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第98話 予想外の強敵!

いつもご覧頂きありがとうございます。

ユニークアクセスが30,000を、PVが150,000をそれぞれ超過しました。

たくさんの方々に拙作を読んで頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。

(3連休だったので、投稿日を間違えてしまいました。申し訳ありません・・。)

 おはようございます。

 異世界16日目の朝です。


 今朝も例にもれず体がダルいです。

 理由はまあお察しのとおりですが(汗)


 ただでさえ美少女の2人にあんなセクシータトゥーモドキが施されてしまったら興奮を隠せないのはやむを得ない!


 元の世界にもあったタトゥーシールのようなものを作れば、夜のメイド服とセットでバカ売れするのではないだろうか?


 格闘技大会が終わったらケン君に相談してみよう。


 それはともかく体がだるくて起き上がれないので治癒魔法と回復魔法をサクッとかける。


 ついでに寝ているチャロンとヤトノにも同じようにかけておく。

 彼女達も昨夜は大興奮ではしゃいでいたからね。

 きっと疲れているに違いない。


「うーん、ムニャムニャ‥。」


 と、チャロンとヤトノが目を覚ます。


「おはよう、チャロンとヤトノ。

 ゆっくり寝れたかい?」


「おはようございます、タクさん。

 魔法をありがとうございます。

 おかげで体がスッキリです!」


「それはよかった。

 今日も朝から忙しいから早く準備しようか?」


「はい!わかりました!

 朝風呂の準備をしてきますね!」


「すぐに準備するので待っててくださいね、ご主人様!」


 とイソイソとお風呂の支度に行くチャロンとヤトノを見送りながら、今日実施すべき事を考える。


 ケン君との商談は予定通りとして、問題はその後だよね。


 と考えながら、僕はスノーとクロロの朝ごはんを準備する。


 と言っても作り置きの焼肉と取り置きの生肉だけど。


 スノー達の朝ごはんを準備していると、肉のストックが意外に減っていることに気がついた。


 うーん、何気にスノーもクロロも沢山食べるからね(汗)


 これはまた狩りに行く必要があるかな?


 格闘技大会だからって力んでいても仕方がないから、狩猟と素材採取にでも行こうかな?


 そのほうが無理に格闘の訓練をするよりリラックスできていいかもね。


 などと考えていたらチャロンに呼ばれる。


「タクさん、準備ができましたよ。

 さあ、お風呂に入ってスッキリしましょう。」


「ありがとう。いま行くよ。」


 と答えて皆でお風呂に入る。



 お風呂でチャロンとヤトノに優しく体を洗われながら、


「ねえチャロンとヤトノ。今日はケン君との商談を終えたら皆と一緒に日帰りで狩りと採取に行こうと思うんだけど。」


 と問いかける。


「え?格闘の訓練をしなくてもいいのですか?」


 とチャロンに聞かれるが、


「まあ、あまり気負っても今更実力が上がるわけでもないしね。

 狩猟で集中力を磨いたほうが、勝負勘が磨けていいかもしれないよ。」


 と答える。


「それもそうですね。じゃあアキさん達も誘って狩りにいきましょう!

 私もバリバリ狩っちゃいますよ!」


 とテンションの上がったチャロンに、何故か僕の僕が狩られてしまって、朝からペイトスを大量に放出したのは言うまでもない(汗)



◇◆


 いつも通り心身ともにスッキリした僕とチャロンとヤトノ(白蛇状態)は別館2階の食堂に行く。


 高校生達は相変わらずだけど、ゴウ君が生傷だらけなのが気になるぞ(汗)


 聖ちゃんと萌ちゃんがゴウ君とダイ君を完全に無視しているところを見たら、まだ例の娼館事件が尾を引いているのかな?(汗)


 まあ彼らの事を気にしても仕方ないので、いつものメニューを3人前注文すると我関せずとばかりにパクパクと食べる。


 うん、やっぱりここの朝定食は美味しいね!


 おっと、ご飯に夢中になっている場合ではない。


 女子高生達を狩りに誘わなければ(汗)


 僕は念話の魔道具を起動すると女子高生達に向かって


『ねえ、みんな、今日は朝一のケン君との用事を片付けたら、そのまま狩りに出かけないかい?

