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魔法使いのくりもとちゃん  作者: おにぎり1999
メインシナリオ
1/7

生い立ち

――世界が終わった、その後で


崩壊した世界の記憶は、夢のようにぼやけていた。


気がつけば、小麦畑の丘の上。

風が金色の穂を揺らし、遠くに見える一台の車が、まるで導きのようにぽつんと佇んでいた。

ハクビシン獣人の魔女・栗本は、静かにその車へと歩き出す。


あの子の声はもう聞こえない。

あの子の手も、どこか遠くへ離れてしまった。


ただ、ここにいるのは、確かに生きている“わたし”という存在。

世界が終わったあと、別の世界に一人だけ取り残されたのか、それとも導かれて逃れたのか。

それすらも、もうどうでもよかった。


車を走らせる途中、古びた屋敷を見つける。

誰もいないが、鍵は開いていた。

ベッドに横になると、ずっと押し殺していた疲れが一気に溢れ、深い眠りへと落ちていった。


翌朝、ふと思い立って隣町まで足を伸ばす。

だが、そこに広がっていたのは見知らぬ言語、見知らぬ建物、見知らぬ空――


ここは、元いた世界ではない。

いや、“あの世界”はもう、どこにもないのだろう。


帰り道、海岸沿いを走っていると、浜辺にうずくまる金髪のツインテールの少女が目に入る。

息はある。けれど、記憶も、名前も、言葉も失っていた。

少女を連れて屋敷に戻り、栗本は新しい暮らしを始めることにした。


**名前のない少女。名前を忘れた魔女。**

世界が終わった後の、静かな二人の生活。


けれど、それは長くは続かない。

かつて失ったものと、今あるものが重なり合うとき――


**二人は再び、運命の旅へと出ることになる。**



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