表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/17

季節…夏 時間…正午 天気…晴れ 曜日…土曜日 キーワード①…鍵 キーワード②…現実

蝉が狂ったように鳴いていた。

空はひどく青くて、雲の輪郭がくっきりしている。

土曜日、正午ちょうど。

部活も、学校もない、完璧な自由。


その家の前で、彼は立ち尽くしていた。

右手には、小さな鍵。

それは数日前、母親の引き出しの奥で見つけたものだった。


「開けたら、何かが変わる」

そんな直感があった。


扉の前。

風は止まり、世界が静かになる。


鍵を差し込んだ。

カチリ――軽い音とともに、閉ざされた時間が動き出した。


中には、何年も前に消えたと思っていた"現実"が、

まるで昨日のことのようにしまい込まれていた。

写真。手紙。壊れたスマホ。録音データ。

全部が"知ってはいけなかった自分の人生"の断片だった。


扉を閉めることは、もうできなかった。


正午の陽射しが、その部屋の中まで真っ直ぐに差し込んでいた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