて病んでいく。


確実にそうなるとはいえないが、そちら寄りのリスクが高いだろう。


肉体も精神も健全でいたいと思うからこそ、他人から受ける言動に対しては、ある程度、表面上で捉え聞き流した方が人は生きていやすいと思う。


その点、天真爛漫というか、根が明るいタイプに思えるチッチは意外と刑事が肌に合っているのかもしれなかった。


そんな風な事を考えている時、一本の電話がかかって来た。


阿佐ヶ谷の人気ラーメン屋の店主が惨殺死体で発見されたらしい。


死体を発見したのはアルバイトの女子大生で

普段であればいつも真っ先に店に来て、仕込みをしている店主の姿が店先から見えるのだな、今日に限って店主の姿が見当たらなかったらしかった。


明かりもついておらず、おかしいしな?と思ったアルバイトの女子大生は不審に思い店の入り口の引き戸に手をかけてみると鍵もかかっていなかった。


開店と同時に開ける筈の入り口の引き戸が開いている事態、おかしな事だった。


何故なら店主は施錠や火の元の確認には人一倍、神経質でうるさい人物のようだった。そんな人が施錠をしていない事に女子大生は不安に思ったようだ。


普段は従業員専用の入り口の店裏から入るのだが、女子大生はこの時ばかりは、空き巣に入られたのかもしれないと思い、恐る恐る引き戸を開けて中へ入った。


入り口なら、空き巣の犯人と出会しても逃げやすいと考えたのも、そこから入った理由の1つでもあった。


店は商店街の一角に面しているし、まだ閉まっている店の方が多いが通行人だっている。助けを求める場面に遭遇したとしても、裏口よりは助けを求め易いし、そうなる確率は高い。


そしてなにより人の姿が見えているというのが心強かった。


女子大生は「店長?おはようございます店長いるんですか?」と声をかけながら店内を進んだ。


グツグツと煮立った寸胴の中の魚介類の香りが女子大生の鼻をついた。とっさにこんなに煮詰めたらダメなんじゃない?と思ったそうだ。


そして店内の明かりをつけ火を止めようとカウンターの中に入った瞬間、女子大生は悲鳴をあげ腰を抜かした。


顔の半分が赤く腫れ水膨れになった店主が、寸胴の中で浮かんでいたからだった。女子大生は這うように店から出て、通行人に助けを求めた。そしてその連絡が今し方かかって来た電話だったのだ。


泡沢はチッチに車を運転をさせ現場に向かった。

途中、警部から無線が入った。


「臨場するまで、しっかり抜いとけ」


「わかりました」


泡沢はそう答えたが既に車で向かっている。横にはチッチがいるし、どこでシコれば良いか思案している時、チッチと目があった。古玉珠世こと、通称チッチは目を爛々と輝かしながらこう言った。


「先輩!早く抜いて下さい!私なら大丈夫です!しっかり見届けて警部に報告しますから!」


とセクハラだとビンタされても仕方のない言葉を吐くチッチに泡沢は半ば呆れながらこう返した。


「見せないよ」


「いや、先輩ダメです。ちゃんと抜き切れない場合もあるかもしれませんので私、見届けます!何なら私がお手伝いしましょうか?」といいながら、仕切りに胸を掻いていた。


「どうした?」


「めちゃくちゃ乳首痒くて…本当シートベルト邪魔だなぁ。あ、先輩、私運転中だから、乳首掻いて貰って良いですか?」


「ば、馬鹿!出来るわけないだろ!」


「駄目かー。いや、乳首触れば先輩も興奮して私の前でシコりやすくなるかなぁと思って言ったんですけどね」


と平然と言った。


「あ、なんなら先輩が運転してくれたら、私がシコってあげられるし、私も乳首を思う存分掻けると思うんですけどどうですか?」


「前みてしっかり運転しろ!」泡沢が語気を強め言うと古玉珠世は、唇を尖らせながら、渋々、はーいと言った。


「でも先輩、マジでこんな痒いの初めてなんです。現場に近づけば近づくほど痒みが酷くなって行くのがわかるんです。私の乳首が今、どれだけ痒いか先輩にわかりますか?」


「わかるわけないだろう」


「あーもうっ!ブラに乳首が当たって擦れるから余計に痒い!痒い!痒い!かーゆーいっ!」


「チッチ、少し黙っていられないのか?」


「無理です!痒いのですよ?めちゃくちゃ痒くてどうにかなりそうなんです!あー痒い!あ、先輩、ブラ外して貰っていいですか?大丈夫、今日はフロントホックのブラですから、簡単に外せますから」


「出来るか!」


泡沢いい、古玉に一旦、車を停車させた。


「運転変われ」そう言い放つとチッチは満面な笑みを浮かべた。


泡沢は現場に向かう事だけに集中しながらアクセルを強く踏みつけた。


街中にサイレンが鳴り響く中、渋滞のせいで車はスムーズに進まなかった。


その間、チッチはブラを外して、ワイシャツの下から手を入れ、盛大に乳首を掻きまくっていた。


「先輩、今のうちにシコっておいた方が良くないですか?渋滞もしてる事だし。現場についてからじゃ警部に怒られますよ?」


「チッチが心配するような事じゃない」


「いえ、心配しますよ。私達チームなんですから。臨場して、ちょっと待って下さいなんて、悠長な事、言ってられないと思います。だから私が、高速シコラーになってあげますから!」


と吠え、いきなりチンコを握り、チャックを下ろし始めた。


「先輩は運転に集中してくださいね!ねっとりと尚且つ素早く処理させて頂きますから!」


「集中出来るかーー!」


と泡沢は声を荒げたが、古玉珠世の手が止まる事はなかった。


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