 従魔たちの食べ物も必要だからね。』


 と声をかける。


 すると女子高生達からは


『了解です!』『やっぱりアウトドアがいいですよね!』『ふふふ、我の弩弓が血を求めていますよ・・。』


 と、賛成の回答が返って来た。


 うん、1人だけ怖い人がいるが気にするのはやめておこう(汗)


『じゃあ、8時半にロビーで待ち合わせでよろしくね。』


 と声をかけて念話を終了する。


 うん、この念話の魔道具はとても便利だ!


 アイデアをくれたヤトノに感謝だね!


◆◇


 準備を終えてロビーに集合した僕達は王都の街に向かって出発する。


「やっぱりお出かけは楽しいですね!

 今日もたくさん獲物を狩れるといいですね!」


 とアカネちゃんのテンションが上がっている。

 流石はアウトドアガールである。


「ふふふ、私の煉獄の矢とマイティの鷹の目があれば、視界に入る獲物は全て殲滅してやりますよ。」


 と亜季ちゃんが怪しくニヤリと笑う。


 いや、殲滅したら獲物が穫れなくなっちゃうからだめだよ(汗)

 やりすぎて種を絶滅させてはいけないよ(汗)


「ははは、今日は明日に備えて体をほぐす程度にしておくつもりだよ。

 儲けるというより従魔たちが食べる肉を確保するって感じかな。

 ストックが結構減ってきたからね。」


「わかりました!私もアッシュ君が食べる分を頑張って狩りますね!

 まあ狩るのはアッシュ君ですけど!」


 と楓ちゃんもノリノリである。


「まあ、怪我しないように気をつけていこうね。

 今日はスポーツハンティングぐらいの気持ちでいいからね。」


 と皆のやる気?殺る気?を宥めつつ王都の街に向かって歩いていく。


 やっぱり女子高生達は元気だね(汗)


 若いってすごい(汗)


◇◆

 

 皆と楽しく会話しながら歩いているうちに商業ギルドに到着した。

 なお、ヤトノには道中の木陰で元の姿に戻ってもらっている。


 扉を開けて中に入ると、心なしか昨日より活気に満ちている気がするぞ。


 商人達の会話を何気なく聞いていると、どうやら「8番格納庫ハンガーエイト」ブランドの賞品の話で盛り上がっているらしい。


「格闘技大会の賞品の魔道具がすごいらしい。」とか、「大会に広告料を払えば魔道具を優先的に卸してもらえるらしい。」などと魔道具が話題になっているようだ。


 あえて情報をあいまいにして小出しにすることで噂が噂を呼ぶように仕向けているらしい。


 さすがケン君、できる男である。

 交渉人スキルは伊達ではない。


 そんな様子に口を出すことなく、僕達は受付に行くと、


「グレイ商会ですが、松戸屋さんとこちらで打ち合わせの約束があるのですが。」


 と申し出る。


 すると受付のお姉さんが、


「グレイ商会の皆様ですね。

 松戸屋さんはもう奥の会議室でお待ちですよ。

 右手の通路にお進みください。通路の奥の右側の扉のお部屋ですよ。」


 と手で指し示しながら教えてくれる。


 おお!もう来ているのか。さすがはケン君だな。

 できる商人は商機を見逃さない、ということだね。


 指示された扉の前に移動してノックする。


 中から「どうぞ〜。」と女性の声が聞こえる。

 うん、ケン君のお世話係のクリスさんもいるようだ。


「失礼しますね。」


 と言って中に入ると、ケン君とクリスさんが机に並んで座っている。


「おはようございます。タク先輩。

 朝早くからありがとうございます。」


「いや、こちらこそありがとう。朝早くから悪いね。」


「いえいえ、こちらからお願いしたことですから。

 皆さんどうぞおかけください。」


 と席を勧められた僕達は、


「ありがとう。」


 と言って着席する。

 さあ、ここから商談の始まりだね!


「じゃあ、早速商談を始めよう。

 昨日早速僕が出資をして魔導具取引用の商会を設立してね。まあ、僕が正面に立つ訳にはいかないので、知り合いの女性に商会長を頼むことにしたんだよ。

 こちらが僕が設立した商会、「グレイ商会」の商会長さんだ。」


 と横にいるヤトノを紹介する。

 ケン君は「松戸屋のケンと申します。」と簡潔に自己紹介をするが、ヤトノは黙ったままお辞儀をしてそれに答える。


「ケン君とクリスさんには申し訳ないのだが、僕達の商会が扱うものがものだけに、商会長の名前については秘匿させて欲しい。

 そうしないと強引に取引を迫ってくる商人や冒険者が出てくるかもしれないからね。」


 と補足する。


「ええ、大丈夫ですよ。

 こちらもグレイ商会さんとの関係を秘匿しておかないと、魔導具の仕入れができませんからね。

 魔導具製作の依頼などは商業ギルドに伝言を預けておきますので、それをご確認ください。

 完成品の納品も商業ギルドに依頼できますのでそちらをご利用ください。

 手数料をいくらかとられますが、それは松戸屋の負担と伝えていただければ問題ありません。」


「わかったよ。では早速第1回目の納品をしようかな。」


 と言うと、僕は腰のポーチから取り出した体でアイテムボックスから納品予定の魔導具を取り出すと机の上に並べる。


「これが今回の納品分だよ。

 「点火」「点灯」「放水」の魔導具の組み合わせが100セット、バッジの魔導具が100個、ポーチ型の収納の魔導具が100個になるよ。

 各魔導具の性能と使用方法の簡単な説明はこのメモのとおりさ。」


 と各魔導具と一緒に簡単な説明書をケン君に渡す。


「おお!各100セットも作っていただけたんですね!

 僕の予想以上の納品数ですよ!」


「まあ、材料も沢山準備してもらったし、明日の格闘技大会以降は需要が高まるだろうからね。

 どうせケン君のことだから、「今ならまとめてお得に買えますよ!」みたいな特別セールをするんだろう?」


 とニヤリと笑って尋ねる。


「ふふふ、さすがはタク先輩ですね。

 ご賢察のとおり特別セールを実施する予定ですよ。

 この魔導具なら冒険者だけではなく商人も喉から手が出るほど欲しがるでしょうからね。

 お得とはいえ、それなりの価格設定にする予定です。

 タク先輩への利益も相当なものになりますよ(ニヤリ)」


 とケン君も悪い顔で答える。

 

 どうやら既に販売プランが頭の中にあるようだ(汗)


「まあ、商売のことはケン君に任せるよ。

 こちらの取り分はグレイ商会の口座に振り込んでくれればOKさ。

 ただ、高く売るにはケン君達も魔導具の良さを理解しないといけないだろう?

 そう思ってケン君とクリスさんにグレイ商会からプレゼントがあるんだよ。

 まあ、試供品だと思って使ってくれるとうれしいな。」


 と言って、2人用のバッジの魔導具とポーチの魔導具を渡す。

 もちろん、廉価版ではない僕達と同じスペックのものだ。


「これはさっきの販売用と違って、僕達が使っているのと同じ高性能品だから、他の人にバレないようにね。

 特にポーチの魔導具は容量は1,000Lで時間停止機能付きだから冒険者なら喉から手が出るほど欲しがるだろうからね。」


 と言いながら手渡すと、それぞれの性能と使用方法を簡単に説明する。


 性能がお城にばれるといけないからスペックの説明は口頭のみだ。


「おお!ありがとうございます、タク先輩!これはすごいですね!

 これだけの収容能力があれば私の商売にもとても役立ちそうです!」


「そうだね。とりあえず、さっきの納品分の魔導具を内緒で安全に保管するのに活用してよ。

 バッジの魔導具は商人としての身だしなみを整えるのにとても役立つと思うから有効に活用してね。」


「わかりました。クリスさんともども有効活用させていただきますね。」


「喜んでくれたなら何よりだよ。

 じゃ、販売の件はよろしくね。

 僕達は明日の格闘技大会に向けた勝負感を整えるためにちょっと狩りに行ってくるよ。」


「わかりました。気をつけて行ってきてください。

 なんと言ってもタク先輩は明日のメインイベンターですからね。」


「ははは、まあ狩りも試合も怪我しない程度に頑張るさ。

 じゃあ、またお城でね。

 ケン君も今日の展示会がんばって。」


 と挨拶すると、皆で会議室を辞去する。


 さあ、商談も終わったから一狩り行きますか!


◇◆


 商業ギルドを出た僕達は冒険者ギルドに寄ることなく王都の外に向かって歩いている。

 またズンダの奴らに絡まれたら面倒だからね(汗)


 いつもの城壁の門で冒険者ギルドカードを見せて門番さんに挨拶をして通り過ぎる。


 もう何度か行き来しているので、流石に素人扱いされる事は無くなったようだ(汗)


 ちなみにヤトノは既にヘビの姿に戻ってバックパックの中で休憩中である。

 彼女は冒険者ギルドの登録をしていないからね。


 王都の外の通りは朝のピークを過ぎて行き交う商隊や冒険者達は多くない。


 天気もよく、遠くの草原では暴れ黒牛達がのんびりと草を食んでいる。


 うん、これは狩猟日和だね!


「みな、今日は天気もいいし、格好の狩猟日和だね!

 無理しない程度に狩りを楽しもう!」


「ふふふ、既にマイティは上空で索敵を開始してますよ。

 獲物を発見次第殲滅しますのでご安心を。」


 と既に亜季ちゃんがアンゴルモアゾーンに入っている(汗)


「そ、そうなんだね(汗)

 せっかくだから皆の連携を意識しながら狩りをしようね。

 念話の魔道具で意思疎通も容易になったことだし(汗)」


「ですね!!スノーちゃんもアッシュ君も頑張ってね!」


 と楓ちゃんもやる気マンマンである。


「タク先輩!西の方角に獲物の気配です!

 どうやら前に狩った草原鹿の群れのようですよ。

 以前と同じようにスノーちゃん達で追い込んで仕留めますか?」


 とアカネちゃんからレポートが入る。


「そうだね。Aチームの楓ちゃんとスノーとアッシュが鹿の群れの後方に回り込んでこっちに向かって追い込もう。

 亜季ちゃんはマイティと視覚共有して獲物の位置を確認してから念話で誘導してくれるかい?

 僕、チャロン、亜季ちゃん、アカネちゃんのBチームで迎撃しよう。

 準備はいいかな?」


「「「「はい!」」」」「バウ!」「ワウ!」「ホウ!」「・・!」


 という皆の元気な返事を確認したら準備OKだ。

 あとは号令をかけて無慈悲に獲物を狩るだけだね。


「じゃあ、狩りの開始だ!」 


 という僕の合図とともにAチームは獲物の後方に移動を開始する。

 

 上空で遊弋しているマイティの視界を共有した亜季ちゃんが的確にAチームを念話で誘導する。


 うん、空飛ぶ従魔との視界共有と念話の魔導具の組み合わせは最強だね。


 この世界の狩りや戦闘の形を大きく変える可能性があるぞ。


 僕もクロロを上空に飛ばして視覚共有し、状況を確認する。

 

 どうやらAチームは順調に獲物の後方に回り込んでいるようだ。


 それにしても亜季ちゃんの誘導は的確だな。

 流石は狩人スキルの持ち主だ!


「タク先輩、そろそろAチームが獲物の後方100mに到達します。」


 と亜季ちゃんからレポートが入る。


「了解。じゃあAチームに追い込み開始準備を伝えてくれるかな。

 Bチームは弓矢を準備して迎撃の準備だ。」


 と言うと僕達Bチームは素早く弓矢を準備して矢を番えて構える。

 さあ、これで準備はOKだ!


 僕は念話の魔導具を起動すると、


『Aチーム、追い込み開始!

 スノーとアッシュが左右から挟み込むようにして、こちらに向かって誘導するんだ!

 さあ行け!』


 とAチームに発動を下令する。


 Aチームは「心得た!」とばかりに草むらを飛び出すと大声をあげながら草原シカの追い込みを開始する。


 平和な食事時間中に急襲された草原シカの群れは突然の襲撃に大パニックに陥り、スノーとアッシュに追い込まれるままこちらに向かって駆けてくる!


 しかもスノーとアッシュに挟まれていい感じに密集しているぞ!


『さあ、Bチームも迎撃準備だ。現在位置は14時の方向、距離200!

 距離100の地点に矢を放って迎撃するぞ!』


 と、クロロの視界共有と「地図作製」スキルのコンボを活用して、皆にターゲットの方位距離を念話で伝える。


 後は迎撃ポイントに向かって矢を放つだけだ。


『まもなく迎撃ポイント! 3,2,1、撃て!』


 とBチームに号令をかける。


 Bチームから斉射された僕、チャロン、亜季ちゃんの矢は斜め上空に放たれると、きれいな弧を描きながら飛んで行き、獲物の群れの先頭集団に命中する!

 

 うん、いいね!


『第1弾、弾着!、命中! 同じポイントに向かって攻撃を繰り返すぞ!』


 と先頭集団が倒れて進路を塞がれ、その場で右往左往している獲物の群れに矢の雨を無慈悲に降らせる。


 どの矢も次々に獲物に命中して仕留めていく!


 亜季ちゃんじゃないけど、僕達が放つ矢はまるで死をもたらすゲリラ豪雨のようだ!


『Bチームのみんな! 最後の2頭がそっちに向かって駆け出しました!』


 と楓ちゃんから念話が入る。

 どうやらパニックから回復した獲物が気力を振り絞って死地を脱したようだ。


 ふふふ、だが君たちが向かってきている方向で死神が待っているんだよ。 


「アカネちゃん、打ち漏らした獲物が2頭こっちに向かって走ってくるよ。

 迎撃してくれるかい?」


 と、短弓故に遠距離攻撃で出番の無かったアカネちゃんに最後の2頭を任せることにした。


「おまかせください!」


 とアカネちゃんは元気よく答えると、草原に飛び込んで、待ち伏せの態勢に入る。


 そしてターゲットが射程内に入ったところで素早く矢を2本連続で放つ!


 アカネちゃんが放った矢は吸い込まれるように獲物の喉に突き刺さり、1瞬でその命を刈り取る!


 うん、すばらしい弓の腕だ!

 アカネちゃんもスキルを順調に成長させているね!


『みな、お疲れ様! 無事に草原鹿の群れを全て仕留めることができたよ。

 とてもいい連携だったね!

 こちらから獲物の回収に向かうから、Aチームはその場で待機しておいてくれるかい?』


 と皆に指示すると、アカネちゃんが仕留めた2頭を回収しながらAチームに合流しに行く。


「それにしても見事な連携でしたね、タクさん!

 獲物がたくさん穫れましたよ!」


 とチャロンがご機嫌で声をかけてくる。


「ああ、いい連携だったね。念話の魔導具がとても役に立ったよ。」


「はい!これは革命的に便利ですね!

 ただ、やはりこの道具の存在がバレるわけにはいきませんね。

 本当にお城に軟禁されて魔導具作りに専念させられてしまいますよ。」


「そうだね(汗)。僕もいまそれを実感したところさ。

 まあ、早いうちにお城を出ないといけないね。

 格闘技大会が終わったあたりが潮時かな?」


「そうですね。タクさんにはもうこれ以上準備期間は必要ないですよ。

 いつでも旅に出れます!」


「まあそうだね。冒険者として依頼を受けたり、狩りをしながら気ままに旅をするのもいいかもね。」


「はい!」


 と雑談しているうちにAチームと合流できた。

 

 合流地点の周囲には草原鹿が8頭倒れていた。


 なんと、さっきの狩りだけで10頭も仕留めたことになるぞ!


「みんなお疲れさま!さっきの狩りで10頭も仕留めることができたよ。

 みなのおかげだね!」


 とA、B両チームの労をねぎらう。


「はい!獲物の追い込み頑張りましたよ!

 スノーちゃんとアッシュ君がいい感じで追い込んでくれました!」


 と楓ちゃんも嬉しそうだ。

 やはりテイマーとしては従魔と一緒に活躍できるのが嬉しいのかな?


「さあ、獲物が痛む前に早く回収してしまおう。

 折角だから高く売りたいしね。」


「ですね!早く収納しないと血の匂いに引き寄せられて大型の魔物が寄ってくるかもしれませんよ!」


 と楓ちゃんがまたもや横から恐ろしい予言の言葉をぶち込んで来る!!


「楓ちゃん・・」「カエデさん・・」「「楓・・」」・・、


「それはフラグだから!(ですよ!)(だよ!)」「バウ!」「ワウ!」「・・!」


 という僕達の渾身の突っ込みと同時に草むらの奥の方から「ギャオウ!!」という野太い叫び声が聞こえる!


「みな、何かの魔物がやって来るぞ!速やかに戦闘用意だ!」


 と号令をかける!


 僕は獲物の草原鹿をアイテムボックスに速やかに収納すると、弓矢を構えて来訪者の登場に備える!


 すると、草むらの奥の木々の向こうから、大きな人?が現れた。


 いや、奴は人ではない!

 赤黒い肌に、頭には2本の角、口からは大きな牙が生えている!

 しかも身長は余裕で2mを超えているぞ!


「チャロン!、あれは何の魔物かわかるかい?」


「タクさん!あれはオーガですよ!!

 この辺りで見かけることは無いはずの、凶暴な魔物です!」


「そんなのが何故こんなところにいるんだい?」


「さあ?わかりませんけど、このまま私達が逃げると奴が追いかけてくるかもしれません!

 そうすると王都につながる街道に奴を誘導してしまいます!」


「むむ!それはいけないね!他の人に魔物を擦りつける行為は厳禁だ!

 みな!協力してこいつをここで仕留めるぞ!戦闘用意だ!」


「「「「はい!」」」」「バウ!」「ワウ!」「・・!」


 と招かれざる客との戦闘に突入する!


 とは言うものの、オーガなんていったいどうやって倒せばいいんだい?


◆◇


 オーガは僕達の姿を視認すると「ギャウワー!」と叫んでノシノシと歩いて近づいてくる。


 うん、あれはどう見ても友好な関係を築ける状態ではないね。

 完全にこちらを敵認定しているぞ(汗)


「ちなみに、チャロン。オーガって何か弱点はあるのかい?」


 とダメ元でチャロンに聞いてみる。


「いえ、見てのとおり頑強が売りの魔物ですから、これといった弱点はないですね(汗)

 頑丈な人間か獣人だと思って倒すしかないですね(汗)」


「了解。要は脳筋ってことだよね。じゃあ、皆で協力して倒すとしようか。」


 と腹を括る(汗)


「スノーとアッシュは奴の周囲を回って気をそらさせるんだ!

 まずは奴の動きを止めるぞ!」


 と号令をかける。


 スノーとアッシュは号令とともに駆け出すと、オーガの周りをバウバウと吠えながらクルクル回り動きを止める。


 オーガは手にした棍棒を振り回してスノー達を追い払おうと攻撃するが、スノー達が素早くそれを躱してオーガを足止めしてこちらに寄せ付けない!


スノーもアッシュもいい調子だ!

今夜のBBQはたくさん肉を食べていいぞ!


「いいぞ!亜季ちゃんとチャロンとアカネちゃんは、弓で奴の目と手足を狙って攻撃してくれ!奴の動きを止めるぞ!」


 と遠距離攻撃を指示する。


 僕と亜季ちゃん達は弓を構えると次々に矢を放つ!


 オーガの片目、両肩、両腕、両足に次々に矢がヒットして、オーガの勢いが若干鈍くなる。

 うん、なんとか効いているようだ!


「楓ちゃん!奴の動きを完全に止めるぞ!土魔法のバールで奴の膝に特大の石礫を食らわせるんだ!」


「はい!」

 

 と元気よく返事して駆け出すと、楓ちゃんは動きが鈍くなったオーガの膝に向かって「石礫ロックバレット」を発射する!


「ドゴン!」という音とともに「石礫ロックバレット」がオーガの右膝に命中すると、流石のオーガも立っていられなくなったのか、右膝から地面に崩れ落ちる!


「今だ楓ちゃん!

 奴の右腕にもう一発食らわせて棍棒を弾き落とすんだ!」


「はい!了解です!」


 と言うと、楓ちゃんはオーガの右肘を「石礫ロックバレット」で吹き飛ばす!


 棍棒を持つ右手を肘の部分から吹き飛ばされたオーガは、肘から先が無くなった自分の右腕を見つめて呆然としている。


 まあ、そりゃそうだろうね(汗)



「皆、今だ! 拳銃の魔導具で奴を蜂の巣にするぞ!ありったけの弾を頭と土手っ腹にぶち込んでやれ!」


 と言うやいなや、僕は9mm拳銃っぽい魔導具を取り出してオーガの頭に容赦なく連射でぶっ放す!


 拳銃から放たれた石礫はバスバスとオーガの頭にのめり込む。

 

 しかし流石はオーガである。

 人間なら1発でダウンするような攻撃でも肌と骨が硬いのか、石礫の弾も奥まで届かないようだ!

 

 うん、もっと火力が欲しいぞ!


 とは言うものの、5人がかりで拳銃の弾を浴びせ続けられたオーガはさすがに虫の息である。


 さあ、そろそろ止めの時間だ!


「皆、最後の仕上げだ!奴の首を跳ねるから少し離れて!」


 と言って皆を下げさせると、腰の片手剣を抜いて横一文字に一閃する!


 鈍い手応えとともにオーガの首が胴体と泣き別れる。


 と同時にオーガの首が地面に転がり、大きな胴体が力なくドシンと地面に倒れた・・。

 

 どうやら僕達はまた一つ修羅場をくぐりぬけたようだ・・。



「ふう、何とか倒せたね。皆、怪我はないかい?」


 と言って、皆の安全を確認する。

 怪我をしないのが最優先だからね。


「皆大丈夫ですよ!それにしてもさすがはタクさんですね!

 オーガを一撃で仕留めるなんて!」


 とチャロンが大興奮である。


「いや、皆が協力してくれたおかげさ。1人なら危なかったさ。」


「いえ!タクさんが作った魔導具があってこそですよ。

 魔導具がなければ奴の動きを止めることはできなかったでしょう。

 オーガはC級以上の冒険者が複数いないと倒せないと言われてますからね!」


 とチャロンが解説してくれる。


「そうなんだね(汗)。そんな危険な魔物だったとは知らなかったよ(汗)

 まあ、とりあえずオーガの死体を回収しよう。

 また別の魔物が出てきても困るしね(汗)」


「「「「はい!」」」」

 

 というやりとりをしたあと、僕はオーガの死体をアイテムボックスで回収する。


 なお、オーガの蜂の巣状態の見た目があまりにもグロかったので、「放水」の魔法で血を流してキレイにしたあとで、首は布袋に入れておいた。


 買い取り受付のお姉さんが驚くといけないからね(汗)。



「それにしても、まさかオーガに出くわすとはね(汗)」

 

 とチャロンに話しかける。


「ですね。オーガはこんな王都の近くに出てくる魔物ではないのですが・・。

 何か状況の変化があったのかもしれませんね。」


「もしかしてヤトノがやってきたみたいに、どこかの場所と繋がっちゃたのかな?

 だとしたら注意が必要だね。」


「ですね。まあ、その辺りを調査するのは王城とギルドの仕事ですから、私達は今日の出来事をギルドに戻ったら報告しましょう。」


「だね。まあ、皆に怪我がなくてよかったよ。それが一番さ!」


 と言って、現場を離れて街道に戻る。


 突然のオーガの登場にはびっくりしたけど、結果的に戦闘訓練になったからこれはこれでよかったのかな?


 なんと言ってもズンダの奴との試合に向けたいい景気づけになったしね!

最後までご覧いただきありがとうございました。

感想など頂けると励みになります。

引き続きよろしくお願いいたします。

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